マガジンのカバー画像

SOについて

6
運営しているクリエイター

記事一覧

太ったらストック・オプション没収です。攻めるFiNCの資本政策【SO設計編】

太ったらストック・オプション没収です。攻めるFiNCの資本政策【SO設計編】

noteのモチベーション:FiNCのSO設計が面白いFiNCの資本政策が持つ2つの側面
1. 規範的な資金調達(「全体像編」で解説)
・ 普通株/優先株の使い分け
・ 全てのラウンドの優先順位が同順位のシンプルな設計
・ ストック・オプション配布のタイミングは必ず資金調達前
2. 実験的なストック・オプション(【SO設計編】で解説)
・ 同一日付で、条件が異なるストック・オプションを複数個発行

もっとみる

「ストック・オプションを発行しているけれど、M&Aで買収されるときどうしよう」―(1)税制適格

新株予約権を用いたスタートアップの役職員・外部協力者向けのインセンティブである、ストック・オプション(SO)は、現在よく使われている類型として、税制適格ストック・オプションや、時価発行型有償ストック・オプション、いわゆる信託型ストック・オプションといったものがあるかと思います。

いずれも、スタートアップが成長してIPOをするのであれば、特段の問題はなく、行使条件を満たせば、粛々と行使してもらって

もっとみる
知らなかったでは済まされない!無償ストックオプション発行時にスタートアップがミスしやすいポイント(2)~行使条件編~

知らなかったでは済まされない!無償ストックオプション発行時にスタートアップがミスしやすいポイント(2)~行使条件編~

はじめにこの記事は「無償ストックオプション発行時にスタートアップがミスしやすいポイント」シリーズの2作目の記事です。1作目を読まれていない場合は、下記よりご確認ください。

2作目となる今回は、無償SO設計における行使条件について解説します。

略称一覧ストックオプション:SO
無償税制適格ストックオプション:適格SO
無償税制非適格ストックオプション:非適格SO
無償ストックオプション(適格SO

もっとみる
スタートアップ「NOIN」が自社のストックオプション(信託型SO)の制度とその設計プロセスを完全公開します

スタートアップ「NOIN」が自社のストックオプション(信託型SO)の制度とその設計プロセスを完全公開します

ノイン株式会社では、2021年1月よりストックオプション(以下、SO)の設計を開始しました。2021年5月に信託型SOを使ったインセンティブ制度を導入し、2021年10月には上半期の評価(初めてのポイント付与)を終えております。

社外に公表できるようなフェアな制度を作れたので、今後SOの設計をする経営者や実務家の方の参考になればと考え、会社の同意を得たうえで当社の制度を作っていったプロセスを私の

もっとみる
知らなかったでは済まされない!無償ストックオプション発行時にスタートアップがミスしやすいポイント(1)~会社法編~

知らなかったでは済まされない!無償ストックオプション発行時にスタートアップがミスしやすいポイント(1)~会社法編~

はじめにスタートアップの現場では、役職員向けのインセンティブ報酬の1つとしてストックオプションがしばしば用いられています。ストックオプションは、適切な方法とタイミングで活用できればスタートアップにとって非常に有用な武器となりますが、法制度に基づく制約事項や、日本におけるスタートアップとベンチャーキャピタルの間の投資契約及び株主間契約の商習慣を把握しないまま安易に発行すると、本来得られたはずの経済的

もっとみる
ストックオプションを設計するときに最初に読むnote (随時更新)

ストックオプションを設計するときに最初に読むnote (随時更新)

1. はじめにこんにちは。五常・アンド・カンパニーの堅田です。本職は財務・経営管理ですが、これまで複数のスタートアップで組織・人事の仕事にも携わってきました。本稿のテーマであるストックオプションは、人事と財務の交差点に位置するため、その設計から運用まで一定の経験を有しています。

昨年、日本を代表するスタートアップ SmartHRの創業者である宮田さんが以下のようなTweetをしておられるのを拝見

もっとみる