#46:トランプ氏勝利による影響
はじめに
トランプ氏が大統領選に勝利して1週間が経過した。日経新聞によれば、このトランプ氏の当選の影響を受けた動きが出てきているということだ。これらの影響を、データやその周辺記事と共に見ていこうと思う。
ビットコイン
まずはビットコインの動き。はねあがっている。
ビットコインの跳ね上がりは、トランプ氏の暗号資産に対するポジティブな公約を受けたものということだ。
米国株
「米国株」とまとめると少し雑ではあるが、やはりトランプ氏のアメリカを中心とした政策への期待か、米国の各種株価が上昇した。S&P500も選挙前は慎重な動きをしていたが、トランプ氏勝利を受けた後で上昇している状況にある。
「トランプ氏勝利の後に最も上昇した株式は」と英語で検索してみるとこのような記事が出てきた。
この記事によれば、
【銀行株】JPMorgan Chase、Morgan Stanley、Capital One、Discover Financial Services
【刑務所株】Geo Group、Core Civic
【暗号資産株】Micro Strategy、Coinbase、MARA Holdings
【非再生可能エネルギー株】EQT、Baker Hughes
を挙げている。刑務所株が上がる、というのが衝撃的だが、これはトランプ氏が移民を強く取り締まる公約をしていることによるもの。考えれば確かにそうかもしれない。
また、エネルギー株のEQTはシェールガス関係、Baker Hughesは採掘器具関係の会社だが、トランプ氏が石油減産の緩和を求める→石油価格が下落し石油株関係は不調→非再生可能エネルギー企業への期待、という流れのようだ。
言われれば確かにそうだが、これも刑務所株と同様(というか日本にいるとそもそも「刑務所株」等というワードを聞かない)「トランプ氏の影響」として想像できる範囲の外側だった。精進の余地あり。
その他
その他には防衛関係の株式や、人材サービス系の株式が好調となった。これは安全保障政策にて同盟国に負担増を迫る可能性や、雇用環境の改善が予測されたからと考えられる。これは上記の刑務所株に比べれば相当に推測可能だった。
中国株
トランプ氏の代表的な政策の一つは「中国に対する60%の関税」だろう。
これを受けて中国株は下落した。香港ハンセン株価指数はこのような状況だ。
下記の記事で、「インド株がさえない」要因として、中国への資金流入を一つの理由に挙げていたが、中国への投資マネー流入は一服なのかもしれない。とはいえ、それを理由にこの1週間でインド株価指数(SENSEX等)が上昇に転じた形跡も特になく、これによってインドへ投資マネーが回帰するという動きにはならなさそうだ。(個人的には残念)
まとめ
トランプ氏の政策と言えば「アメリカ中心!」で語れることが多いので、そういう意味では期待通りの動きをしているようにも見える。関税をかけると輸入に頼る製品の価格が上昇することになるが、物価指数にどのような影響を与えるか、また、関税政策を受けた他国間の連携の様子がどう変わるか、といったことにも注意を払っていきたい。