小説「私の名前はルーシー・バートン」日常を細やかに
最近、過去にあった出来事を
よく思い出すようになって、
年齢や環境のせいかと思っていたのですが、
人生を振り返りたくなっているのは、
この本を読んでいたからかもしれません。
「私の名前はルーシー・バートン」
著者 エリザベス・ストラウト
訳 小川 高義
早川書房
人とのやり取りや
過去の出来事で、
自分だけが感じた気持ちを
細やかに書くのが秀逸な作家さんです。
なので、
わたしも読むうちに
様々なことを思い出してしまいました。
この小説を簡単に3つにまとめますと
① ひとつひとつの丁寧な描写
あらすじは、
なにかとても重大なこと
が起きるわけではなくて、
主人公が盲腸で入院した話から
始まります。
病院に疎遠になっていた母親が
お見舞いに来ることで、
ルーシーはたくさんのことを
思い出します。
貧しかったこと、
不思議だったこと、父のこと、母のこと。
きょうだいのこと。
近所だった人たち。
大人になって知り合った人たち。
②家族や周囲の人々について思い巡らしたくなる
先程も記述しましたが
エリザベス・ストラウトさんは
日々のちょっとしたことを
鋭く、そして丁寧に描かれています。
わたしだけが
それを気にしていたなとか、
わたしはあの時
なんとなく傷ついたなとか、
そういった小さな日常の一コマ一コマの感情と
真剣に向かい合っている
文章を読んでいると、
色々なことを思い巡らしてしまいます。
③ エリザベス・ストラウトさん
エリザベス・ストラウトさんは、
この小説を書く前に
『オリーヴ・キタリッジの生活』
を出版していて、
ピューリッツァー賞 フィクション部門と
バンカレッラ賞を
受賞しています。
ドラマ化もしたりと
絶賛されていますので、
次はそちらを読んでみたいです。
ピューリッツァー賞 フィクション部門、
バンカレッラ賞とは、
なんぞや?となると
思うのですが、
ピューリッツァー賞とは、
バンカレッラ賞とは、
だそうです!
バンカレッラ賞は日本でいう
“本屋大賞”みたいな感じのようですね。
ピューリッツァー賞の
過去の受賞作品で、
有名なものですと、
1953年 『老人と海』(新潮社)
アーネスト・ヘミングウェイ
がありました。
今も読まれていますから
すごいことですね。
70年前に書かれたものになります。
余談ですが、
この間、男子高校生が迷って迷って
この『老人と海』を
買っていったんですよ。
まず、スマホに費やせる時間を
本を読もうと思ってくれたこと。
電子書籍じゃなくて、
自分で書店で色々見て、
紙の本を買ってくれたこと。
それだけでも、嬉しいことなのですが、
セレクトが『老人と海』って。
しおりを2枚つけちゃいました!
ささやかな応援です笑
話を戻しますが、
バンカレッラ賞は
イタリアの文学賞のせいか
日本で誰もが知っているような受賞作品は
ありませんでした。
自分と向き合いたくなる気持ちにさせる
不思議な本でした。
系統的には、
日本の作家さんでいうと、
江國香織さんや小川糸さんのような
感じだと思います。
気になった方はぜひチェックしてみてくださいね〜。
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