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詰パラを読む

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青のKK師匠を見習い、詰パラを2015年1月号から読み進めています。
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詰パラ715号

詰パラ715号

今日は2015年10月号を読んでいる。
この号(の結果稿)には、詰将棋史上に残る田島氏の4桂連合趣向があって、これ1作だけで他の作品を全て吹き飛ばしてしまうほどの迫力だが、今回はあえて7手詰だけを選ぶことにした。

まずは、半期賞発表のページの三輪作。

三輪勝昭

45龍、35桂、34龍、16玉、25龍、同玉、34馬まで7手。

2手目35とと移動合するのが自然に見えるが、36龍と捨てて58馬で

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詰パラ714号

詰パラ714号

9月号には順位戦の結果稿がある。中でも、A級優勝の宮原作と、C級2位の武島作は引用に値する。

宮原航
「いざ綯い弓」

23角、44玉、34角成、同玉、12角、35玉、45角成、同玉、25飛成、44玉、54飛、同玉、55龍まで13手。

2枚の角を打って成り捨てればあら不思議、玉が四角形に動いて攻方35桂だけが消えている。それにしても、同じ方向から角打→成り捨てをノンストップで2回というのは相当

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詰パラ713号 後編

詰パラ713号 後編

大学院の結果稿にはかの有名な「来たるべきもの」があるが、ここでは大学とデパートから1作ずつ取り上げることにしよう。

井上徹也

23歩成、14玉、13と、同香、47馬、36歩合、同馬、23玉、32飛成、24玉、35龍、23玉、45馬、14玉、34龍、15玉、16歩、同玉、27馬、15玉、37馬、26歩合、35龍、14玉、47馬、36歩合、同馬、23玉、24歩、12玉、45馬、11玉、31龍、21

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詰パラ713号 前編

詰パラ713号 前編

この号は非常に面白いのでオススメだ。

目玉商品は若島さんによる「夢想の研究②」。2024年8月発売予定の『詰将棋の誕生』ではここからさらに進んだ研究が見られそうで楽しみだ。

それから「詰将棋デパート 年間表彰」も見逃せない。というのも、担当者が自分で受賞作を選ぶ半期賞システムではなく、あの山田修司さんにジャッジをお願いして選評を書いてもらうというチェスプロブレムのシステムを採用しているからだ。

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詰パラ712号

詰パラ712号

7月号なので看寿賞発表の記事があった。しかし、受賞しなかった候補作については図面・手順が載っておらず「○○作、パラ○月号、◯手」という情報があるだけ。バックナンバーを出してこないと選考委員の話についていけない。最近の看寿賞の記事はもう少し読みやすかった気がするので、ここ数年で改善されたのだろう。

さて、今回は中編と長編を1作ずつ選んでみた。

若島正

65飛、同玉、74歩、75飛合、同飛、64

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詰パラ711号

詰パラ711号

この号の結果稿は好作目白押しで、どれを取り上げればよいか難しかった。山路さんの看寿賞作(4桂連続打〜連続捨)や、青木作(青木手筋の1号局)、宮原航作「疑常識」などもあったのだが、この辺りは有名なので、今更私のnoteで取り上げる意味は薄いだろう。

悩んで選んだ2作がこちら。

水谷創

93角、66香合、46銀、58玉、67馬、同香生、48角成、同玉、49金まで9手。

「香合を不成で動かす」だ

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詰パラ710号

詰パラ710号

この号では風みどりさんによる「第12回詰将棋解答選手権チャンピオン戦報告」が目を引く。
N方さんの会場間違い、W島さんの二日酔い、F井さんによる優勝の言葉など、とにかくバラエティに富んだ良記事だ。ここでは引用しないので、興味を持たれた方は読み返してみてほしい。

それでは結果稿から3作ご紹介。

三輪勝昭

35香、同馬、13飛、同馬、31飛、同馬左、44金、32玉、24桂、同馬、43金まで11手

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詰パラ709号

詰パラ709号

この号では半期賞の発表があった。半分以上の学校について、もし自分が担当だったら別の作品を選んでいただろうと思う。もちろん評価は人それぞれなのでどの作品を賞に選んでも良いわけだが、その作を選んだ根拠を述べるのがJudgeとしての責務だと思う。

上谷直希

18香、17桂合、36飛、25玉、38飛、16玉、17香、同玉、18歩、16玉、36飛、25玉、37飛、16玉、28桂、同香成、17歩まで17手

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詰パラ708号

詰パラ708号

この号では近藤郷さんが『般若一族全作品』に関する記事を書いている。中でも驚いたのは、あの「今井光作品」が当時担当だった森敏宏さんによる命名だったということ。投稿時は別の馬名だったらしい!

この号の結果稿は短篇コンクールだ。その中から2作取り上げたい。

深和敬斗

38銀、同銀生、27金、同銀生、36金、同銀成、27金、同成銀、38金、同成銀、27飛まで11手。

38の生銀を成銀に変えるという

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詰パラ707号

詰パラ707号

保育園担当の佐藤透さんが、ヨチヨチルームをキッズルームに改名した話について書いている。私は初めて自作が掲載されたのがヨチヨチルームだったので、今でもそちらの名前に愛着があるなぁ。

読者サロンでは近藤郷さんが担当や連載の長期化について、若者に半期くらいやらせてみてはどうかと?と一石を投じている。これは今のパラにも言えることだろう。

この号は期末だからなのか、高校で5作全て評点が2.8を超えるなど

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詰パラ706号

詰パラ706号

青のKKさんの「温故知新」人気に憧れて、私も詰将棋の連載をやろうと思い立った。温故知新で絶対に扱わない最近のパラでも読み進めていきましょうということで、何となく手にとったのが詰パラ706号(2015年1月号)。

当時の学校担当は

小学校:水谷創
中学校:中島清志
高等学校:仲西哲男
短期大学:石黒誠一
大学:利波偉
大学院:安武翔太

という面々。あぁ懐かしい。

結果稿から3作紹介する。

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