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【書評】 ポジティブ・シフト 心理学が明かす 幸福・健康・長寿につながる心の持ち方

ポジティブ・シフト 心理学が明かす
幸福・健康・長寿につながる心の持ち方

幸せへの近道:自然と共に生きるポジティブ・シフトの秘訣


本書『ポジティブ・シフト 心理学が明かす幸福・健康・長寿につながる心の持ち方』は、キャサリン・A・サンダーソン著、本多明生訳による、幸福と健康を追求する人々に向けた啓発的な一冊です。

本書は、私たちの思考パターンや生活環境が、いかに我々の幸福感と健康に影響を与えるかを科学的な視点から解き明かしています。

著者のサンダーソンは、ポジティブな思考が自然と身についている人々の存在を認めつつも、多くの人にとって、そのような楽観的な世界観を獲得するには意識的な努力が必要であることを指摘しています。

しかし、朗報があります。著者によれば、どのような性格の持ち主であっても、自分自身や世界に対する見方を少し変えるだけで、より大きな幸福と健康を手に入れることができるのです。

本書の核心は、ネガティブな思考パターンから脱却し、自分の人生にすでに存在する良いものに焦点を当て、思考を意識的に変えていくことで、ポジティブで楽観的な考え方を培うことができるという主張にあります。

この過程は決して容易ではありませんが、本書はその方法を様々な角度から検証し、読者に実践的なアドバイスを提供しています。

特に興味深いのは、本書が自然環境と幸福感の関係に焦点を当てている点です。

第3部「マインドセットを変える」の第9章では、自然が私たちの心身に及ぼす好影響について詳しく解説されています。

著者は、多くの人々にとって自然を体験したり想像したりすることが非常に重要であり、それによってエネルギッシュで、安らかで、生き生きとした気持ちになれると述べています。

本書で紹介されている研究結果は、この主張を裏付けるものです。例えば、外で過ごすことを想像した研究参加者は、室内での活動を想像した参加者よりも高いレベルの活力を感じたという報告があります。

