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臨床と宗教 死に臨む患者に私ができること

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プライマリ・ケア医は継続的に患者と付き合っていくなかで,患者・家族が感じる死への不安と対峙しなくてはならない場面も起こり得ます.本連載では「医療と宗教」という観点から,臨床宗教師… もっと読む
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#スピリチュアルケア

【書籍紹介】臨床と宗教 死に臨む患者へのスピリチュアルケア

医療に従事される方は患者さんがより長く、よりよく生きられるように日々苦心されていることと…

【臨床と宗教】 最終回 神はどこにいるのか

瞑想から得られるもの孫:  これまで私のほうからいろいろと質問させていただきましたが,先…

【臨床と宗教】 第14回 苦しみによる連帯

自分の中の悪孫:  先生のお話で,人間はどうにもならない黒いものを抱えているという話があ…

【臨床と宗教】 第13回 無限の闇を前にして

スピリチュアルケアとパストラルケア孫:  深谷先生は臨床パストラル教育研究センターでスピ…

【臨床と宗教】 第12回 十字架に込められた意味

キリスト教の世界観深谷:  キリスト教において人間とは基本的にどういう存在かというと,ど…

【臨床と宗教】 第11回 キリスト教ってどんな宗教?

カトリック? プロテスタント?孫:  私は医師22年目となりますが,緩和ケアの研修で少し触れ…

【臨床と宗教】 第10回 学びの架橋

マクロで考える死生観 井口:  社会のなかでの「死」のあり方は時代の変遷で少しずつ変わってきています.トニー・ウォルター 1) という死別の社会学をやっている研究者がいて,その人の議論が参考になるのでちょっと紹介しますね.  中世とか近代に入る前は,そもそも医療がそんなに発展していなかったこともあり,死は基本的には宗教の問題として扱われ,医療者はすごく宗教者に近い存在でした.これは「伝統的な死」と言われます.  近代になると科学的価値観がどんどん主流になっていって,死は病

【臨床と宗教】 第9回 医師として考える 死へのまなざし

前回まで 医師であれば患者の死に立ち会うことは避けられないことである一方,医師にはスピリ…

【臨床と宗教】 第8回 死者との絆を考える

前回まで 井口先生がイランで体験した医療では,医師は答えを出すことを求められており,イス…

【臨床と宗教】 第7回 日本とイランにおける 医療観の違い

前回まで 宗教を宗派などで分ける創唱宗教と,古来からある基層的な自然宗教とに区別すると,…

【臨床と宗教】 第6回 日本人は無宗教か?

前回まで 第5回まではビハーラ僧として病院勤務された経験があり,臨床宗教師の教育にも携わる…

【臨床と宗教】 第5回 共感でつながる医療と宗教

前回まで 医療のなかで宗教が意識されることはまだまだ少ないかもしれません.しかし,つらい…

【臨床と宗教】 第4回 宗教が医療に溶け込むとき

前回まで あらゆるものが効率化を求められるなかで,アナログ的な側面をもつ宗教は人々の意識…

【臨床と宗教】 第3回 医療からこぼれ落ちるもの

前回まで もともと関心の低かった日本人の宗教事情があるなかで,1990年代に起きた大震災と宗教的事件は日本の宗教の在り方に大きな影響を与えました.宗教,とくに仏教が葬式や死のイメージと結び付けられることもあって,宗教者が医療現場に入るには難しさがありましたが,東日本大震災を潮目に宗教を再評価する土壌もできつつあります.いろいろな課題もあるなかで,宗教者は医療現場で何ができるのでしょうか? 成果を求めるアプローチの限界 孫:  一般的な質問になってしまいますが,いま科学の進歩