シナトラ

主にチェスプロブレムや詰将棋の記事をupしています。気が向いたら他の趣味についても書き…

シナトラ

主にチェスプロブレムや詰将棋の記事をupしています。気が向いたら他の趣味についても書きます!

マガジン

  • インタビュー企画

    詰将棋関係者にインタビューし、その人の詰棋観に迫るドキュメンタリー。 【ゲスト】第1回:斎藤光寿、第2回:馬屋原剛、特別編:岸本裕真、第3回:長谷川雄士、第4回:大崎壮太郎、第5回:??、第6回:未定

  • 詰パラを読む

    青のKK師匠の『温故知新』を見習い、詰パラを2015年1月号から読み進めています。

  • 名シンガー探訪

    音楽熱が収まらなくなった時に書きます。

  • 黎明期のオーソドックス傑作選

    Samuel Loyd, Philip Klett, William A. Shinkman, Otto Wurzburg, Miroslav Havel・・・・・・ 偉大な先達のOrthodoxを紹介しています。

  • 「Fairy World」を読む(完)

    Helpmateの大家、losif Krikheli (Josif Kricheli)の作品集「Fairy World」から名作を選りすぐって解説しています。

最近の記事

Mansfieldの#2を解く(1)

最高の2手メイト作家である、Comins Mansfieldの作品集『A GENIUS OF THE TWO-MOVER』を解いていく連載を始めました。最近プロブレムへの興味が薄れており、長く続けられるとは思えないのですが、とりあえず1本あげてみます。 この作品集はA. C. Whiteの「クリスマスシリーズ」のうちの1つです。クリスマスシリーズはいずれも無料でpdfを入手可能なので興味を持った方は検索してみてください。 なお、この作品集には解説がなく、解答もkeyが書い

    • 詰パラ715号

      今日は2015年10月号を読んでいる。 この号(の結果稿)には、詰将棋史上に残る田島氏の4桂連合趣向があって、これ1作だけで他の作品を全て吹き飛ばしてしまうほどの迫力だが、今回はあえて7手詰だけを選ぶことにした。 まずは、半期賞発表のページの三輪作。 三輪勝昭 45龍、35桂、34龍、16玉、25龍、同玉、34馬まで7手。 2手目35とと移動合するのが自然に見えるが、36龍と捨てて58馬で早い。 なぜこれを引用したかと言えば、最近発表した自作と手順構成が一緒だったから

      • 詰パラ714号

        9月号には順位戦の結果稿がある。中でも、A級優勝の宮原作と、C級2位の武島作は引用に値する。 宮原航 「いざ綯い弓」 23角、44玉、34角成、同玉、12角、35玉、45角成、同玉、25飛成、44玉、54飛、同玉、55龍まで13手。 2枚の角を打って成り捨てればあら不思議、玉が四角形に動いて攻方35桂だけが消えている。それにしても、同じ方向から角打→成り捨てをノンストップで2回というのは相当珍しい。 武島広秋 33銀成、同玉、55角、34玉、33角成、同玉、24銀、

        • 詰パラ713号 後編

          大学院の結果稿にはかの有名な「来たるべきもの」があるが、ここでは大学とデパートから1作ずつ取り上げることにしよう。 井上徹也 23歩成、14玉、13と、同香、47馬、36歩合、同馬、23玉、32飛成、24玉、35龍、23玉、45馬、14玉、34龍、15玉、16歩、同玉、27馬、15玉、37馬、26歩合、35龍、14玉、47馬、36歩合、同馬、23玉、24歩、12玉、45馬、11玉、31龍、21角合、同龍、同玉、32角、11玉、12馬、同玉、23歩成、11玉、21角成、同玉

        Mansfieldの#2を解く(1)

        マガジン

        • インタビュー企画
          4本
        • 詰パラを読む
          11本
        • 名シンガー探訪
          8本
        • 黎明期のオーソドックス傑作選
          13本
        • 「Fairy World」を読む(完)
          23本
        • Try,everybody! シリーズ(完)
          24本

        記事

          詰パラ713号 前編

          この号は非常に面白いのでオススメだ。 目玉商品は若島さんによる「夢想の研究②」。2024年8月発売予定の『詰将棋の誕生』ではここからさらに進んだ研究が見られそうで楽しみだ。 それから「詰将棋デパート 年間表彰」も見逃せない。というのも、担当者が自分で受賞作を選ぶ半期賞システムではなく、あの山田修司さんにジャッジをお願いして選評を書いてもらうというチェスプロブレムのシステムを採用しているからだ。ここでは、長編賞を受賞した田島秀男作(以下のリンクを参照)に対する山田さんのコメ

          詰パラ713号 前編

          黎明期のOrthodox傑作選 13

          Miroslav Havel 1st Prize L’Italia Scacchistica 1927 #3 1.Ra4! (2.Qd5+ Sxd5 3.Sc6#) 1...Bxa4 2.Qg4+ Ke5 3.Qg7# 1...Bf3(Rh6) 2.Qxc4+ Kxc4 3.Rxb4# 1...Rc5 2.Rxb4+ 以下詰み この絶妙なkey moveを見ていただきたい。三段目の押さえ駒として使えそうなRを、黒駒が並ぶ四段目に動かし、ハーフピン形を作るというのだ。a

          黎明期のOrthodox傑作選 13

          インタビュー企画③ー長谷川雄士編

          インタビュー企画の第3弾です。今回は長谷川雄士さんにお話を伺うことになりました! 長谷川雄士さんは北海道大学の2年生で、半期賞受賞経験を持つ有望な短編作家です。ネットでは「はせがわ_ゆ」名義でも作品を発表しています。 ーーは私の質問、太字が長谷川さんの回答、☆が私がインタビュー後に付けたコメントです。それではお楽しみください。 ――詰将棋創作を始めたのはいつですか? 中学1年の時に将棋部の部誌に載せるからってことで作り始めました。詰将棋は部内では結構解けるほうだったので

