卵巣を守る人生だった。摘出手術が怖かった。守り抜いた卵巣からの恩返しは絶大だった。


セクシャルマイノリティーは、それじだいは病気ではないけれど、まるで病気のように扱われてしまうことも多いものです。

それに『障害ではなく個性です!』などと叫ばれるのも、個人的にはあまり好みではない。Allyを自認する、自覚なき差別者って、けっこういるから。



セクシャルマイノリティーの当事者である、ということは、それほど気軽なことではない。

カミングアウトは気がつけば重大問題になってしまい、アウティングでは死者まで出ている。



『個性です』と言いたい人は言えばいいけど、左利きが理由で自殺した人はいないからね。




でね。セクシャルマイノリティーないしはLGBTカテゴリーの〝疾患〟を、わたしはトリプルで(3つ同時に)患っており、

まぁ順位は個人的な主観なんだけれど。

もっとも重い疾患は、

その名を打ち明けるのも、

かなり気が重い。

(とは言っても、そのために立ち上げたアカウントなので、かならずカミングアウトします、このまま読み進めてください)


第2位は性同一性障害(MtF)。

こちらも、あまり気軽に打ち明けたい話題ではない。とくにネット上では、書いている話題の方向性もあって、もともとは女性として100%完パスだった(だれからも疑われることなく女性認識だった)のに。


トランス女性は女性です!


というムーブメントも起こりつつあるようだが、世間一般の風潮に照らせば、トランスジェンダー(MtF)をみずから打ち明ける、ということは『わたしは本当は男性です』と宣言した意味になってしまう。


ほんとうは、


という言葉を使うのなら、


『ほんとうは女性です!』と


叫びたいのに。


でもLGBTに何の興味も無い一般人にそんなことまで理解させるのはほとんど不可能で。


トランスジェンダー(MtF)でいえば、

『女の子の格好をしているけど』

『ほんとうは男なんだね!』

『わかるよ!!!』

くらいの認識でも、

自称理解者の自称Allyになれる、 

というのが現状ですね。


なので、


トランスジェンダー(MtF)として生きるなら、完パス→埋没を目指すしか、生き筋は無くなるわけです。


過去、男性であったことは、金輪際、口を噤む。それ以外に方法はない。



あくまで一般論ですが。

男性から女性へと性転換した、と聞くと、

髪を伸ばして厚化粧した『男性』が、無理やり性器部分だけを手術して『女性です!』と言い張っている。

そのようなパターンしか想像できない。

LGBTに無関係の一般人の理解度は、その程度のものなのではないか。

でも実際には、

出生時の男性器の有無だけを根拠に、男性認定され、でも見た目はどう見ても女の子。なのにオトコの群れにぶち込まれてしまって、まるで輪姦されろと言わんばかりでお気の毒。という例も多くあるのです。(わたしもそのパターンでした)


わたしは、

見た目はほぼ女の子、所作も女の子。

でも性器の形状を理由に男性判定され、

かなり厳しい子ども時代を送りました。



両親は教団のほうを見て生きているので、

子育てにおいても、教団(ほかの信者たち)から見て、きちんと子育てしている(ように見える)か、という部分にしか興味がなく、ようするに、わたしがどのような存在であるかについては、だれも関心を持ちませんでした。





でも、そんなわたしも、

ある時期からものすごく『男性化』します。


文字通りの意味で

『男として生きよう!』

と決意したことは一度もないのですが。



(※というか、わたしにとっては性別というテーマじたいが、触れたくないものになっていたので。自分の性自認について真正面から話題にするのは、じつはこのアカウントが初めてです)



両親/実家/宗教団体と縁を切る!

と強く決意してから、

それを実現させるまでの間は、

はっきりと、明確に、

わたしは『男性』でした。


(※その間、女性としてのわたしは胸の奥で眠っていました→過去記事参照)


その期間だけは、

れっきとした男性の姿・男性の性格ですごし、また、唯一、男性らしい性欲が稼働していた時期でもありました。

この時期に、

『男性としての性欲』を真正面から扱ってみたことで、わたしは、オトコとして生きていくのは絶対にムリ!と思い知らさせられることにもなったわけですが。それについては別の機会に。





えーと。

もともとの話題に戻ります。

わたしはディープなセクシャルマイノリティーで、主に3つの項目に該当している。


(わたし自身の苦しみが)重い順に、


第1位のものは、まだ秘密。


第2位は性同一性障害(MtF)。


第3位はじつは、レズビアンで。


レズビアンに関しては、カミングアウト問題(カミングアウトの重さ)というのは無くて。

なんか、あっけらかんとしたものです。

なぜか、重苦しさはまったくなく、

憧れにも似た感情さえあります。



理由も説明できますね。

わたしからすれば、純女(生まれつきの女性)という存在じたいが羨ましいのです。女性として不完全なわたしが完全体の女性(純女)に仕える、という構図が好き。


ジェンダー平等の理念からすると、こんなことは大っぴらには語れないですが。わたし個人はトランス女性(MtF)よりもシス女性(純女)のほうが尊いと思っている。というか大っぴらには語らせてもらえないだけで、暗黙の前提として、一般的にもそのように認識されているように思えます。



