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真野さんと吉田くん

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真野さんと吉田くんシリーズをまとめました
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#ショートショート

真野さんと吉田くん10話 〜バレンタインの2人〜

真野さんと吉田くん10話 〜バレンタインの2人〜

「あの…さ、吉田…さぁ」
「なんですか、あ…あり…ささん」
「お前ぎこちなさ過ぎだろー」
「自分なんて相変わらず吉田じゃないですか」

晴れて恋愛関係になった僕らだが、ぎこちなさは相変わらずだ。

「僕の方がまだ頑張ってますよ」
「頑張ってますって敬語じゃんか」
「真野さんなんて、『名前で呼ぶのハードル高いから、とりあえずヨッちゃんで良い?』って言ったくせに、相変わらず吉田のままでしょう」
「仕方

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真野さんと吉田くん 第5話〜市民プールの2人〜

真野さんと吉田くん 第5話〜市民プールの2人〜

「吉田、あんまこっち見んな」
「見てません」
「いや、チラチラ見てるだろ」
「見てません」

夏真っ盛りの7月最後の週末、僕と真野さんは市民プールに来ていた。

市民プールと言っても「市外からも人が集まるように」とはりきって作ったものだから、ウォータースライダーや流れるプールなんかもある。それでいて大人500円という破格の安さ。他に何も無い街にこんな立派なプールを作った物だから、その時の女性市長さ

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真野さんと吉田くん 第4話〜吉田くんの休日〜【ショートショート】

七夕の後の、とある休日。

僕は本屋に行った。真野さんが「字が上手くなりますように」という短冊を飾ったあの店だ。タナベ書店という地元の本屋で、品揃えもそれなりに豊富だから僕も学生時代から通っていた。店長の田邊さんとは顔見知りでもある。

今日の目的はただ一つ。真野さんに大人用のペン字練習帳を買ってあげるのだ。本人は「努力きらーい」って言っていたけれど、彦星と乙姫も、そんな我儘な大人の願いを一つ一つ

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真野さんと吉田くん 3話 花火大会の話。【ショートショート】

真野さんと吉田くん 3話 花火大会の話。【ショートショート】

ひゅ〜〜っ ドンッ! ぱらぱらぱらぱら…

天高く昇った火の玉が弾け、夜空に大輪の花を咲かせて散っていく。

僕の住む街では、毎年7月の最後の週末に、花火大会が催される。子どもの頃からの恒例行事で、出店もたくさんあって、昔は両親に連れられて来るのが楽しみだった。

「歩きづれぇなー、これ」
僕の横を歩いているのは、職場の先輩の真野さん。着慣れない浴衣と下駄に、かなり苦戦しているようだ。

数日前、

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真野さんと吉田くん 2話 七夕の話。【企画参加ショートショート】

真野さんと吉田くん 2話 七夕の話。【企画参加ショートショート】

このお話の続きです。

「あそこの本屋って、毎年七夕の時期に大きな笹を飾ってんだよな」
真野さんが言った。
「あっ、知ってます。良いですよね、子どもたちの短冊、楽しくて」
僕が言った。

同じ会社の三年先輩である真野さんは、どちらかというと事務職より、スナックが似合いそうな雰囲気の大人の女性。そんな真野さんから七夕の話が出たことが、僕はそれだけでなんだか嬉しかった。 

「吉田さぁ、『あそこの笹に

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