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黎明期のOrthodox傑作選 12

Miroslav Havel
1st Prize Tidskrift for Schack 1914

#3

1.Bh6! (2.Bxg7 exd4 3.e5#)
1...gxh6 2.Sf5+ exf5 3.Qxh6#
               
2...Kc6 3.Qc1#
1...exd4 2.e5+ Kxe5 3.Bf4#

1...Sc7 2.Qc1 (受け無し)

keyの捨駒と、threat込みでの3つのモデルメイト。本手順の2手目Sf5+とe5+は共に捨駒になっているが、これはなかなか珍しいのではないだろうか。threatでの2...exd4と、本手順での1...exd4の比較も一興である。
エレガントな構成が印象に残る佳作。


Miroslav Havel
1st Prize Trollhättans Schacksällskap, 1929

#3

1.Qe7! (2.Re2+ Kxd5/Kd3 3.Be6/Sb2#)
1...Sxe7 2.Sf6+ Kd3 3.Be2#
1...Bxd5 2.Qh7+ Rxh7 3.Bf5#
1...gxf2 2.Sxf2+ Kxd5 3.Be6#
1...Kxd5 2.Rd2+ Ke4 3.Rd4#

異なるB移動で3種のモデルメイトを表現した作品。keyはQ捨てになっている上に1...Bxd5の変化にはもう一発Q捨てが入っている。なお、3.Rd4#はモデルメイトになっていないが、このようなpinの形の時はモデルメイトだと見做す慣例があるようだ(つまりモデルメイト×4)。いずれにせよ、この変化も美しいピンメイトであり、全く非の打ち所がない傑作!


Havelは次回で最後です。

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