そうして、わたしはわたしよりも尊い存在に、仕えたい。

これがわたしの恋愛観。

だれかに恋愛感情を向けるときにも、それと同時に、はっきりと、その人に『仕えたい』とも、思っています。



というか、通常の日常生活においても。

自分から白状しないかぎりは、わたしはまわりからは女性として認識されているので。その場合でも、女性としてのわたしは、ある程度までは『男尊女卑を前提にして』男性を立てておきたい性格です。

(※仕える相手を吟味しないと身の破滅につながります💥💥💥)




ところで。

トランスジェンダーなら誰でもそう思うように。わたしだって、できることなら、生まれつきの女性(純女)に生まれたかったです。

そして、生まれつき女性だったとしても、やはりわたしは、レズビアンになっていたでしょうね。

しかしその場合は『ノーマルな』(※差別用語)異性愛者ではなくレズビアンであることに、葛藤を抱いたかもしれません。

それでも『レズビアンであることの、誇らしさ』みたいなものも同時に感じたと思う。


でも性同一性障害については、

それはない。

もうひとつ上の疾患に関しては、

なおさらない。

それどころか、こちらの疾患は生命の危険があり、それとは別に摘出手術(を強要されること)の危険もあったのだ。







じゃあそろそろ、カミングアウトします。

最上位の疾患とはなにか。



わたしは、

最上位の疾患が原因で、

ホルモンバランスが崩壊し、

大きく分けてふたつの疾病を患った。

ひとつは、

思春期に突入した頃から。

いきなり睡眠がコントロールできなくなった。

今日眠りについたら、明日は寝過ごして、起きるのは明後日。とかが、ふつうに。もともと不登校だったので気づかなかったが、こんな病気があると、まともな社会生活は営めないよね💦

20代の半ばからは、

この症状は緩和されてきて。

労働者デビューしてからは、すくなくとも出勤がある日は、予定の時刻に起きられるようになりました。

それでも、休みの日はずっと寝てしまうことも多くて。いわゆる『休日の予定』を立てる気にはなれません。レジャー施設とか行くよりかは、睡眠のほうが好き。

いまでこそ、睡眠が好きだから寝ている。というつもりでいますが。

10代後半の頃は、あらゆる予定が『寝過ごしてしまって』キャンセルになるので、たいへん腹ただしかったですね。それでも病院に行く、というアイディアは思いつかなかったし、親はわたしに無関心でしたから。




そして、

もうひとつの疾病は、

かなり悲惨なもので。

それは、

頭部が勝手に発熱して、

手に負えないほどの熱さになる、

というものでした。

気温の暑さにやられる、のではなく。

気温に呼応して身体(頭部)が勝手に発熱を始めてしまい、気温よりもはるかに熱くなるのです。

あとから考えると、

それは、

わたし自身が『男性化していた』時期と、

ぴったり一致します。

この症状が出てからというもの、

夏場はずっと生き地獄ですよ💦

頭部が発熱するのだから、熱を逃がすために髪の毛がとにかく邪魔。それで髪の毛をぜんぶ剃ってスキンヘッドにしてました。まぁ男性だから、いいんですが💦

野外勤務なので、夏場は氷水で絞った濡れタオルを頭に巻いていました。それがなんと、

『まるで乾燥機にかけたみたいに』

カラカラに乾く!

実際には、夏だけでなく春夏秋ぜんぶ濡れタオル必須だし、乾いてしまうともう苦しくなる。

で、冬は冬で、どっかの建物に入ると、そこの暖房にやられて暑さが地獄なわけですよ。それも『頭部だけ』が。

けっきょく春夏秋冬ぜんぶ濡れタオルは必須だし頭に直接巻かないと冷やせないしで、スキンヘッドも必須でした。

頭髪の自由がない!!!


それだけではなく、

4月半ばから9月の終わり頃まで

連続して、

自宅の冷房は(外出中も)つけっぱなし!

設定温度は、最低値の16℃!!

寝るときは枕に保冷剤!!!

そんな暮らしをしてました。





いまにして思えば、

それは(最上位の疾患が原因の)ホルモンバランスの崩壊によるものだと、わかるのですが。


それがわかったのは、

最近ですから!


(わかると同時に、女性ホルモン投与はじめました)


そうなるまでは、

『どうせ医者に相談しても原因不明とか言われるだけだろ!』(だったら診察料取るなよ)

くらいの気持ちでいたので、

医者にもかからず。

ただ、一生耐えていくしかないのだと、

思っていました。




2020年5月。

一生付き合っていくしかないと思っていたこの病気の、原因が判明する日が、とつぜんやってきて。


そのときってね、

いつもの頭部発熱とは別の、

病気になったんですよ。

顎の下が腫れ上がってきて、喉ちんこ(←もっとお上品な表現はないのだろうか💦)が、なんか梅干しくらいの大きさまで腫れてしまって。これだと唾が飲み込めない。唾一滴飲み込むのにも、かなりの激痛に耐えるしかない。


