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【 Care’s World case 11 自分自身を整え、妊娠前から育児まで楽しい日々を送れるライフサポートを 〜燈 tomoshibi 中野なぎさ さん 〜 / -後編- 】

前編では、なぎささんがご自身の産前産後の経験や
そこからの気づき、その後のアクションについて伺いました。

後編では、その変遷を経て大事にされていることを中心に深掘りしていきます。

前編はこちら

Care’s Worldについてはこちらから。


写真提供:燈 tomoshibi 重ね煮を使ったアレンジ料理

♢聞き手:山之内 せり奈(看護師/結庵-むすびあん-)
♢話し手:中野 なぎさ(燈 tomoshibi)
♢撮影・執筆・編集:上 泰寿(Care’s World / ケアの編集者 )
♢インタビュー場所:あいなか~4丁目の家~

腸内環境を整えることで変えられるもの

なぎさ:日本人は結の精神が昔からあって、例えば、田植えだったり家の修繕を地域のみんなで協力して作業するのが当たり前だったと聞いています。人とのつながりやコミュニティがあるからこそ、お互い支え合っていけるし、それが幸せにも直結するんだと思うようになりました。

最近、当たり前に平凡な日々を過ごせることが幸せだと感じています。私にとって平凡な日々とは、私も家族も元気で過ごして、美味しいご飯を毎日食べられること。そこには感謝の気持ちが根底にあるし、それに気づけたから心が豊かになりました。

さらにいうと、食が変わったから考え方も変わったんだと思っています。腸内細菌には善玉菌や悪玉菌といった菌がいて、一説ではそれぞれの菌の量によって、その人の性格が変わってくるといわれているそうです。

だから、腸内環境が整うと、考え方や性格も変わってくるし、脳内物質にも影響して症状が改善されることがわかってきて、今世界で注目されていると耳にします。

なぎさ:しかし、食を変えるにも、家庭や仕事の忙しさに追われて、それを考える余裕すらない人も多い気がしていて。昔の私自身もそうでした。「忙しい」という言葉を使って、本来考えないといけないのに、そういうことに対する優先順位を下げていたんだなと思います。

もし、忙しい中でも本当に食を変えたいと思うのであれば、まず重ね煮(※)がオススメです。重ね煮を作って、それを食べるだけでも体が整います。私が実際に家事支援に入っていた方は毎月風邪をひいていたのですが、次第に体調が良くなってきました。

重ね煮は時短できるし、色々アレンジもできるから、とても便利です。調理法を知れば、野菜を切って、調味料を入れるだけで十分美味しく作れます。他にも、調理器具や鍋を変えたら楽になりましたし、特に圧力鍋と蒸し器は重宝しています。

病院に勤めていた時は全然料理ができなかった私も、少しずつ自分の中に取り入れることで今に至ることができました。身につければ、一生もののスキルになります。

(※)重ね煮は野菜本来の味わいを引き出す調理法のこと。

写真提供:燈 tomoshibi  重ね煮を使ったアレンジ料理

心身ともに健康な人を増やすことで

なぎさ:産前産後ケアに関する情報って、必要な人に行き届いていない気がしています。そう感じつつも、どうやって広げたらいいのかは摸索中なのですが…。現状として、産後のお母さんたちは出産して1ヶ月経つと、病院を卒業し、その後のケアはあまり行き届かない状態になってしまいます。

小児科に行けば、子どもたちの体調は診てくれるけど、お母さんの体のケアだったり、育児の相談・サポートは手放された感覚が私自身ありました。「お母さん、一人で頑張って!」と言われていた気がして「あの時、気軽に相談や頼れる場所があったらよかったな」と今でも思っています。

ありがたいことに今の時代は育休を取得してくれるお父さんも増えてきて、役割分担しながら子育てする家庭も増えてきています。個人的にその中で大事だなと思うのは、子どもの世話をするのも大事ですが、それだけではなくお母さんのケアをすること。「今日もありがとうね」「これ、俺がやるよ」というような労いの言葉をかけるだけでもいいし、リフレッシュや学びの場に行く時間を作るだけでもいい。それだけでお母さんたちは十分救われます。

