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ひとりでいいんだよって教えてくれた、『世界で一番美しい元素図鑑』

わたし、衝動買いってあまりできなくて。

したことなくはないけれど、それが

どれだったかも忘れてしまった。

でもこの間、っていうかこの本の新聞広告を

見た時からこれわたしが欲しいやつやんかぁ。

って思って。

まず実物をみるべって思って本屋に行ったけど

そこではもう売り切れていて。

え? この世界そんなに人気あるん?って思い

ながらも、恋焦がれていた。

じゃあ、Amazonとかで買いなよっていう話

なんだけど。

だから、ページをちらっとめくって確かめて

みたかったのだ。

そして実物がおとといやってきた!

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ちなみに奥付をみてみようっと思って

初版がいつかなってみていたら、

(この本の場合、奥付が最初のページにある。
デザインの関係上なんだろうけど、そこも気に入った😂)

数字をみてびっくり!

2010年が初版になっていた。

え? あれって10年以上前なの? って。

この10年いろいろあったしな、ほんまに

やさぐれていたしなって思いだしながらも。

待ちすぎだよねって思いつつ。

人でもよくあるパターンだと思い当たる

節があった。

ずっと恋焦がれている想いを放置。

好きなんだけど、この想いのまま放置。

そして褪せてゆくばやいと募るばやいがある。

で、この本のことは後者で、募り続けていた。

はじめて元素好きになったのは高校ぐらい。

わたし中高一貫校で育っているので

中三と高一の区別があまりつかなくて

記憶では中三に限りなく近い高一かもしれない。

教科書に載っているいわゆる元素周期表という

あれを眺めていて。

ちょっとだけ感動した。

元素周期表にすごく感動していると思われると

めんどいことになるので、心静かに興奮していた。

あの時の化学の清水先生とは一瞬同志のような気が

していた。

ちなみにこの図鑑の元素周期表はこんな感じです。

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わわわ!

なんかブラックの凄みの中でみるこの周期表は

喉が鳴りそうです。

昔教科書に載っていたのは、元素記号がぶっきらぼうに

モノクロで載っているものだったけど。

でもこれ、好きって思った。

化学も好きじゃないくせに、きみたち好きって

思ったのだ。

ひとつひとつの解説に元素コレクター!の

セオドア・グレイさんが解説していらっしゃって

わかりやすいんです!

(注:ここからは個人の感想です( ´∀` )

これって元素たちだけが住めるマンションみたいな

部屋なんだなって。

なんたらハイツとかなんたらメゾンとかなんたらヴィラ

みたいな。

元素記号1は、たとえばそのマンションの部屋番号1。

1号室は水素、Hだからエッチちゃんで、

そういうことが気になるお年頃だったから

わたしの中ではエッチちゃんだった。

2号室は、SheとかHeのHe、彼氏ちゃんで、

表向きにはヘリウムと名乗っているとか。

12号室は、ちょっと帰国子女で通称Mgと呼ばれてる

マグネシウムとかって。

そうやって覚えて行った。

歴史の年号は覚えられなかったけどこれは物語に

していったらするするって頭に入って行って。

それって彼らの居場所だなって思ったら、

みてるだけで落ち着いてきた。

授業受けて落ち着いたことは初めてだった。

わたしじぶんから友達になろうとしたことは

一度もなくて。

だから、人ってひとりひとりだよねって

心の中でも思っていて。

そのことがやっとわかってくれるもの達が

いたと思ったのが実は元素周期表だったのだ。

彼らの部屋は一部屋ずつあてがわれて静かなのに、

わたしたち人間の身体も彼ら元素で出来ていること。

ちゃんとひとりなのにわたしたちと関わってくれて

いるんだというところ。

本書の最初のページにはこんな文章が記されている。

いかなるものも、無に帰することはありえない。
万物は分解されて元素に帰する。

(事物の本性について)紀元前50年。

ローマの詩人で哲学者のルクレティウスの言葉らしい。

世界には光、愛、論理、時間のように周期表にないものも
ありますが、地球も、この本も、あなたの足も、知覚や
検知できるすべてのものは元素からできています。

そんなはじまりのページの言葉を眺めつつ

ワクワクしている。

そしていつかこの本のことをnoteで書いてみたいって

思ったきっかけが今日のお昼ぐらいにやってきた。

そのきっかけはこのすてきな記事でした。

たまごまるさんがサークルの記事で紹介して

いらっしゃった。

絵本作家のアーノルド・ローベルがまくんとかえるくん

ことが森田はぐみさんの言葉で

綴られていた。

最終的に
個があって
僕たちは一人。
一人、一人で
一緒に居て幸せだね。

と言葉が結ばれているのを目にした。

その言葉をなんども読みながらわたしは、

アーノルド・ローベルの『ふたりはともだち』

あの元素周期表の彼らを同じ地平にいる者同志の

ようなある種のシンパシーを勝手に感じていた。

がまくんとかえるくんのように、

ひとりとひとりでありながら、一緒にいる時は

一緒にいる。

それってひとりが孤独だってことじゃないん

だよってことにYESっていう返事をもらった

みたいでとてもうれしくなっていた。

ひとりとひとりであるからふたりになれる

そんなはじまりの一歩をもういちど学んだ気が

したのだった。

紹介してくれた、たまごまるさん、そして

記事を書いてくださった森田はぐみさんありがとう!

星の砂 ひざをつくまで さがしつくして
さかさまの せかいのふたり 逃げほとばしる







いつも、笑える方向を目指しています! 面白いもの書いてゆきますね😊