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「そんなの自分だって考えてた」後出しじゃんけんな難癖は、無視していい

イタリアの美術家ブルーノ・ムナーリの言葉を集めた『ムナーリのことば』(平凡社刊)という本を読みました。素敵な名言がたくさん紹介されていたのですが、そのなかにこんな言葉がありました。

誰かが
これなら僕だってつくれるよ
と言うなら
それは
僕だって真似してつくれるよ
という意味だ
でなければ
もうとっくにつくっているはずだもの

ムナーリのことば

そうか、こう考えればいいんだと妙に納得してしまいました。

すぐれた作品やアイデアは、ときにこのような批判というか、難癖をつけられることがあります。しかし本当にできたのなら、ムナーリが言うようにその人(又はほかの誰か)が、自分よりも先にやっているはず。

後出しジャンケンのような批判は、気にすることはないということです。

もし意見があるのなら、言いがかりのような批判ではなく「それなら、こんなものもつくれるかも」と、自分もアイデアを出したほうが楽しいし、建設的です。創造力を使うなら、そんなふうに使いたいものです。

ところでムナーリは、いままで常識と思われていたことや物言いを新たな視点からみるような発言をよくしています。たとえば同じ本のなかには、こんな言葉もあります。

今日 我々は過渡期にある
(ところで 過渡期でない時って あったっけ)

ムナーリのことば

ムナーリは美術家として活動するだけでなく、グラフィックデザインやプロダクトデザイン、絵本作家など幅広く活躍していました。そのエネルギッシュな力の源は、これらの言葉にみられるような「思考の柔軟さ」にあったように思います。

↓ムナーリによる木の描き方の絵本

2016年7月23日のアメーバブログに加筆修正した再録記事です。

最後まで読んでくださりありがとうございました。
よい一日を!



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