          インタビュー企画③ー長谷川雄士編

          黎明期のOrthodox傑作選 12

          Miroslav Havel 1st Prize Tidskrift for Schack 1914 #3 1.Bh6! (2.Bxg7 exd4 3.e5#) 1...gxh6 2.Sf5+ exf5 3.Qxh6#                 2...Kc6 3.Qc1# 1...exd4 2.e5+ Kxe5 3.Bf4# 1...Sc7 2.Qc1 (受け無し) keyの捨駒と、threat込みでの3つのモデルメイト。本手順の2手目Sf5+とe5+は共に

          黎明期のOrthodox傑作選 12

          黎明期のOrthodox傑作選 11

          Miroslav Havel 2nd Prize Tijdschrift van den Nederlandschen 1921 #3 1.Rd8 (2.Bh5+ Kxd3 3.Sc5#) 1...Sf2(g3) 2.Sg3+ Kxd3 3.Bc4# 1...Kxd3 2.Qd2+ Kxe4 3.Bd5# 1...Bc2 2.Qe1+ Kxd3 3.Sc5#                   2...Kf3 3.Bh5# 1...fxe4 2.Kg2 Bxd3 3.B

          黎明期のOrthodox傑作選 11

          黎明期のOrthodox傑作選 10

          Otto Wurzburg First Honorable Mention American Chess Bulletin 1940 #3 1.Rf5! 1...Ka2 2.Ra5+ Kb3 3.Qc3#                  2...Kb1 3.Qf5# 1...Ba3 2.Rf1+ Bc1 3.Qb2#                  2...Ka2 Qxf7# 1...Kc2 2.Rb5 (受け無し) 何と言ってもkeyが素晴らしい。こんな手を指

          黎明期のOrthodox傑作選 10

          詰パラ712号

          7月号なので看寿賞発表の記事があった。しかし、受賞しなかった候補作については図面・手順が載っておらず「○○作、パラ○月号、◯手」という情報があるだけ。バックナンバーを出してこないと選考委員の話についていけない。最近の看寿賞の記事はもう少し読みやすかった気がするので、ここ数年で改善されたのだろう。 さて、今回は中編と長編を1作ずつ選んでみた。 若島正 65飛、同玉、74歩、75飛合、同飛、64玉、65飛、同玉、66飛、74玉、76飛、75飛合、同飛、64玉、65飛打、53

          詰パラ712号

          私のnoteのこれから

          このnoteを今後どうしようかな〜というお話。4月から社会人になるため、詰将棋やプロブレムに捧げられる時間は減ることになると思う。 私の持っている仕事の中で最重要なのはプロパラの担当。これは一度引き受けた以上、後任が見つかるまで続けることになる。少し前まで私より担当歴の長い人ばかりだったが、最近になって急に新陳代謝が起き、私より長いのはFiary担当のCrisanとRetro担当の松崎さんのお二人だけになった。私はいつまで続けられるだろう。 続いて大事なのは『詰将棋年鑑』

          私のnoteのこれから

          ~岸本裕真氏と将棋世界付録を語り合う~

          インタビュー企画の番外編です。今回は岸本裕真氏(Kisy君)を招き、将棋世界令和6年4月号の付録「岸本裕真 詰将棋作品集」について語っていただきました。この付録は長手数作品が多く、鑑賞するだけでもなかなか大変ですが、本記事はKisy君と私(シナトラ)が作品にまつわるエピソードや作品内容についてテキトーにお喋りするというだけの内容なので、誰でも気楽に読めると思います。皆さん、付録を手元に置いてからこの記事を読んでください。付録が無いと何の話をしているのか分からないと思います(図

          ~岸本裕真氏と将棋世界付録を語り合う~

          Zivko Janevski - Selected Helpmates 21

          471番 3rd Prize The Problemist 2000 H#3 2solutions 1.Sc4 Bd6 2.Kxd6 Sf4 3.Kc5 Rxd5# 1.Sf4 Re6 2.Kxe6 Sg5+ 3.Ke5 Bxd4# ナイトが動いた跡地へのUmnov。1...Bxd4のような手では、Kd6とは行けるがその次のKc5が指せないので、sacrifice(捨駒)せざるを得ないという構造だ。白2手目のナイトの跳ね分けまで配慮が行き届いており感心させられる。

          Zivko Janevski - Selected Helpmates 21

          詰パラ711号

          この号の結果稿は好作目白押しで、どれを取り上げればよいか難しかった。山路さんの看寿賞作(4桂連続打〜連続捨)や、青木作(青木手筋の1号局)、宮原航作「疑常識」などもあったのだが、この辺りは有名なので、今更私のnoteで取り上げる意味は薄いだろう。 悩んで選んだ2作がこちら。 水谷創 93角、66香合、46銀、58玉、67馬、同香生、48角成、同玉、49金まで9手。 「香合を不成で動かす」だけならさほど難しくないが、繋ぎの手も捨駒で構成して立派な仕上がり。 馬屋原剛

          詰パラ711号

          The Problemist 2014.11 後編

          Selected Problemsの続き。 久しぶりにStudyを1作紹介しよう。 Martin Minski 4th Prize ARVES Jenever Tourney 2014 Win 1.g7 Ba2というのは普通の序奏。続く2.c4!のNovotnyが作者の狙い第一弾である。これを2...Rxc4と取ると3.g8=Qで簡単で、2...Bxc4も3.Kh4以下早い(Novotnyの効果でRxd4の受けがない)。そこで黒は工夫して2...Bd6+ 3.Kh4 B

          The Problemist 2014.11 後編