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石拾い飯 有名郷土料理編

割引あり

想像してください。あなたは今桃太郎電鉄をプレイしています。私がやり込んだスーパーファミコン版のスーパー桃太郎電鉄Ⅱを。出雲に行ったらいずもそばを、盛岡に行ったらわんこそばを、山形に行ったらサクランボを食べてみたくなりませんか?大人になった今旅をすると、桃鉄を思い出しながらできるだけ有名郷土料理を食べるようにしています。グルメ企画の今回はスーパー桃太郎電鉄Ⅱの物件にもある、今までのリサーチ中に食べた有名郷土料理をピックアップして紹介していきます!


長崎ちゃんぽん

ラーメンぽいけどラーメンではないのが不思議


私が北海道出身だからかもしれませんが、長崎ちゃんぽんはそれほど馴染みのない食べ物でした。ちゃんこ鍋と名前が似ているので子どもの頃はあまり区別がついていなかった気がします。ちゃんぽん自体は桃鉄にあったから知っていましたし世間的にも有名ですよね。でも、長崎といえばカステラのほうが有名かもしれません。私は新地中華街に行ってちゃんぽんを食べ、カステラもお土産として買いました。買ったのはチョコレートカステラ。抹茶風味などもあり多様な品揃えでした。さすが長崎ですね。

新地中華街で買ったカステラの画像がなかったので道中で食べたカステラアイスをどうぞ

新地中華街で食べるまで人生でちゃんぽんを食べた回数は1〜2回くらいだと思います。それも学生時代とか若い頃だったので味の記憶はありませんでした。日本におけるちゃんぽんの歴史を調べると発祥はやはり長崎。ちゃんぽんは福建省がルーツということで、さすがは出島がある国際的な都市ですね。私が食べたお店はちゃんぽんよりも水餃子を推している感じだったので、もちろん水餃子も頼みました。

焼餃子派だが水餃子も良いものである

長崎には平和公園と原爆資料館、雲仙普賢岳の噴火とその影響をリサーチするために行きました。島原半島の川原では石を拾いました。その川は海に近く、雲仙普賢岳で噴出したものの通り道となった場所だと推測します。大きな斑晶がたくさんある石が多かったのが印象的でした。がまだすドームがある島原半島は世界ジオパークにもなっています。ほとんど弾丸で行ったので滞在が短かく、絶対また訪れたい場所のひとつです。ジオパークに興味がある方は過去記事をご参照ください。


長崎ちゃんぽん 中華街店
私が入ったお店。おいしかったよ。


富山マスずし

一段か二段か、ますかぶりかなどの選択肢が与えられていることの幸福


千葉家大好きます寿司!何を隠そう私の39歳の誕生ケーキはます寿司でした。母と一緒にデコレーションをしたという楽しい思い出があります。

ます寿司誕生ケーキ。いくらとチーズとマヨネーズでデコレーション

しかし、札幌ではいつでも好きなときにます寿司を食べることができないんですよね。オンラインでも注文はできますが、送料が高いので新聞のチラシに入ってくる北陸物産展の情報をキャッチしてはスーパーに出かけることを繰り返している我が親。「売り切れだった……」とスーパーで普通のお弁当を買って帰ってくる姿を何度も見てきました。鱒は北海道でも取れるはずなのになぜ需要と供給のバランスがこんなに悪いのでしょうか?笹?北海道にはます寿司を包む笹がないのかな?それとも富山以外でます寿司供給量を制限する悪法があるのか?それならば絶対に許さん。

ます寿司の歴史を調べてみると江戸時代の徳川吉宗まで遡るようです。そんなに昔ならとっくにいろいろな地域で作られていてもおかしくはありません。もちろん北海道でだって。なんでだろう、札幌のます寿司供給量の乏しさには別の理由がありそうです。コンビニのます寿司おにぎりでいいじゃんと思ったあなた。粋がわからない罪で逮捕。

粋な私は富山駅でます寿司を買い金沢で食べるという計画を立てました。本当は道中の電車で食べたかったけれど、朝ごはんでお腹がいっぱいになってしまいました。富山駅で買い物中なのがこの章の冒頭にある画像です。母に見せたら歓喜していましたよ。富山駅はます寿司で溢れていました。ひっきりなしに売れていきますが売り切れる様子を見せません。本場を感じさせる太い供給網。ますます募る札幌のなぜ。

私が選んだのはますとぶりが一緒に入ったものです。ぶりも一度に食べられるだなんて札幌ではなかったことでした。単に親が買ってこなかっただけかもしれませんが。ますとぶりの合わせ技は一生の思い出になるという確信めいたものがありましたね。金沢21世紀美術館の外のベンチでいただきました。

小箱だけれど十分なボリュームがあった
ぶり部分にも笹がある。押し寿司界隈で笹の果たす役割の大きさが見てとれる

余談ですが、この日の金沢21世紀美術館にはめっっちゃくちゃ人が入っていました。私が押し寿司になってしまうのではと思うほど。展示は面白かったので納得ではあります。

この時の企画展は『アレックス・ダ・コルテ 新鮮な地獄』


『アレックス・ダ・コルテ 新鮮な地獄』展覧会風景
会場にはそれほど人がいなかったがチケット売り場が混雑のかぎりを尽くしていた

富山では立山連峰をリサーチし、ガラス作品についての相談もしてきました。立山連峰のある地域は立山黒部ジオパークに属しています。ジオパークについて興味がある方はぜひ過去記事をご参照ください。

