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ひとりひとりの手紙でつながる物語#100回継ぐこと。

いつもどこかしら受け身のわたしが

それいいな、やってみたいなって

思ったのが、こちらの企画だった。

こちらのサイトのことを教えてくださったのは

noteのサークルのzoom会議ではじめて

ご一緒した夕月檸檬さん。

檸檬さんのこちらの記事を拝読したことが

きっかけだった。

ひとりひとりの書き手が手紙で物語を

つないでゆくリレー小説。

2010年〜2021年の物語 ・男性の名前は、巽。
女性の名前は金澤奈海 ・二人は、高校の演劇部で
出会った。

こんな設定、物語はすでに終盤に近付いていた。

出会った時のままではいられない
そんな葛藤の中にいたふたり。

檸檬さんは84章を担当されていた。

関係性の変わってしまったふたりを
みつめる眼差し。 
奈海さんの暮しをユーモアも込めて、
とても鮮やかに描かれていた。

そして、後日こんな記事が紹介されていた。

深夜に訪れた檸檬さんの記事。

90話までつないだところで、参加者の方が

みつからないという。

つないできたバトンがひとりぼっちになって

いるのかって思って、思いきって

エントリーした。

深夜というのは、なにかしら自分で自分の背中を

押す時間帯なのだと思った。

そしてステキブンゲイというサイトのことを

みつめていたら、運営しているのは小説家の

中村航さん率いるステキコンテンツ合同会社

ということを知った。


あの、『100回泣くこと』の中村航さん!

切なくなることはわかっているのに、
冒頭で感じた悲しみの行方が、引き延ばされて
安堵しているのもつかの間、いつも通奏低音の
ように流れていたあの想いが予定よりも早く
訪れてしまう。そんな悲しみの前で、なすすべも
なくなる、そんな小説のことを思い出していました。

この企画に参加してみたいという
気持ちか動かされたのは
塚田浩司さん(第15回坊っちゃん文学賞大賞受賞)が参加された時の思いを
こちらに綴られていたからだった。

塚田さんが担当された章は88章なので
かなりクライマックスであるがゆえに、
苦心されたという。

創作される上で責任編集の作道雄さんが
仰ったアドバイスにとても心惹かれた。

「人は迷ったり悩んだりしながら言葉を紡ぎ、紡ぎながら感情も紡ぎ、相手に伝えて転がっていく生き物だと思います」

責任編集・作道雄さんから塚田浩司さんへのアドバイスより。

なんだろう、この感覚。
自分が宛先の言葉じゃないのに物を作るってこと、
物語をこしらえること以前に人が生きることへの
思いそのまま、心深いところに触れられた気が
したのだ。

参加したいと申し出たことすごい正解だったと
こみあげていた。

このリレー小説は一から自分だけで作り上げる
のではなくて、責任編集の作道雄さんからの
指示がある。

その指示にみあう手紙を書くというのが私たち
書き手のするべきことだった。

ストーリーは、あの震災から11年後のその日。
奈海と巽くんのふたりの未来を確かめるために
想い出の「島」で会うための最後の手紙を電車の
中で書いているという設定だった。

わたしが実際に頂いたリクエストは
こんな感じだった。

さて、95章についてですが、
改めて94章の続き、巽くんが電車の中で描いた手紙です。

この手紙でいったん完結させてください。

手紙は電車を降りたらポストに投函。
つまり、島でどんなことになろうとも、手紙に書かれた思いは
奈海に数日後に届くことになる。うまく島で喋らず、悲しい
ことになったとしても後悔しないようにと巽は書いている
イメージです。

巽くんの未来の願いや、奈海への想いを書く内容としてください。
・奈海とちゃんと繋がりたい未来も想像するし、一生会わない方が良いかも、という気もする。どちらかを確かめに行きたい。
ここら辺がポイントかと思います。好き、という言葉にもたくさんのニュアンスがあり、心が締め付けられるような思いも、相手の今日の幸せを想像する思いも。巽の中にはあると思います。でもそれがうまく相手に会う時には伝えられない。出会うのがお互い早すぎたのかもしれませんね。
 
そこら辺を素直な筆致で書いていただければと思います。

わたしが作道さんから頂いたストーリーのポイント。

はぁ~(*´Д`)
わたしに書けるんかいってちょっと
ビビりました。

作道雄さんは監督さんでもいらっしゃるので
これは、役者さんに指示をされるかのようで
あたらしい体験だった。

このメールを頂いたということはバトンが、
わたしの手元にあるということ。
かなりド緊張した。

バトンを渡せるまでに時間がかかるかも
しれないと。

わたしのすぐ前の94章の方が巽くんの手紙の
冒頭を書いていらっしゃったのでそこから、
その手紙を終わらせなければいけないという
ミッションがあった。

巽くんに数日間なりきった。
1話から94話まで何度も読み返しながら
どこを伏線にすればいいのか、頭悩ませた。
口下手なところは多分わたしと同じだから
この手紙で精いっぱい想いを伝えることに
徹した。
でもどうしても削れなくて2枚の原稿を用意した。

その時の思いもnoteで記事にしていた。
まだ送信できなかった時だ。
1日寝かせた。
いいのかどうなのかわからなくて。

そして、意を決して送信した。

その日の深夜に作道さんからメールを
頂いた。

ダメだし覚悟しながら、メールを開いたら、
2通どちらかにするのは勿体ないですね
という思いがけないうれしい言葉を
贈ってくださった。

そして作道さんが好きな個所をセレクトして
1本に編集して頂いた。

巽くんがずっとわたしの中にいたので
巽くんへの責任を果たしたような気持ちに
なって、脱稿したあとは清々しかった。

そして胸張って巽くん、奈海先輩に会って
おいでよって気持ちになった。

でも清々しいってちょっと寂しいから。

バトンを渡し終えてほっとすると同時に
やっぱり今もすこしぽっかりとした気持ちに
なってます。

100話まであと少し。

バトンをつなげることができたことは
今まで書いていらっしゃった94名の方の
ちからを借りていたことにもなる。

そして的確な作道さんのアドバイスに
心より感謝申しあげます。

手紙という名のバトンで物語をつなぐこと。

そんな1ページとして存在できたことが
なによりも幸せです。

3月のはじまりの日を想い、創作することを
また一からはじめていみたい気持ちに
駆られている。

よろしければお時間よろしい時にでも
お読み頂けたらうれしいです。

わたしが、奈海と巽くんをイメージしていた
時にいつも頭のなかで流れていた曲です。

作道雄監督のドラマが3月22日から始まります!とても、楽しみです!


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