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報われない社会が待っている

努力が報われるのは、たまたまその努力が報いるような恵まれた環境にいただけ

東大の入学式で読まれた上野千鶴子さんの祝辞が話題になっている。私もまたその祝辞の内容に心を掴まれた1人だ。私がずっと言語化できなかったモヤモヤを、スッと落としてくれた。
誰かにシェアしたい、そう思って今このnoteを書いている。

私が見た記事がこちら ▶︎▶︎ コチラ

ああ、今この記事を書きながらも涙が出てきそう。

私が生き辛く感じていた
「女に求められるかわいさ」
「女だから遠慮しなきゃいけない場面」
「男だと許されるのに女だと認められないこと」
「マウントの取り合い」
「誰かを陥すことで自分を高める人たち」

男に怒っているわけでも無ければ、自分が女で生まれてきたことに後悔しているわけでもない。友人の中には、世の中の男女の不平等に強く声をあげる人もいるが、そんなはっきりしたものでもない。女であることは私の誇りだ。
だからずっと、モヤモヤしていた。

確実に存在する女性蔑視。男尊女卑。
本当にそうなのか。
私には分からなかった。
そしてそれが、男と女という性によるものなのかも、分からなかった。

上野千鶴子氏は、女性学や女性差別に触れながら終盤以下のように述べている。

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**あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。 **

ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。

ですが、がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。

あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。

世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。

**あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。 **

**恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。 **

そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。

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そう、私の中のモヤモヤは、日本人の頑張る方向に対してだったのだ。

"マウントを取る"という言葉があるように、頑張る人の中には他人を下に見ることで自分を安心させ、強者になろうとする人がいる。女を下に見ることで、威厳を保とうとする男がいる。

日本人は、みんな頑張りすぎるくらいみんな頑張っているはずだ。きっとそれは逃れようのない国民性で、そのレールを外れたものは見下され、批判されることを恐れて惰性に逃れようとした人は頑張れなくなる。頑張ることさえできなくなる。

認め合うこと
尊重し合うこと
口に出さずとも敬意を払うこと

昔の日本にあったはずの美学が、今失われつつある。私はきっとこの美学の下で生きてきた、"たまたま恵まれていた側"の人間だからこそ、日本が好きと言えるんだろう。

でも最近ずっと分からなかった。

その分からなかったものが、この祝辞によって言語化されたような、そんな気がした。

批判は批判しか生まないし、批判された側は自分の尊厳を取り返すためにまた誰かを批判する。そんなものが何も生まないことなんてきっとみんな分かっているはずなのに、それでもそう生きてしまうことが、なによりも苦しく、辛く、多くの人を生き辛くしている。

私はこの記事を見たとき、
「これからの日本を担う東大で言うからこそ価値があるんだな」
と思った。

でもきっともうその考えがヤバい。

だってうちらの方が先にこれからを担っちゃうんだもんね。

久しぶりに文章に心を震わされました。

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