黎明期のOrthodox傑作選 13
Miroslav Havel
1st Prize L’Italia Scacchistica 1927
#3
1.Ra4! (2.Qd5+ Sxd5 3.Sc6#)
1...Bxa4 2.Qg4+ Ke5 3.Qg7#
1...Bf3(Rh6) 2.Qxc4+ Kxc4 3.Rxb4#
1...Rc5 2.Rxb4+ 以下詰み
この絶妙なkey moveを見ていただきたい。三段目の押さえ駒として使えそうなRを、黒駒が並ぶ四段目に動かし、ハーフピン形を作るというのだ。a4には黒Bの利きがあり捨駒にもなっていることにも注意。keyの付け方としては最良であろう。
そして作意は、異なる位置で2つのモデルメイト。いずれもBとSの利きがうまく噛み合った見事なものだ。
モデルメイトよりもkeyの方に重点が置かれている感じもするが、美しい詰形はHavelの面目躍如である。
Miroslav Havel
1st Prize Ústřední jednota českých šachistů 1922
#3
1.Rc8! (2.Be5+ Qxc8 3.Se4#)
1...Qxc8 2.Se4+ Kxd4 3.Qd1#
1...b4 2.Bc4+ Kxd4 3.Be5#
1...Kxd4 2.Be5+ Kxd5 3.Sf4#
よくぞ土俵の中央でこれだけの演出をしたものと驚嘆せずにはいられない。当然全てモデルメイトであり、どうすればこんな風に作れるのか想像も付かない。ボヘミア派を体現した傑作である。
Havel作品を#3ばかり7作紹介してきた。ボヘミア派の巨匠による力作を楽しんでいただけたことと思う。次回からはJohannes KohtzとCarl Kockelkornの共作を見ていただくことにしよう。