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わたしの部下が可愛いので聞いて欲しい

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《カッコ良い上司でいたかったわたし》と《兎に角可愛い部下たち》の日々の出来事について。 尚、適切な距離を保っていた筈が、現在はデレッデレ。 部下たちの可愛さだけでなく、段々と言…
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#私の仕事

【部下を推す話】[34] 評価シートの話

【部下を推す話】[34] 評価シートの話

春を過ぎ、初夏になった。
気付けば緑が眩い季節になっている。暑かったり寒かったりと気温が安定しないが、空は高い。夏もきっとすぐそこだ。

そんな最中、わたしは例によって唸っていた。
毎度お馴染み、半期評価の季節である。

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実はこの春と冬の境目くらいにBちゃんが異動してしまった。
明るい彼女が居ないオフィスは若干の精細を欠いているように感じられる。しかし、偶に連絡を取

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【部下を推す話】[33] 質と量とファンレターと。

【部下を推す話】[33] 質と量とファンレターと。

先日、部下たちから今期の自己評価を記載した評価表を提出していただいた。
今度はわたしがその書類に彼等の評価を記載する番である。

定められた各項目については何段階かで数値化し、実際に取り組んだ内容については自由筆記された自己評価シート。
可愛い彼等が書いた書類を読むのを、わたしは毎期楽しみにしている。
Aが自由筆記分をA4用紙にびっちり記載してきたという予想外にも見舞われたが、それはそれで可愛いの

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【部下を推す話】[32] Et tu?

【部下を推す話】[32] Et tu?

時が経つのは早い。
少し前まであんなに蝉が鳴いて空も濃くて深い青だったのに。気付けば葉は黄や赤に染まり、空は薄い色になってきた。
…そんなことを、以前も書いたばかりだ。

秋色に染まる景色の中、空気が少しずつ冷たくなってきた。冬が滲み出している。
冬が近付く季節ということは、そう。
年に2度のあのイベントがやってきたのだ。

楽しい楽しい半期評価の時期である。

「わたしがコメント記載する関係もあ

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【部下を推す話】[29] 個人面談

【部下を推す話】[29] 個人面談

「お疲れ様です。お時間いただきありがとうございますー!」

管理部門とのFBを終えたわたしは会議室を出た。管理部門の職員たちを送り出し、自分のデスクのあるフロアへ向かう。
評価のFBにミーティングまで加えたものだから、予定の時刻を大幅に過ぎていた。窓から見える空は夜色に塗り潰されている。
わたしが会議室に向かうまでは平和だったから、そのまま何も起きていなければわたしの部下たちも別職種の職員たちも帰

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【部下を推す話】[28] イベント前夜

【部下を推す話】[28] イベント前夜

時間は某日深夜1時。

布団の上のわたしはスマホで日付を確認する。
眠れない。全く眠れない。
新規入職のCは「ねこのさん、元気?」とスキンシップしにきてくれて可愛いし、Bはいろんな話しに来てくれて可愛いし、Aは残業後に愛車で通り過ぎるわたしをバス停から目で追ってくれた上にこちらが手を振ったのにも気付いて一礼してくれて可愛いし、と部下達の可愛さが極まったことも原因のひとつではあるが、それだけではない

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【部下を推す話】[27] +

【部下を推す話】[27] +

外の音が徐々に変わり始めた。いつの間にかコオロギやスズムシがコロコロと鳴いている。少し前まであんなに声を上げていた蝉たちは何処に行ってしまったのか。
空も薄い水色から澄んだ青に色味が変わっている。
空気が少しずつ秋を醸し始めたそんな折。わたしに部下が増えた。

新規入職者のCは採用が決まったときからわたしの下への配属となることが確定していた。
面談の際の数時間で「だいぶしっかりしたコだし、わたしは

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【部下を推す話】[26] 呼び間違い

【部下を推す話】[26] 呼び間違い

昼過ぎのことだ。オフィスに1本の電話が掛かってきた。部下Bが受話器を取る。

「Aですね。生憎席を外しておりまして、」

外勤中の部下A宛に掛かってきた電話だったようだ。電話に応対しながらBが片手で何かを探し始める。Aが応対している案件の資料のようだ。わたしもBもA宛で掛かってきたその電話の要件を把握していた為、どうやら代わりに要件を聞くつもりらしい。
電話するBに代わり、わたしはその資料を探し出

