モノづくり企業における「最速精神」が革新を生み続ける秘密です
クラシコは、医療従事者のための「革新的なおしゃれ白衣・スクラブ」を作り続けています。そのひとつに「クールテック」のシリーズがあります。
当社の定番商品「クラシコテーラー」というロングコートの白衣と通気性の比較をしたとき、8倍以上の通気度を実現。シャツよりも涼しく、風が抜けていくような快適な着心地を体感できる商品です。
中でも、生地開発は糸からこだわり、素材軸で商品シリーズを展開するほど素材開発に注力。それを支えるバリューとして「最速精神」が存在します。
革新とスピード。
それを両立させる「最速精神」の真意について、チーフデザイナーの大豆生田さんにお話を伺いました。
創業期から続くクラシコの最速精神
── 大豆生田さんはクラシコの共同創業者ですが、「最速精神」は当時から存在したのでしょうか?
最速精神は、どんどん行動し、誰にも遅れることなく革新を生むためのバリューですが、当時はそれがより色濃く出ていたと思います。
通常は企画からサンプル作り、量産依頼まで1ヶ月かかるプロセスを、1週間という短い期間で一気に実行したこともありました。
また、現在では廃止していますが、当時はオーダーを求めるお客様の声が多かったことを受け、セミオーダーのような形ではじめました。
お客さま自身で体型補正やボタン、裏地を選び、デザインカスタマイズできる「白衣のオーダーメード」はどこの会社よりも早くスタートさせたんです。
── 企画から縫製・納品まではかなり時間がかかりそうですね。創業当時はどのように進めていたのでしょうか。
初期は、代表の大和と2人で企画したものを、私が縫って納品していました。
クラシコでいちばん最初の注文となった5~6着は、私1人では求める納品スピードに到達しないため、実家の家族に「これはこうして」と縫製方法を指示して、手伝ってもらっていましたね。実家を縫製ライン化したことで「2度と帰ってくるな!」と怒られましたが(笑)。
そのあと10着、20着と順調に注文数が増えたことで、縫製工場さんに量産を依頼をするようになりました。このように、その時々の状況に合わせて、素早く意思決定し、着手するか。この頃からスピード感は常に意識していたと思います。
── 「最速精神」は今も、引き継がれているのでしょうか。
はい、クラシコの仕事を支える大切な指針になっていると思います。たとえば、新商品を毎月リリースする取り組みもそのひとつです。それにはこんな想いがあります。
「最速精神」というバリュー、ある意味では“想い”があるからこそ、実現できることだと実感しています。
実は、他社を含めても、メディカルのユニフォームとして、毎月新商品を出すのはクラシコだけなんです。立ち上げからDtoCブランドを築いてきたクラシコだからできることでもあります。
新商品を毎月リリース、でも品質は向上
── 最速精神と商品クオリティは、一見して相反するように感じますが実際はどうなのでしょうか?
最速精神を持って、毎月新たな商品を出すことは、クオリティの底上げに繋がります。
なぜなら、常に新しい商品をリリースするためには、絶え間なく開発をしつづけ、開発体験を積み上げる必要があるからです。
こうした積み重ねが、オリジナル性の高い商品を生み、クラシコのクオリティを下支えしています。
── クラシコのクオリティを象徴するような例はありますか。
例を挙げるなら、冒頭でお伝えした「クールテック」のシリーズです。素材開発だけで2年かかっています。
この商品は、いくつかの特徴があります。
通気性があって涼しいだけでなく、ストレッチ性があり、しわになりにくく、吸水速乾などの機能も備えています。
通常、ストレッチ性を持たせるためには、ストレッチを出したい方向に生地を縮めて熱セットする手法を用います。しかし、そうすると生地は目が詰まった状態になり、本来は通気性が失われてしまう。
その矛盾を解決したのがこの「クールテック」のシリーズなんです。
── 素材開発には年に何種類もの新素材を開発していると聞いています。
そうですね。年に10種類以上の新素材を常に開発し続けています。でも、全ての素材開発が上手くいくわけではないので、その年に展開できるものがあれば、1年後や2年後にリリースする場合も…。
それも全ては、クオリティを求めるからこそ。開発時間はそれぞれ異なる分、常に1つ1つを「最速を目指す精神」で開発をし続けるマインドが大事なんです。
勘違いして欲しくないのは、クラシコが考える「最速精神」は、単なるスピード重視ではないということです。良い商品を生み出すために必要な時間をしっかりかけつつ、最速のマインドで取り組む。時間がかかることだからこそ、持ち続けたい心構え・想いなのです。
── なぜそこまでして「最速精神」の考え方を取り入れるのでしょうか?
今回のインタビューでは商品開発の視点からお話することが中心になりましたが、クラシコ全体を見ればその重要性がより明らかになります。
CS(カスタマーサポート)からクレームに関する内容があがれば、それらはすぐにSlackと呼ばれるチャットツールで共有され、部門を問わずアドバイスや意見がすぐに飛び交います。
また、お客さまからの感想メールも全メンバーに転送されているため、リアルタイムでお客さまの生の声を実感し、次の行動に移れるようにしています。
意思決定や着手のスピードが早いのもクラシコの特徴的です。Webチームの場合を例に挙げると、常にクオリティーを向上させながらも企画を2-3日で完成させ、商品撮影後の2週間後には販売ページを完成させているということも珍しくありません。
商品開発においては、素材から開発することが多いため結果的に時間がかかることはあっても、常に開発の手を止めないという「最速精神」を心に留めています。スピード感をもって取り組むからこそ「革新」が生まれると考えるからです。
「最速精神」は今も昔もクラシコのことを、支えてくれる大切な考え方だと私は思います。
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