あまり役には立たないけれど ちょっと楽しくなるものを② 〜ヒンメリ〜
これから街の雰囲気は 一気にクリスマスへ加速します。
北欧のインテリアや雑貨が好きです。
シンプルでナチュラル
ほっこりと心地よく馴染みます。
ヒンメリ(himmeli)はご存知ですか。
麦わらに糸を通してつくる多面体のフィンランドの伝統的な装飾品。
語源はスウェーデン語の 「天」や「空」を意味するヒンメル(himmel)からきています。
発祥は中央ヨーロッパ、その後スウェーデンからフィンランドへと伝わったといわれています。
別名『光のモビール』とも呼ばれ 吊して飾ります。
フィンランドといえば何を思い浮かべますか。
夏の白夜、サウナ、ムーミン… そしてやっぱり オーロラにサンタクロースかな
高緯度に位置するフィンランドの冬は厳しく、太陽の光はとても貴重です。
より北方の地域では 太陽が昇らない日が続く地域もあります。
日光はあらゆる命に欠かせないもの。
春へむかって日長になってゆく冬至の日には “太陽が生まれる日” として盛大にお祝いされました。
自然を敬い 豊穣の願いを込めて作られたのがヒンメリ。
これからの時期クリスマスの飾りとともにヒンメリがお店に並びます。
日本でもクリスマスシーズンには、クリスマスの装飾とともに街のディスプレイにもヒンメリをよく見かけます。
知らず知らずのうちにみなさんも目にされているかもしれませんね。
麦は一万年ほど前から栽培されていた 世界最古の作物のひとつ。
『古事記』や『万葉集』にも“麦”の表記が残っています。
米の収穫を終えた秋に種をまき、夏の早い時期に収穫する。
昔、社会の授業で二毛作とか習いましたね。
豊穣のシンボルである麦を使って作られるヒンメリは、幸福や幸運を願って飾られます。
材料は 麦わらと綿糸、いたってシンプル。
ナチュラルな素材はインテリアとしても注目されています。
そして簡単に手作りできます。
麦わらは通販などでも手に入ります。
ヒンメリ用として、長さや太さが揃えられて売られているものもあります。
身近なプラスチックや紙のストローを使えばお子さんでも気軽に扱えるので、親子で工作するのも楽しいと思います。
麦わら【straw】ストロー
麦わら帽子は【straw hat】ストローハット と言いますね。
麦わら つまり麦の茎は、カットすると空洞の筒状にになっているので糸を通すことができます。
乾燥してると割れやすいので、水にしばらく浸してからカットするとうまく切れます。
初めての場合 ある程度は太さがあったほうが糸は通しやすいけれど、細めのものが仕上がりはきれいです。
基本となるのは12本の麦わらで作る八面体です。
一番簡単なのは同じ長さで作るこのような正八面体。
辺の長さを変えれば表情が変わります。
大小作ったり、ダイヤ形などに応用もできます。
30本で二十面体というのもできるんですよ。
ひとつでもかわいいけれど、たくさん作って繋げていけばデザインは無限に広がります。
ドライフラワーなんかをアレンジしても素敵な飾りになりそうです。
アイデア次第でオリジナルの作品になりますね。
ヒンメリ作家さんの作品になると、もう溜め息が出るほど繊細な素晴らしいアートなんです。
素材がとっても軽いので、部屋のドアの開閉や人の動きのほんのわずかな空気の揺らぎでもゆる〜っと回っています。
なので、少し壁から離して吊るせると楽しいです。
壁に映る影もきれい。
ぼんやり見ているだけでとっても癒されるんです。
幸運のヒンメリ、インテリアにいかがですか。
友人に作り方を教えてって言われて、超アナログな手書きレシピと材料を急いで準備した矢先の自粛生活突入で まだ実現していません。
でも、楽しい時間はもうすぐそこまできている気がします。
どうぞよい一日を、よい一週間を。
#46. 『 麦 』
⭐︎新米は持て囃されて 秋の田の麦の種まくニュースの微か
⭐︎ドライなる麦の穂先はツンツンと今のキミみたい そっと束ぬ
ー ちる ー
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