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ありふれた日常がバグった夜。#ショートショート

コンビニで燻製チーズを買った。

燻製にすると食べ物たちは若干

縮む。

縮むだなんて、嫌いじゃない。

笑えるだろう。

いきなりチーズが年取ったみたいで。

たとえば、こういうことだ。

縮むという字を燻製にしたら、宿に

なるようなもんだと、心は思う。

自分の名前の村上心という名前も、

いっそ燻製にしてしまいたい。

村上という苗字を持ちながらモノを

書いていると、それだけですみません

という気持ちになるからだ。

レジはいつものパートのおばさん

だった。

燻製チーズ食べたことありますか?

って声をかけられた。

はじめてですって答えたらすぐに

スーパーで薬剤師が現れるみたいに

一人の人が現われた。

お召し上がりになった後、若干声がですね

若返るそうなんですよって、去っていった。

夜、燻製チーズを食べた。

ワインを飲もうとしたらその匂いを

受け付けなかった。

まじゅい。

そんな声がもれた。

声からは燻製ミルクの匂いまでしていた。

鏡をみた。

そこには赤ちゃんの頃の心がそこにいた。

(409文字)


今夜もこちら⇩挑戦してみました。
今週の【毎週ショートショートnote】のお題は
『音声燻製』っす。
なんですか? 音声燻製ってって思いながらも
楽しく書きました。もうありえないカードフェチ
のようになっとります。この企画、大好きです📒



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