さすがにこのときには医者(内科)に行って、そしたら診断は扁桃炎だった。

同時に体温を計ったら38.7℃

そして、

このとき、はじめて、

『発熱っていうのは、こんな感じなのか』

と、わかった。

どういうことかというと。

つまり、

頭部の発熱は、体感温度は40度を超えてしまうし、実際に乾燥機みたいな熱を放ってもいるんだけど。でもそれは、いわゆる発熱とは別のものなのだと。



それで、いろいろ調べて。

いろいろ考えてもみて。

そうして、

なぜかとつぜん、

わかった。




論理的には、

あきらかに飛躍してるんだけど。

自分のなかでは、ものすごく納得のいく形で答えがとつぜん出たわけですよ。





正しい病名は、

ホットフラッシュ。

おもに更年期障害の女性が患う病気で、

女性ホルモンの不足による。







自分の身体、

骨盤の内側に卵巣があること。

むかしから知っていた。

『男性なのに』卵巣があると知れると、本人の意思とは関係なく摘出手術をされてしまう(場合もある)ので、絶対に誰にもバレたくないと思っていた。医者には診せていないし、親にも知られていない。


『男性なのに』女性の器官を保有しているのは、はっきりいって、男性機能の邪魔になるし、正常な形では射精できなくなるし、ぶっちゃけピストン運動ができない。だから『男性としては』卵巣があるのは害にしかならない。


それでも、


どうしても、


わたしは卵巣を摘出したくなかった。


卵巣を、守りたかった。









そんな意識で生きてきたから。


わたしにとって卵巣とは、

『絶対に秘密にするべきもの』

『だれにも存在がバレてはならないもの』

であって、

それ以外の見方には気づかないから、

肝心なことを失念していた。




そうだった!

卵巣というのは、

女性ホルモン分泌器官なのだった。

つまり、

この病気。

自分(の身体)を『男性だと思っている』のが

そもそもまちがいで。


もともとわたしは女性である、


というふうに見たときに。

女性ホルモン分泌器官としての卵巣が力不足で、女性ホルモンが不足してしまう。だから更年期障害のようなホットフラッシュの症状が出てしまうのだ、と。



卵巣がある、

とは気づいていても。

それは未成熟すぎてなにもできない、

形骸化した器官として想像していた。

でもさ、

よくよく考えてみれば男性機能を妨害してしまうくらいには、女性の器官として機能していたってことなんだよね!



ここまで気づいてしまうと、

卵巣が『生きて活動していた』ことに

感激して愛おしさを感じて。


じゃあ、

いますぐ女性ホルモンを補充して、

卵巣を助けよう!!!


という答えに

すぐになりましたね。





当時はコロナ禍で、あらゆる荷物の到達が大幅に遅延していたので。オオサカ堂に発注していた女性ホルモン剤が届いた2020年6月から、女性ホルモン投与開始。


わたしの立てた仮説は完全に当たっており、頭部発熱の症状は治まったほか、いわゆる『男性の身体に女性ホルモンを投与する』ことによる副作用は、ほとんど出ませんでした。


MtFの性別移行は、女性ホルモンの副作用との闘いだ、というような記事も多く出回ってますけど。それらは言うまでもなくホルモンバランスの崩壊によるものであり、もともとホルモンバランスが崩壊していたわたしの場合は、むしろ女性ホルモン投与によってバランスが回復。

むしろ、

女性ホルモン投与以降のほうが、

はるかに健康体になりました💕💕💕





そういうわけで。

わたしにとって、

同性愛よりも、

性同一性障害よりも、

重い疾患とは、

両性具有、半陰陽、なのでした。






③レズビアンを②性同一性障害(MtF)は否定する。女性同性愛って言ったって、お前そもそも女じゃねーじゃねーか!って。

でも②トランス女性を①半陰陽は否定して、卵巣と子宮があるなら女性でしょ!?

ただし下の口(膣口)はない!



俗に言う、男性よりも女性のほうが性的な快感ははるかに強くて数百倍くらいは感じる、という話、あれは本当です。子宮がいきなり収縮すると、気絶しそうなくらいの快感。実際に気絶したこともある。あー摘出手術されなくてよかったーーー!!!

でもね。両性具有/半陰陽の当事者だからわかる事実として、身体の性別とは関係なく、性自認(こころの性別)は存在しているのです。

わたしの場合は、性自認:女性で、ほんとうに助かった。この身体で性自認:男性だったら地獄。だって、女性の快感に飲み込まれて、男性機能はまともに使えないわけだから。

まともな男性が、しかし性反応だけはまるっきし女性で、ちょっと性欲が高まってくると喘ぎ声出しまくってあンあン言ってたら、それで正気を保てるか、っていう話です。

自分がなぜ自分なのかを、説明することはだれにもできないし、だから、なぜわたしは、性自認が女性で性指向が女性なのかも、説明できないわけですよ。この身体で男性だったら地獄だよな→女性だったのでギリギリ生き延びた、助かったーーー!!!、けども。

この世ってひどい地獄だと思います。まったく救いなんてない。わたしはクジ運の良さで生き延びてきただけ。



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