なぎさ:私の仕事の家事支援は料理を作るというイメージが強いかもしれません。実際にご依頼いただいた中には「赤ちゃんがいるのだけど、習い事に行く時間がほしいから、その間に赤ちゃんの面倒を看(見)ながら家のお掃除をしてほしい」というものもあります。

子どもがいると、物が散らかることが多いと思うのですが、ただそれを整えるだけでも、帰ってきたお母さんはホッとするんです。掃除が嫌いな人、洗濯物を畳むのが嫌な人など、家事の中でも嫌なことは人それぞれです。1ヶ月に1回でも、2週間に1回でもいいから、人の手を借りて、安静にして心も体もリフレッシュすることで、子育てが楽しいと思える環境を作れたらと思っています。

その先に「お母さんたちがまずは健康になり、家族の健康管理ができて、健康な人が増える」ことに繋がってほしいです。今の仕事を始めた時の気持ちであるし、それは今でも変わりません。

助産師として病院に勤務していた時に、不健康な日々を送っているお医者さんや看護師さんたちも見てきました。そんな人たちにも良い影響がいき、ケアする側も心身豊かになってほしいです。

写真提供:燈 tomoshibi  家事支援の様子

できることをできる範囲で、少しずつ

なぎさ:食に関する仕事をしていると、次第に自然環境にまで興味をもつようになってきました。自然界の生物がいなければ育たない食べ物もあるとか、海にゴミを捨てたらそれを魚が食べて、さらにその魚を人が食べてしまうとか。

私はほんの小さなことしかできないけど、物産館で有機野菜を買って生産者さんを応援したり、天気が良い日は海岸でゴミ拾いをしたりしています。自然環境のためとか人のためというよりは、結局、自分のためなんです。

でも、それがめぐり巡って、支え合う・共生に繋がってくると思うようなりましたし、周りの評価も気にしなくなりました。できることをできる範囲だけする。広がるスピードは遅いかもしれません。

でも、一つひとつの広がりの濃さはあるし、時間が経てば安心感のあるものにきっとなっていくから。私自身、目の前の人たちに救われている日々です。

なぎさ:今年は生活と仕事の土台を整えることを目標としています。以前は「何をやりたいのか?」と聞かれるとうまく答えられませんでした。でも、今は「食育です」とハッキリと答えられます。その中で、出産に向かうまでのお母さんたちが幸せな妊娠生活を送れるようにサポートしたい気持ちが強いです。

妊娠期間中の辛い経験が後の育児に引きずられてしまいます。だから、妊娠・出産を満足のいくものにして、自信を持って育児をしてもらいたいと思っています。そのために、体のことから自分で知って、自分で整えられる人を一人でも増やせるように妊娠前から育児までのことを知れる講座も開き、継続的にできたらと考えているところです。

私にできないことがあれば、他の頼れる仲間たちがいます。好きなタイミングで、自分のライフプランを立てられるようになったら、もっと生きやすくなるし、毎日が楽しくなると思うんです。

まだまだ、力不足なところはありますが、しっかり一人一人のお母さんと向き合う時間を作り、私だからこそできる支援を続けていきたいです。

(終わり)

(前編はこちら

●基本情報
屋号:燈 tomoshibi
SNS: https://www.instagram.com/tomoshibi.mw/
その他:公式LINEはこちらから
https://line.me/R/ti/p/@367blonl

今回の取材場所となった"あいなか~4丁目の家~”(iがずんばいnishiisikiの活動拠点)は鹿児島市の北部・伊敷団地にあります。これから先の50年…100年と暮らしが続いていく中で、ひとりでも多くの人が安心して暮らせるように、きっかけづくりをしています。

●編集後記
産後になぎさんの重ね煮を食べたとき、からだもこころもふわ~っと軽くなったのを覚えています。気付いていなかったけど、やっぱり心身ともにいっぱいいっぱいだったんだろうな…。その時に改めて食の大切さやお料理に人のあたたかさが伝わることを感じました。世の中のお母さんたち!産後は一生産後。なんだか救われる言葉ですよね。自分を大切にしつつ、家族や周りの方が笑顔で健康に過ごせるように、できることから始めていきたいですね♬情報溢れる社会、色んな健康情報があるけどなぎさんがいてくれると安心!また相談させてください!ありがとうございました。(山之内)

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Care's World事務局
E-mail: cares.world1518@gmail.com [玉井・山之内・上]

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