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短歌

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2024年6月の記事一覧

短歌連首「月桃」

短歌連首「月桃」

ちむぐくる 梅雨明け待たず散る花よ
紡ぐいのちにあの夏は燃ゆ

慰霊の日 六月二十三日が
今年も来たるふるさとの夏

極東のハブと呼ばれたこの島に
有刺鉄線、夏、ゲート前

見渡せばどこも誰かの土地だった
どこも誰かの暮らしがあった

台風は毎年のように来るけれど
あなたは二度と帰ってこない

辻褄を合わせるように雨が降る
誰にも見せない涙もあって

軽率ないのちの値踏み死にたさに
同調はせず 我

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短歌連首「上京」

短歌連首「上京」

四畳半家賃四万五千円から始まった旅の途中だ

日払いの荷卸し後に貪った
ビール、ラキスト、日替り女

歌舞伎町廃れたビルのママの酒
赦されながら生き延びてきた

この街でなんでもやったとこぼしてた
酒場のオヤジ、まだ生きてるか

四畳半敷き詰めた夢のようなもの
メーデーメーデーここから出して

いつだって信じる者はすくわれる
神さまだとか足元だとか

遅咲きを恐れるなよと笑ってた
アニキの言葉が張

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