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夏の台湾料理屋でスパイス飲みと杏仁アイス

ーデザートを食べるところまでが台湾料理ですー

去年の夏の夜のこと。

重い仕事がようやく一区切りついた華の金曜日、私は西荻窪駅に降り立った。

待ち合わせの時間より少し早く駅に着いたので、お店とは反対方向にある行きたかった本屋さんを目指した。

「旅の本屋のまど」というところ。

国内旅行や海外旅行のガイドブックや紀行文はもちろん、いろんな国のカルチャー本などもあっておもしろかった。

ここでのんびりしていたら、待ち合わせ相手が到着。お店を目指した。


南口の商店街を抜けて、雰囲気のいい飲み屋通りみたいなところに出る。

えーこんなところあったんだ。

片っ端から入ってみたい。

ガラス張りで、薄暗くて暖色系のライトがほんのりついていて、壁は打ちっぱなしのコンクリートで、女友達と2人でワイングラス片手にゆっくり過ごせそうなタイプのお店がたくさんあった。

(タマランチ会長•••!! byクレヨンしんちゃん)

今回の目的地もそんなお店たちの仲間の一つ、台湾料理とワインのお店「spice飯店」


お店は半地下っぽくて、普通に地上階のドアを開けたら、3段くらいの階段があって、そこを降りたカウンターに案内された。

たったの3段だけど、隠れ家効果?を感じる。

メニューはアラカルト。

穴が開くほど見て、何を食べようか予習してきた。

食べたかったものと、その時の気分と、お腹次第でチョイスしていく。

・・・

まずは台湾ビールで乾杯!ああ〜やっぱり夏のじっとりした夜にはビールが合うね!

ペースが遅いタイプなので、小ぶりなグラスもちょうどいい。

前菜はピータンウフマヨ

2人で1つ頼んだら、半分ずつにカットしてくださった。

お恥ずかしながら、ピータンを食べるのは初めて。

大学の授業で「ピータンは卵をアルカリの液でうんたらかんたら•••」みたいな話を聞いてから、その黒い見た目も相まって、なんとなく食わず嫌いをしてきた。

でも今日のはウフマヨコラボ。

だから大丈夫な気がした。

一口食べてその食感にびっくり。ブルンブルン!

そしてソースのマヨネーズと、(たぶん)オリジナルブレンドのラー油で、おしゃれに着飾っていておいしい。

ピータンをアレンジしようってなって、スパイス料理のお店だからラー油をかけようってところまではわかるけど、それをウフマヨにもしちゃおうっていう発想がすごいなと。料理人の頭の中1ヶ月くらい住んでみたい。

続いて干豆腐炒め

さっきのピータンウフマヨもそうだったけど、干豆腐炒めも、「干豆腐すら食べたことないのに、いきなり創作料理の干豆腐炒めから入っちゃった!」という気分。

辛すぎないラー油はニンニクと花椒が効いていて、香る香る。

干豆腐の食感は、何かに似てるような気もするけど、難しい。

平たいパスタっぽくありながら、歯ごたえもしっかりある感じ。

高野豆腐のあのスポンジ感ともまた違うしなあ。

あ、切り干し大根? うん、近いかも。

途中、キッチンで店員さんがくしゃみしていた。やっぱりこのスパイスだらけの環境、体には辛いんだなって他人事ながらに。

続いて大好物の春巻き

この日はいちじくと生ハムの春巻き。

何この女子の心鷲掴み系春巻き•••。

いちじくと生ハムの甘じょっぱコンビにここにもスパイス。

(ふたりはプリキュアでも十分よかったのに、マックスハートが仲間入りしたときみたいな事件)

こちらはシナモンっぽい、なんだろう、カルダモンかな?おしゃれなピリリ感。

人に例えるなら、君絶対モテるよね!?ってタイプの一つ上の学年の体育祭応援団長。

続いてよだれ鶏

漢字で書くと「口水鶏」。なんかこう書くと、口から水が出ちゃったおっちょこちょいなニワトリ感が出るように感じるのは私だけ?

レモンとナンプラーの味かな?

おしゃれに着飾ったやわやわチキン。

最後のメインは中華おこわ

こういうときどっちが食べたいですか?

どどーんと鮎丸ごと1匹を2人分に分けて作ってくださった。

川魚久しぶりに食べた。奥多摩とか行きたいな。好きな川魚あったんだけど、名前忘れちゃった。

鮎は卵も入ってて、こんがりでほろ苦くて、おこわには山椒の実が入っててときめいた。

スパイスとひとことに言っても、いろんな種類があって、いろんな味があって、いろんな組み合わせがあるんだなと再認識した夜だった。

ごちそうさま!

・・・

・・・っっっちょっと待ったー!!

(本編終了後にサプライズ発表があるAKBのコンサート感)

こういうお店に来たらデザートはつきもの。

ということで、デザートメニューを眺める。

わりと満腹だったのと、ワインが効いていたのと、このときすでに22時を回っていたのとで、さっぱりしたい気分。

本当は無花果バター揚げパンも気になっていたけど、それはまた今度来た時にしよう。

「杏仁アイス」をひとつずつ頼む。

ふぁ〜〜!銀色の冷たい器に盛られた純白のアイス。

スプーンで一口、これはやばい、、と直感。

杏仁と言っても杏仁豆腐感はあんまりなくて、食べたことがない味で、1番近いのでいうと、中華のデザートのココナッツミルクタピオカのスープみたいな味。

舌ざわりがちょっとザラザラしているくらい濃厚。

このアイス、今まで食べたアイスクリームの中でお世辞抜きに1番おいしかったかも。

(お世辞を言う必要もないけど)

1番とか、むやみやたらと言うのはあんまり好きじゃないけど、ここまで感動した記憶はなかったから、本当だと思う。

(と言ったそばから、「ああ、でも小さい頃ハーゲンダッツの白桃味めっちゃハマってたな」とか、「一時期マンゴーソース入りのしろくまアイスバーハマってたな」とかいろいろ思い出したけど、まあいいや。)

・・・

総じて香り好きにはたまらないお店だった。

お店を出て、まだまだ賑やかな夜の街を夜風にあたりながら駅へと向かった。

清少納言も1000年前に言ってたけど、夏は夜だね!

・・・

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