詰パラ713号 後編
大学院の結果稿にはかの有名な「来たるべきもの」があるが、ここでは大学とデパートから1作ずつ取り上げることにしよう。
井上徹也
23歩成、14玉、13と、同香、47馬、36歩合、同馬、23玉、32飛成、24玉、35龍、23玉、45馬、14玉、34龍、15玉、16歩、同玉、27馬、15玉、37馬、26歩合、35龍、14玉、47馬、36歩合、同馬、23玉、24歩、12玉、45馬、11玉、31龍、21角合、同龍、同玉、32角、11玉、12馬、同玉、23歩成、11玉、21角成、同玉、32と寄、11玉、22とまで47手。
13手目に24歩では、以下31龍まで進んだ時に21歩合で詰まない。太字の手順を経ることで玉方26歩を発生させ、収束の21歩合を拒絶するのだ。テーマを軽妙な趣向風の手順で表現した傑作と思う。
発表時は、肝心の26歩合のところで桂合が変同という惜しい見落としがあった。56桂を香に変えたこの修正図では、同手数駒余りでなんとか割り切れているようだ。
相馬慎一
35馬寄、同銀、54銀生、44角合、同龍、同銀、13角、35香合、同角成、同銀、47香、56玉、45銀、55玉、66銀、同玉、48馬、55玉、54と、65玉、85龍まで21手。
3手目54銀成の場合は不利香合で打歩詰に誘導する。玉のフライトを2つ用意して、「銀生+不利角=銀成+不利香」でその2つともが埋まるというアイデアだ。
35香合というおまけの不利合を出し、26馬・87龍を働かせる収束も隙がない。