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【医療コラム】 先輩女性医師の家にお泊りした翌朝  医師の恋愛 

■麻雀に誘ってくる先輩医師


先輩から飲みに誘われて断る。
なんて行為は、プライベートを重視する今では当たり前。アルハラなんて言葉がなかった私の若いころなんて、今から考えれば滅茶苦茶でした。言葉自体がなかったのだから散々飲まされ、酔いつぶれるなんて当たり前でした。

「明日、派遣病院で朝早いんですよ」なんて言おうもんならどやされる。せめて、「明日医局会で症例報告するんで、早く帰りたいんです」なんて公の仕事があれば仕方がない。そうでなければ先輩の誘いを断るなんてありえませんでした。

その中でもとくに麻雀に誘われることが多かったものです。メンツを集めるためなら、臨床検査技師、放射線技師、薬剤師や看護師等々。高校のときに覚えた麻雀が、こんなところで役に立つとは、思ってもいませんでした。麻雀をやっている時に、先輩医師に言われたのは「ゲームの「脳トレ」とかやってもゲームがうまくなるだけなんだよ。その点、麻雀は違う。複雑に頭使うんだからな。論文とかもそうだけれどもいい医者になるんだったら麻雀偏差値上げろよ」なんて無茶苦茶言われていました。麻雀をすることの正当性を話されていたわけです。

■麻雀の先にあるもの


麻雀をする人たちは、みんながみんな麻雀が好きだというわけではありません。先輩のように麻雀が純粋に好きな人もいましたが、麻雀の後に食事に行ったり、飲みに行ったりしていたので、どちらかというと、そっちのほうがメインだったところもあります。食事や飲みの場では、お互いのことを話したり、病院のことを話したりします。医局そして病院で勤務していれば気の合わない人もいますし、仕事を一緒にやっていたらストレスもたまるものです。
この前、仕事おしつけられたんだぜ。
でも、あの人からの依頼なら仕方がないさ。
とか、そんな話もして、ストレス発散にもなっていたわけです。これだけでも神対応なのですが、私は若手で疲れもあってか、よく酔いつぶれて先輩の所に泊めてもらうことがありました。

■先輩たちの神対応


泊めてもらうと言っても先輩の家に着いたら酔いなど覚めるものです。でも今更帰れないので、夜遅くまで話を聞いたりするのでした。先輩と言えば男性もいれば女性もいる。あんたちゃんと仕事やっているわねと褒められることもあれば、この前の何なのと怒られることも。以前は先輩の家に泊まったと言っても問題にはならなかった。
これが神対応でしょう。

しかし、ある女性の先輩の家に泊まったときに、まさか先輩が内科の先生と付き合っていると知らずに、夜中遅くに内科の先生が帰ってきて滅茶苦茶気まずかったことはありましたが。そういうことは先に言ってほしいと、心の中では思いましたが、口には出せません。

ただ、先輩の家に泊まりたいとは後輩からは言えませんし、麻雀や食事や飲みにも誘えません。だいたい全面的におごってもらうわけですから。色んな先輩に誘ってもらいながら過ごしていると、病院内でも知り合いが増えました。プライベートで知り合って、病院内では仲間と支え、支えられて生きていく。とても理想的な関係だと思います。

今はハラスメントにあたるため、そんなことはできなくなりました。ですが、私は思うのです。自分の夢とかやりたいこととか語るには、また熱い議論して話し合うには少人数だったり酒の力もいると。あの時代はよかったと、今でも思います。

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