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【現代詩】『ミクロ・コスモス♂』徳島詩壇賞2020

『ミクロ・コスモス♂』赤黄緑紫

腹の左に赤子の動きがあるような気がする。大きく波打ったり小さく細波んだりする、これはー(!)
綿の糸を長い儘だらしなくちょん切って
適当な布に針を刺し
何かを出鱈目でも仕立て上げてみたいと
夢中で天へ振り上げられたお前の無邪気な右手。偶々その手がバンバンと
この腹目掛けて当たってしまった丈(だけ)
俺がお前を、お前が俺を、
知らないとバレる一億光年。

だけど、寂しくなどないさ√
“お母(かあ)”も“お母(かあ)”で宇宙等には後ろめたくって言い出せもしない秘密の小さな針穴に糸通しの練習をしている真っ最中なのだからー!

そして、ハッピーバースディ。
お祝いしよう
かなしいけれど、お前は地球うちの子供ではない、ね。
土星を一周しても、火星を丸呑みにしても訳が足りない=可愛くって救いようのない、あはれ気儘なミクロ・コスモス♂

あかきみどりむらさき
2019ねん

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