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まだ開発中なのに、オミクロン株XBB対応ワクチンの接種案を了承!?

6月16日に開催された「第47回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会」で、今年秋から行うコロナワクチン接種に、オミクロン株XBB系統に対応した新しいワクチンを使う方針が了承されました。現在、流行の主流であるXBB.1系統に対応した「1価ワクチン」を使うことが想定されているということですが、XBB.1系統を含有するワクチンはまだ開発中です。承認申請されてもいない段階で、なぜ了承できるのでしょうか。

第47回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会

厚労省は、2023年9月から行われる新型コロナウイルスのワクチン接種について、現在、流行の主流となっているオミクロン株派生型のXBB.1系統に対応するワクチンを使う方針を決めたと各メディアが報じています。


これに関する資料が、厚労省のサイトで公開されています。

資料1-2_令和5年秋冬に用いるワクチンについて

2.各論点に関する検討及び結論
(1)ワクチン株について
○ 現在、我が国における流行の主流は XBB.1 系統に移行しつつある
オミクロン株対応2価ワクチン(武漢株及び BA.4-5 の成分を含む2価ワクチン。以下「既存2価ワクチン」という。)を追加接種したヒトにおける中和抗体の反応を評価した研究では、XBB.1系統に対する中和抗体価の上昇は、BA.4-5 に対する上昇と比べて低いとされている。
○ XBB.1 系統を含むワクチンに関する知見は限られているが、製薬企業から提出された非臨床試験(マウスを用いた試験)によると、XBB.1.5 に対する中和抗体価の上昇率は、当然ながら既存2価ワクチン接種後より XBB.1.5 を含むワクチン接種後の方が高い。
○ 「オミクロン株対応ワクチンについて(第二次とりまとめ)」(令和4年8月 24 日)において検討したように、流行株の成分を含むワクチンは、流行株に対してより高い中和抗体価の上昇とともに、より強い記憶リンパ球の誘導をもたらすことにより、重症化予防効果はもとより、発症予防効果への寄与も期待される。
○ なお、中和抗体価は短期間で減衰するものの、重症化予防効果に寄与する他の免疫機構(記憶リンパ球等)は、1年程度保たれることがこれまでに報告されている。
【結論】
現在の流行の主流である XBB.1 系統に対しては、既存2価ワクチンでは中和抗体価の上昇が低く、移行しつつある主流流行株に対してより高い中和抗体価を誘導するためには、最も抗原性が一致したワクチンを選択することが妥当である。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001108705.pdf

(3)従来株成分の必要性について
○ 従来株成分による免疫刷り込み現象は、以前から免疫学的な理論として提唱されているものの、現時点で、さらなる知見は得られていない。
○ 現在流行している新型コロナウイルスは、1年半以上に渡ってオミクロン株の中で亜系統や組換え体を生じている状況であり、ウイルスが今後どのように変異するかは不確実であるものの、従来株への回帰が生じる可能性は極めて低く、引き続きオミクロン株の中で変異を起こすこと
が想定される。ただし、令和5年秋にはオミクロンであっても XBB 系統ではない新たな亜系統等が発生する可能性があることに留意。

【結論】
免疫刷り込み現象を理由として従来株成分を排除すべき状況ではないものの、現時点においては、今後にわたり、従来株を含める必要性はないものと考えられる。なお、現行の令和5年春開始接種で実施している重症化リスクが高い者に対する接種は、重症化予防の観点から現在入手可能なワクチンである既存2価ワクチンを用いて、引き続き実施するべきである。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001108705.pdf

アメリカのFDAは6月16日に、アメリカ国内でこの秋以降に使用する新型コロナのワクチンとして、変異株の「XBB.1.5」に対応する「1価ワクチン」の開発を製薬各社に推奨したことを発表しました(下記参照)。


FDAの資料。

「第47回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会」が開催されたのは6月16日、FDAが変異株の「XBB.1.5」に対応する「1価ワクチン」の開発を製薬各社に推奨したことを発表したのも6月16日。これは何を意味するのでしょうか。


在庫処分と人体実験

まだ日本で承認申請もされていないのに、新しいワクチンを使う方針が了承されました。つまり、承認申請されたら当然のように、承認されるということでしょう。もう、安全性など確認する気もないようです。

今開発中で秋に使うとなると、ヒトに接種する臨床試験はどれくらいできるのでしょうか。従来株には対応していない「1価ワクチン」なのに、従来株のデータを引き継ぐつもりなのでしょうか。

先日、「コロナ後遺症対策推進法案」と「コロナワクチン健康被害救済法案」を衆院に提出した後に、立憲民主党の議員がコロナワクチンについて「多くの方に治療実験をしないままに発売されたものであります。 今行われていることが、ある意味の人体実験だと思います。 それは仕方なかったことではあるわけですが」と言っていました(下記参照)。
(発言部分 https://youtu.be/maOpWGmLpoo?t=338

従来株には対応していない「1価ワクチン」を秋から接種するとなると、臨床試験の期間も短く、他国でもまだ接種を開始していないでしょう。それを国民に勧めるということは、まさに人体実験をさせようとしていることになるのではないでしょうか。

なぜ日本は、安全性を確認する前に、こんなに前のめりで進めていくのでしょうか。

第47回予防接種ワクチン分科会議事次第及び委員名簿

分科会に、「ファイザー臨床開発統括部長」だった川崎市健康福祉局医務監・坂元昇委員が含まれていることが、関係ないとは思えません(下記参照)。

また、前述の資料では、従来株のワクチンについて下記のように書かれています。

現時点においては、今後にわたり、従来株を含める必要性はないものと考えられる。なお、現行の令和5年春開始接種で実施している重症化リスクが高い者に対する接種は、重症化予防の観点から現在入手可能なワクチンである既存2価ワクチンを用いて、引き続き実施するべきである。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001108705.pdf

今後のワクチンには、「従来株を含める必要性はないものと考えられる」と言っていますが、令和5年春開始接種で実施している重症化リスクが高い人に対する接種については、「重症化予防の観点から現在入手可能なワクチンである既存2価ワクチンを用いて、引き続き実施するべきである」と言っています。

けれども、何度も書いていますが、コロナワクチンの承認審査では「重症化予防効果」は承認されていません。ですから、添付文書にも「重症化予防効果がある」とは書いていません(下記参照)。

接種後の死亡や健康被害など、救済制度で認定された事例は基礎疾患のある人が多いのに、立ち止まることなく「重症化予防の観点から」と接種を続けています。

緊急事態ではなくなったのに、なぜ特例承認されたワクチンの接種を続けているのでしょうか。効果が期待できないから新しいワクチンを開発しているのに、従来株の2価ワクチンをまだ接種させようとしている矛盾。やはり、在庫処分としか思えません。

下記の資料を見ると、イギリスやカナダなどは、まだ新しいワクチンを使うかどうか発表していません。

資料1-1_新型コロナワクチンの接種について

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001108598.pdf

mRNAワクチンは、安全性を検証しないままどんどん開発が進んでいます。なぜこんなにも、安全性が軽視されるようになってしまったのでしょうか。