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【現代詩】『くりすますひぶ』

『くりすますひぶ』赤黄緑紫

八方美人の掛け引きや
幾つもの媚を繰り返し
たつたひとつの駄座印(でざいん)をつくる
お顔の上で
へのへのもへじ、思ってもいなひ√
誰かの愚痴を、言ひ
その腸を経た薄っぺらの背中では
ひとりノ凍える人間を
義理でも愛してみなくちゃならヌ哀シミ噛み締めて居〆ル

蘇ってくる…ヨ
『この大嘘ツキ』ト変幻自在バラバラにわたくし達を隔ててしまっタ
汚い言葉ガ
差し迫って来タ 無差別ニ
この身引き裂く 強い言葉 デ

だからーお願ひなのです、わたくしの
餐卓羅得好(※1)サマ。
頑なになった此の心に/子供の刻の様に//
誰の為でない・出鱈目放題我儘の駄座印を=頂戴=。”命離日暮捨饅頭(※2)”の祝詞(ことば)に誓って、見繕わせてミテ呉レ得まセ得ヌか…今夜わたくし達しか理解し合えぬ
血よりも深紅(あか)い氣持ちに託して。

※1 さんたくろうす
※2 めりいくりすます

あかきみどりむらさき
2023ねん

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