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ワーママがマンション購入に思う、「主体性を育むには手を動かす」説

育むと言っても、子育てではなく大人の話。

世はマンション価格高騰時代。

過去にマンション住み替えの機会を逃したのは私が反対したせいだ、ということで我が家の雰囲気は最悪だった…


我が家は夫が独身時代に買ったマンションに住んでおり、夫は私の単独ローンでふたつ目のマンションを手に入れる野暮を持っていたそう。

田舎者なうえに聡くない私は、そんなの別世界の話と思い、ピンと来ず、まともに反応することすらできなかった。それに言い訳すると子育てが始まってから手一杯、余裕がなさすぎた。

(移り住むもよし即時転売してもよし、って考えが多分私の脳のキャパ越えてる)

何年かの時を経て、私は目を覚まし始めた。もちろん、今はどこもめちゃ高くて、時すでに遅し。

しかし、なんと、マンション価格高騰前の販売価格で販売が継続されているマンションの最終期があるとのこと。もちろん、倍率は激戦。(昔は先着順だったのにね…)

夫は既に、そのマンションの見学会的なものに参加しており私が「初めての方のみご案内」の会に申し込むことに。

受付案内とともに、サーバダウン。
やばい予感。
そして、いつのまにかサイトが再開されていて申し込みに行くと、「残りわずか」の時間枠はお客様情報を入力している間に他の人で埋まり、「申し込む」ボタンを押したときには「満席です」。これを何度か繰り返し、やっと一席申し込むことに成功した。

すると、私の中で何かが違うことに気がついた。 

「マンション、私が買うんだ」

これまで、熱心な夫が調べ物をして、説明会や見学会に行って…とあれこれしてくれて私はたまーに一緒について行ったり源泉徴収票を出したりハンコ押したりするだけだった。

そう言えば、何度か事前審査に出したけど、一度だけ、銀行から私に直接電話がかかってきたことがある。「既に売買契約はお済みですか」と聞かれて、手っ取り早く言うと、「お金借りて欲しいよ、待ってます」という内容だった。

残念ながら、その物件とは小学校が遠すぎとか心配な点がありご縁がなかった。けどそのとき何かが私の中で変わったのを覚えている。

「私、ローン組むんだ」と思ったのだ。

夫が勧めるマンションに、というか、住まいを移すかもしれないという現実に乗り気になれなかったとき、私は「お客様」だった。

それが自分宛の電話を受けたり、予約を自分のスマホでするってたったこれだけのことで「私がやるんだ」のレベルがアップするから不思議だ。

確かにそうかも。
この書類、目を通してと言われる時と「この書類を作って承認もらわなきゃ」と言われる時。
全然、他人事レベルが違う。
前者はやや他人事で、後者は自分事。

以前夫に買い替えを逃したことをきつく、しつこく責められて辛くて爆発した。そのとき「そんなに買いたいならこの家売って1LDKでも買ったら」なんて勢いで言ってしまったのだ。

そしたら「あ!子ども2人と私は追い出されるのか?!」と気づいてSUUMOで近くのマンションをコソコソ調べ始めた私がいた。

そうなってくると、うん、子ども2人とならここも悪くない、ここは買えるかもしれない、いや、いざとなれば買わねばなるまい、などと「私、やったるで」と言う気分になるから不思議である。完全に自分事になっている。

幸い?夫の気分の波は上がり下がりを繰り返しつつも我が家は同じ住居に依然4人身を寄せてる。

痛い経験を通して得られた教訓は、

自分事になるには
手を動かす

これである。
あと、「名前を呼ばれる」と言うのも言えると思う。

子どもに今後何かを主体的にやらせたいときの参考にする。

ひょっとしたら仕事でも使えるかもしれない。

そして、全体を通して、人の価値観はかなり根を深く下ろしていることがあるからそこを変えるには時間をかけたり環境が変わらないと難しいと知った。

例えば、夫は与信は余すことなく活用すべしと思うのに対し、私はお金を借りるのは怖いと思っていた。夫は借りれる額が大きいのは誇れること、くらいの勢いで私は多額のローンは分不相応で恥ずかしい、と思っていた。夫はキャッシュは手元にありすぎるのは良くないといい、私はキャッシュがないと不安といい…

こうした溝をひとつひとつ、本当に地道に埋めていかないと同じ目標にたどり着けないものだと思う。私が聡くないせいでそうこうしている間に不動産はとんでもない価格に。

教訓はまだある。
子どもたちに手がかかる間にも夫のことをおろそかにしてはならないということだった。私は家事育児仕事しか眼中になく夫の説得を受け入れる余裕がなかったけど、夫がマンションに傾けた情熱は家族にかけた情熱だ。(私欲もあるだろうけど)学区や住みやすさ、子どもと過ごす時間、資産。夫は私の苦手分野の担い手だったのだ。

話は聞いていたつもりだったけど「この人の願いを叶えたい」と思えたら少し違っただろうな、と思う。

我が家のマンションがどうなってしまうかはわからない。

ただ、全ての教訓を活かして家族でハッピーに暮らしていけたらいいなと思う。

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