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ABC分析~ユニバーサルデザインの学級作りへの活用~生徒指導|学校教育

ABC分析~ユニバーサルデザインの学級作りへの活用~生徒指導|学校教育

これまで、行動を変えるアプローチについて書いてきました。

以下にまとめてあります。

このABC分析によって,

子どもの個別理解が進み、『構造化』と『工夫』の段階にもつなげることができます。

第一にA(先行条件)とB(行動)への『予防』を行います。

ABC分析は、不適応行動の対策に使うと考えられがちですが、

それ以前の予防としての活用が重要です。

発達に困難のある子は、

学校生活で適応できない場面が存在する結果、

つまずいてしまいます。

このつまずきは、

子どもではなく教師側の責任です。

よって、不適切な行動の発生を予防できるよう、

A・Bそれぞれに予防策を用意します。

これが構造化につながります。

何十人も在籍する学級において、

問題行動が発生した後に対策をしては、

必ず対応しきれなくなります。

まず、どの子もが安心して過ごせる学級環境を用意することが重要です。

以下はAとBの予防アプローチの例です。

A(先行条件)への予防的アプローチの例

・視覚過敏がある子のために、掲示物は必要最低限にとどめる
・聴覚過敏のある子のために、静かな学習環境を用意する
・曖昧なルールが理解できない子のために、学級ルールをはっきりさせておく
・多動性のある子のために、授業中に活動を多く設定する
・字を書くことが苦手な子のために、板書は最低限の量にする

B(行動)への予防的アプローチの例

・授業でわからないときは、『先生や友達に質問して良い』と伝えておく
・朝の会、帰りの会などは『テンプレート』を用意して、自由に使ってよいと伝えておく
・忘れ物をしたときは、『先生に伝えて、学級の予備を借りてよい』と伝えておく
・どっちが正しいか揉めそうになったときは、『じゃんけんをする』と決めておく
・鼻水が出そうになったら、『教室のティッシュを使ってよい』と伝えておく

上記は一例ですが、

このように『予防対策』を紹介すると、

『我慢させることも大切なのではないか?』と疑問を呈する人もいるかと思います。

これに関しては明確に、

『これに関して我慢させることは必要ない』

と回答できます。

第一に、

『発達に困難のある子は我慢することで成長することはない』

ということがあります。

体の機能の問題に我慢を強いることは、

視力が低い人に『よく見なさい!』と叱ることと同じです。

我慢することで何も解決しないばかりか、

自己肯定感が下がり、

マイナスの影響しかないからです。

第二に、

『我慢をする』という力は

『目的に向かって努力』という過程において、

発揮される力です。

理不尽な環境や、

意味の無いルールに我慢させてしまうと、

逆に『考える力』を奪う結果となります。

『我慢する力』は、

『夢や目標に向かって努力する過程』、

あるいは

『授業や遊びなどにおける対人関係で折り合う場面』

などにおいて必要な力ですので、

それ以外で無駄に我慢をさせるのは、意味がありません。

真夏にクーラーがまったくない部屋過ごすことが我慢でしょうか。

熱中症で搬送されてしまう人をニュースで見かけます。

これまで、ABC分析について書いてきました。

次回は、ABC分析のもとである行動科学の原則(応用行動分析ABA)について書きます。


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