長楽庵(ちょうらくあん)

「ソーシャルワーカー事務所 長楽庵(ちょうらくあん)」で活動しています。

【第七話】過去から襲ってくる恐さに打ち克つ

「ひとりで不動産屋さんに入れるくらいなら、とっくにそうしています。でも、どうしてもダメなんです」 彼は言いづらそうに、でもいつもより大きな声で告白しました。 人…

【第六話】社会に戻ってやり直す本人の声を裁判で聞きたい

「こんな思いをするくらいだったら、もう戻りたい。あそこにいたほうが、ずっとよかった」 私の目の前には、まるで幼い子どものように泣きじゃくる50代の男性がいました…

【第四話】人生に添っていなければ何の手伝いにもならない

「つまらない……」とその人はよく言っていました。 はじめて福祉施設で会ったとき、彼は部屋の片隅で計算ドリルをやっていました。感情をほとんど表に出さず、何かを我慢…

【第五話】気づかないうちに人権を侵害する側にいた

「お父さん、お母さんとまた選挙に行きたいです」 裁判の終わりを迎え、裁判官から発言を求められた名児耶匠(なごやたくみ)さんは、はっきりとそう言いました。 堂々と…

【第三話】いまの社会があるのは開拓した人がいたから

私は車椅子を使う人と街に出かけたことで、初めて「社会」という存在を意識しました。1990年代のことです。 当時、大学生の私は、障害のある人が暮らすグループホーム…

【第二話】相手が感じていることを想像する

「急停車します。ご注意ください」と車内アナウンスが流れました。 電車は速度を落として、止まります。車内では安全確認をしていると車掌が説明しているところでした。 …