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【部下を推す話】[25] 「尊みのお陰で生きている。」

【部下を推す話】[25] 「尊みのお陰で生きている。」

今月はえぐい。ずっとえぐい。何故かはわからないがえぐい。

仕事の話である。

2〜3ヶ月に一度、やってもやっても次から次へと業務が湧く月がある。今月がそれだった。
とは言ってもわたしの仕事は常に業務量が多く、そもそも現在の立場になってから残業が無かった月がない。デフォルトがそんな状況なのに更に忙しくなるなんて、本当に神様は意地悪だ。
よくやってるなと自分でも思うし、なんとかなっているのは偏にわた

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【部下を推す話】[23] 「サラサラでした。」

【部下を推す話】[23] 「サラサラでした。」

「ねこのさん」

呼ばれて顔を上げた先には部下のAが居た。普段ならばわたしは誰が相手でも目を見て話を聞く。
しかし、その日は違った。わたしの視線はAの目より更に上に吸い寄せられてしまう。

「〇〇についての書類を〜…、」

目の前でAが喋っている。前日に教えた業務についてやってみたので確認して欲しいのだと言う。
話の内容は耳に入っている。しかし、どうしてもAの頭上に目が行ってしまう。
視線が合わな

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【部下を推す話】[20] 危険な愛称

【部下を推す話】[20] 危険な愛称

仕事の話をするとき、わたしは部下たちのことを「さん」付けで呼ぶ。
仕事と関係ない話のときには愛称で呼ぶ。

Bは苗字をもじって「Bちゃん」。
Aは「A氏」「Aくん」「Aさん」etc...と安定しない。

つい先日、Aファンクラブを結成 (※本人に告知済) した際に「**りんって呼んでいい?」と聞いて「だめです」と言われてしまった。
言われてしまったが、ファンクラブ会員であるわたしとBは本人の居ない

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【部下を推す話】[19] 7月分作画にあたり。

【部下を推す話】[19] 7月分作画にあたり。

以前ちらっと書いたが、わたしは月1回職場で間違い探し仕立てのイラストを掲示している。
「ご自由にお持ちください」と配布しているのだが、これがなかなか評判が良い。
5月から始め、6月版で突然クオリティーをぶち上げたのは記憶に新しい。偏に部下たちのプロポーズ (※ゲーム) と歌声 (【部下を推す話】⑧参照) で大変筆が乗ったお陰である。

尚、先日久々に会った別フロアの先輩に「ねえねえ、この5月号と6

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【部下を推す話】[18] きっと真夏にそれは起こる。

【部下を推す話】[18] きっと真夏にそれは起こる。

はやくも次回の評価書類がやってきた。
頭を抱えながら評価を行ったのはまだ記憶に新しい。
次回の評価は半年後なので、今回行うのは各自「これからの半期における目標の記載」である。
悩ましいことこの上ない。

書くのも厄介なら、その後の処理も厄介だ。
部下たちや同僚たちの書類を集めた後に管理部門に提出するのだが、ただ集めて提出するだけでは駄目なのだ。
内容を確認し、必要であれば本人に差し戻す。
わたしは

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【部下を推す話】[17] 優しい君の無事を祈る

【部下を推す話】[17] 優しい君の無事を祈る

その日は朝から調子が良かった。
通勤時は道が空いていてすいすい通れたし、前日のわたしが翌日のわたしにと課した丸一日分のタスクは午前中で終わった。
部下のBはお休み、かつもう一人の部下Aも普段より少し遅い出勤だったにも関わらず、わたしはハイペースで仕事を終えていく。普段から業務処理の速さは自負しているが、いつにも増して速い。相当調子が良かった。
この分だと、溜まっている仕事も前倒ししてだいぶ解消出来

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