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どうしようもなく、ふたりぼっちだったから、エコーズの「愛をください」を聞いていた。

感動するって、心が微動して、その微動に耐えられなくて。

時としてそのことに、傷ついて。

この前、書いた嫉妬のこととかじゃなくて。

ほんとうに、

すてきな人がこの世にはいるんだってこと、

そんな、

すてきな人たちは、この世にはいないことにしている

じぶんに気づくから傷つくんだと思う。

わたしが憧れていた人が昨日とても、まっすぐな眼差しで

奥様を愛していることを、言葉にされていて。

奥様を愛している人は、noteでもたくさん拝読して来たし。

読むたびに幸せな気持ちになって、わたしの心が傷つくことは

なかったのに。

昨日はちょっとふしぎに、なにかに思わず触れた時の

思いがけないやわらかさに気づいた時みたいに驚いて、

どこかが滲んだ。

そして、泣きながらその人の記事を読んでいた。

ここに貼り付けないのは、その方がとても多くの

フォロワーの方に愛されていることもあるし。

貼り付けないままの方が、素直になれる感じもするから。

その方は、奥様と初めて出会った時、そのきれいな心に

魅了される。そしてその奥様が、身も心もぼろぼろに

なるまで時には自分を犠牲にしながら働いていらした、

そんな過去を聞いているうちに、その人を守りたいと思った。

今だけでなく、一生をかけて守りたいと思ったと

綴られていた。

そして、彼女は病を抱えていらっしゃるのだけれど、

そういうことではなくて。

彼女の立ち居振る舞いすべてが、彼女と育んだ時間のすべてだから

出会った頃以上に愛しいのだと。

そして。

彼女のやさしさに触れて、僕はやさしくなれたのだと。

文字で号泣って書くと、嘘っぽくなっていやだけど。

彼の記事を読ませて頂きながら喉の奥が痛くなるような、

一瞬にして涙の塩分の濃度が濃くなる感じの涙が、

止まらなかった。

その訳を。

わたしは知っている。

そのご夫婦が選ばれた道と、すこし似ている道がわたしの

目の前にも差し出されていたずいぶん昔の過去を

思い出したからだと思う。

彼らのように貫けなかったことを、封印していたはずなのに。

その記事に触れて不意に記憶が蘇った。

その頃、結婚を約束していた彼は、身体を病んでいて。

不治の病ではなかったけれど、両親やまわりの友達には

猛反対されていた。

それでも、ふたりの心だけがつながっていたら、乗り越え

られるだろうと、そう思っていた。

結婚するなら縁を切るって言われて。

それでもいいとさえ思っていた。

そんなに幸せな家族じゃなかったんだし、縁を切ったところで

わたしの何も変わらないと。

あの頃。

彼といっしょに、ブランケットに包まれながらいつも

聞いていた歌があった。

彼が好きだったエコーズというバンドの「zoo~愛をください~」。

いつもふたりひとつになった後、なぜかこの曲を聞いていた。

                

おしゃべりな 九官鳥 挨拶しても 返事はない
気が向いた時に さびしいなんてつぶやいたりもする
”しゃべりすぎた翌朝落ち込むことのほうが多い”
あいつの気持ちわかりすぎるぐらいよくわかる

           っていう歌詞のあとに         

ほらね そっくりな猿が僕を指さしてる
きっと どこか似てるんだ僕と君のように 

   この箇所が来ると、わたしはいつもじりじりとした甘い痛みを感じていた。ふたりは似ているから大丈夫だって、この歌詞に励まされていたのかもしれない。彼は、わたしと似ているって思っていたかどうかは知らないけれど。

                  そして。

愛をください 愛をください zoo
愛をください 愛をください zoo zoo 

         って曲が余韻をそれぞれにずらしながら
              おしまいになる。

昨日のその素敵なご夫婦の記事を読んで、わたしの中にはこの曲がずっと
鳴っていた。彼らはとても年が離れているらしいのだけれど。もう、ご夫婦になられて14年を迎えたらしい。

       やさしさって、なんだろうって考えていた。

やさしい人になれるって。

たぶんやさしい人に出会ったことで、やさしくなってゆくのかもしれない。

昨日の夜。彼の記事を読ませて頂いて、ほんとうのやさしさに触れたような気がして、そんな人達はいないんだと自分に言い聞かせて来た過去を、本気でやり直したい気分だった。

        あなたの好きだった曲をここに貼っておくね。

           noteに住んでいないと思うけど。

      リトマスの 色がどっちに ころんだとしても 
      いつの日か おとなになって しまうんだって


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