さらっと二度も同じ過去記事を推すことに違和感を覚えたあなた。特集は石拾い専門雑誌の目玉企画なのに読んでいる人もいいねの数も少なすぎるのですよ。有料記事にするとみんな読んでくれないみたいなんですよね。無料部分の方にむしろ情報がたくさん載っているのに。

また、富山にはます寿司食べ比べという私にとって夢のような企画もあります。人生で一度はしてみたいです。利きます寿司もあればやりたいなあ。


食という地学

長崎・富山の両県ともとても充実した旅となりました。もちろんグルメではなくリサーチがメインなのですが、ご当地グルメはその土地の特徴を知る上で大変重要な役割を果たすものです。美味しいだけではなく地学を学ぶ機会にもなる「食」。ぜひみなさんもゴールデンウィークで各地にお出かけの際はその土地のものを味わってみてはいかがでしょうか?新生活を新たな土地で始めた人も、これから自分が住んでいく場所のご当地料理をぜひ楽しんでくださいね。

何がご当地料理かよくわかんないという人は、Switch版桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~をぜひ参考にしてください。スーパーファミコンの桃鉄とは違い物件がかなり細かくなっています。冒頭に挙げた盛岡はコッペパン、わんこそば、じゃじゃ麺、南部せんべい、盛岡冷麺と、わんこそばやだけではなく色々な食べ物が特産品であることがわかります。山形は冷やしラーメン、サクランボ、ラ・フランス、イモ煮、でんすけ豆が名物のようです。盛岡のコッペパンもそうですが、山形で冷やしラーメンが名物なのを全然知りませんでした。出雲は……やっぱり出雲そばしかないですね!


いっぱい旅をしているはずなのに2個しか郷土料理がないのかと思ったあなた。よく事情がわからないのにすぐ批判する罪で逮捕。桃鉄の物件と合わせているのですよ。スーパーファミコン版とSwitch版を考慮しつつ……


そして唐突に始まるエッセイ。

私と桃鉄、というかハドソン

高橋名人系のファミコンソフトとかわいいインコを同時に収めた画は世界初ではないか。初めてはいつだって芸術である。美術写真としてとりあつかってくれないかな

スーパー桃太郎電鉄Ⅱが出た当時、このソフトを作ったのはハドソンという会社だった。ハドソンはかつて北海道札幌市を拠点にしていた。この文章を書くにあたり私はハドソンのWikipediaを読んでみた。ハドソンは初め小さな会社として立ち上がり、通信機器の他に美術写真の販売もしていたらしい。任天堂の花札並みの意外さだ。いや、花札の方が遊戯という点で理念が通底している。通信機器と美術写真を同列に扱い利益が出ると考えるのは美術家くらいだと思っていた。ハドソンのこの独自性が、同郷という極私的な理由よりも艶やかな感動を私にもたらす。

Wikipediaには高橋名人や芸術の森といった個人的に馴染みのある言葉が連なる。大都市でありながら僻地の札幌において全国に名が知られている会社が、それも多くの子どもたちに親しまれていた会社があること。人口規模しか誇れる言葉を持たない郷土愛を恥じる。あの頃子どもだった人とその親は高橋名人が16連射で日本全国に一大旋風を巻き起こしたことを覚えているだろう。例えば、私の家には『高橋名人のBugってハニー』というファミコンソフトがある。4つ上の姉も大苦戦した激難ゲームだった。

ファンキーな見た目に反した激難ゲーム

記憶通りに書くと、「すいちゅうわんぜる すいちゅうわんぜる バグってハニー バグってハニー あなたの声が聞こえるわ」というアニメ版Bugってハニーの主題歌をゲーム音楽に乗せながら脳内再生しプレイする。突然始まるブロックくずしにはアルファベットが仕込まれており適切なものを集めなければならない。横スクロールアクションとブロックくずしの反射神経にアルファベット集めの知性、そしてストーリーがあるんだかないんだかわからないミステリーについて行く忍耐力。大人になった今プレイしてもクリアできる気がしない。当時は今よりもゲームやアニメ、漫画は子どものものという認識が強かったと思うが、ファミコンソフトは子どもがクリアできることを前提としない。経験したなかでほとんどのファミコンソフトが大人向けか男性向け、あるいはその両方だった。典型的なのは『パチコン』や『井出洋介名人の実戦麻雀』だろう。だが大人向けでも姉が友達から借りたという『中国占星術』なる個性的な謎ソフトもあるので侮れない。仙人のような爺さんの画を今でも覚えている。

大人系カセットをみつめるヒミ
パチンコより麻雀に興味があるようだ

そういえば『バードウィーク』もなんとも言えない独自性があった。こちらは愛鳥家を自負している私でさえもまったく食指が動かない鳥ゲームという稀有な存在である。セーブ機能もないのに全ステージをクリアできるのはやはり時間を自由に管理できる大人の遊戯なのではないだろうか。
(この記事をきっかけにYoutubeでバードウィークのクリア動画を見た。全ステージをクリアするとステージ1に戻っていた……)

鳥ゲームのパイオニアをみつめるヒミ
興味なし


Wikipediaを読み進めると北海道拓殖銀行の文字に目が止まった。

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