また、自然の風景写真を見ただけでも、都市の風景写真を見るよりも高い活力が報告されています。

さらに興味深いのは、実際に自然環境で生活することの長期的な効果についての研究結果です。

英国で行われた大規模な調査によると、自然に触れられる環境で暮らす人々は、不安や抑うつが有意に低く、全体的な生活満足度が高いことが明らかになりました。

驚くべきことに、自然環境での生活は、結婚していることと比較して、精神的健康に約33%もプラスの効果があるとされています。

しかし、本書は都市部に住む人々にも希望を与えています。

都市の中でも、緑の多い場所を通るだけで幸福感が高まることが示されており、公園や花壇、小さな緑地帯でさえも私たちの気分を改善する効果があるということです。

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本書を読んだ感想として

本書を読んで、著者のサンダーソンが、科学的な研究結果を基に、誰もが実践できる幸福への道筋を示してくれたことに、大きな価値を感じます。

特に、自然環境が私たちの幸福感に与える影響についての章は、非常に啓発的でした。

現代社会では、都市化が進み、自然との触れ合いが減少している傾向にあります。

しかし、本書は自然の重要性を再認識させてくれます。

日々の生活の中で、意識的に自然と触れ合う時間を作ることの大切さを、私自身も強く感じました。

また、本書が提唱する「ポジティブ・シフト」の考え方は、誰にでも実践可能な方法だと感じました。

自分の思考パターンを意識し、少しずつ変えていくことで、より幸福で健康的な生活を送れるという希望を与えてくれます。

読者の皆さまにお伝えしたいのは、本書の内容を単に読むだけでなく、実際に日常生活に取り入れてみることの重要性です。

例えば、毎日少しの時間でも自然の中で過ごすことや、自分の周りにある良いものに意識を向けるなど、小さな行動から始めてみてはいかがでしょうか。

私自身、本書を読んだ後、日々の生活の中で自然との触れ合いを意識的に増やしてみました。

朝の散歩を習慣にしたり、週末にはできるだけ緑の多い場所に出かけたりするようにしています。

そうすることで、確かに気分が良くなり、日々の生活にも前向きに取り組めるようになったと感じています。

本書の魅力は、科学的な裏付けがありながらも、読みやすく実践的なアドバイスが満載されている点です。

著者のサンダーソンは、複雑な研究結果を分かりやすく解説し、それを日常生活にどう活かせるかを具体的に示してくれています。

また、本書は単に「ポジティブに考えよう」という表面的なアドバイスではなく、なぜそうすることが重要なのか、そしてどのようにすれば効果的にポジティブな思考を身につけられるのかを、深く掘り下げて説明しています。

読者の皆さまには、本書を通じて自分自身の思考パターンや生活環境を見直すきっかけにしていただきたいと思います。

私たちは往々にして、大きな変化を求めがちですが、本書が教えてくれるのは、小さな変化の積み重ねが大きな違いを生み出すということです。

例えば、毎日5分でも自然の中で過ごす時間を作る、一日の終わりに良かったことを3つ挙げる、などの小さな習慣から始めてみてはいかがでしょうか。

これらの小さな行動が、やがて大きな変化につながっていくはずです。

本書は、私たち一人一人が自分の幸福と健康に対して主体的に取り組む力があることを教えてくれます。

環境や状況に左右されるのではなく、自分の思考や行動を変えることで、より充実した人生を送ることができるのです。

最後に、本書の中で印象に残った言葉を紹介させていただきます。

「幸福は日々の努力の積み重ねの延長線上にある」というエリザベス・ギルバートの言葉です。

この言葉は、幸福は与えられるものではなく、自ら作り出していくものだということを端的に表しています。

読者の皆さまには、この言葉を胸に刻んで、日々の生活の中で少しずつでも「ポジティブ・シフト」を実践してみてください。

きっと、あなたの人生に新たな光をもたらしてくれるはずです。


本書を特におススメしたい人

  1. 日々のストレスや不安に悩まされている方

  2. より幸福で健康的な生活を送りたいと考えている方

  3. 自己啓発や心理学に興味がある方

  4. 都市生活に疲れを感じている方

  5. 自然との触れ合いを大切にしたい方

  6. 前向きな思考を身につけたいと考えている方

  7. 生活の質を向上させたいと考えている方

  8. メンタルヘルスに関心がある方

  9. 人生の転機を迎えている方

  10. 周囲の人々との関係性を改善したい方


本書とあわせて読みたいおススメの書籍

  1. グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない ロバート・   ウォールディンガー (著), マーク・シュルツ (著)

  2. 「感情」は最強の武器である: 「情動的知能」という生存戦略 レナード・ムロディナウ (著),

  3. ポジティブ心理学の挑戦 “幸福"から“持続的幸福"へ  マーティン・セリグマン (著)

  4. 戦略的いい人 残念ないい人の考え方 けーりん(唐仁原 けいこ) (著)


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本書のまとめ

本書は、私たちの思考パターンと生活環境が幸福感と健康に大きな影響を与えることを科学的に示した画期的な書籍です。

著者のキャサリン・A・サンダーソンは、ポジティブな思考を身につけることが誰にでも可能であり、それによって人生の質を大きく向上させられることを強調しています。

特に注目すべきは、自然環境が私たちの心身に及ぼす好影響についての詳細な解説です。自然と触れ合うことで、私たちはより活力に満ち、心の安らぎを得られることが科学的に証明されています。

本書は、日々の小さな習慣の変化から始める「ポジティブ・シフト」の実践方法を具体的に提示しており、読者一人一人が自分の幸福と健康に対して主体的に取り組むための指針となっています。

この本は、現代社会に生きる私たちに、幸福への新たな視点と実践的なアプローチを提供してくれる、極めて価値のある一冊だといえるでしょう。


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