12月1日に開催された参議院予算委員会で、日本維新の会・柳ヶ瀬裕文議員によりコロナ対策やワクチン接種に関する質疑が行われました。その様子を収めた動画では、コロナワクチン接種後の健康被害について、そして厚労省のワクチン分科会にファイザー社と関係があった人物がいることなどについて語られています。
12月1日開催 参議院予算委員会
約22分の動画ですが、その中で非常に重要なことが語られています。そして、それについて厚労大臣や首相が答えていますが、納得できる内容ではありません。
注目すべきは、最近SNSなどで話題になっていたことが国会で語られたことです。
柳ヶ瀬議員:アドバイザリーボードのメンバーが最近ファイザー社の幹部に転身したり、ワクチン分科会のメンバーには5年間ファイザーの統括部長していた人物がいるのは、利益相反(利害関係が想定される企業等との関わり)では?
これについて、厚労大臣は「問題ない」と答えています。
柳ヶ瀬委員は、小児に努力義務を課すかどうかの議論で、この人物が偏った発言をしていたと感じるとも語っていました。
本当に問題ないと言えるのでしょうか?
ファイザー社統括部長だった人物とは?
動画では名前は出されていませんでしたが、川崎市健康福祉局医務監・坂元昇委員のことだと思います。
※委員会メンバーは、厚労省のサイトで公開されています。
例えば、令和4年10月7日開催のメンバー
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000998593.pdf
川崎市立看護短期大学のサイトに、坂元委員の経歴が紹介されています。
以下、川崎市立看護短期大学公式サイトから一部引用。
確かに、「ファイザー臨床開発統括部長」と書かれています。
偏った発言があったかどうか、議事録を見てみました。発言全体がわかるように長く引用したので、気になる部分を太字にしました。
2021年12月23日開催分からの引用です。
「努力義務が保護者の方に心理的な圧迫を与えるということは経験上あまりないかと思います」と言っていますが、本当に現場の声を聴いているのでしょうか。
「妊産婦に対する安全性等のデータが十分でないということを踏まえて、妊産婦だけは努力義務を外すということを決めた」と言っていることに驚きました。安全性等のデータが十分でないのに、日本産科婦人科学会は妊婦さんに接種するように勧めていたことになります。
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/20210617_COVID19.pdf (令和 3 年 6 月 17 日)
「妊娠初期を含め妊婦さんとおなかの赤ちゃん双方を守るとされています」「また、お母さんや赤ちゃんに何らかの重篤な合併症が発生したとする報告もありません」「一般に、このワクチンを接種することのメリットが、デメリットを上回ると考えられています」と書かれていますが、努力義務にしていないなら、この時点では妊婦さんの安全性に関する十分データはなかったということになります。
その後、令和4年1月に妊婦さんにも新型コロナウイルスワクチン接種の努力義務が課されました。
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/20220221_COVID19_ippan.pdf
この時点でも、本当に安全性の懸念はないといえるのかという疑問は残りますが、少なくともこれより前には安全性に関するデータは不十分だったということになります。
その説明が、テレビ等でされていた記憶はありません。妊婦さんたちは、このことを知らされていたのでしょうか。
2022年2月10日開催分からの引用です。
「努力義務というのは、別に行政機関が過去に市民に強制した覚えもないし、どの行政機関も受けていない方に受けなさいと言った覚えもないと思います」とのことです。
そうなんです! 努力義務は、強制でもないし、受けなさいと言っているわけではないのです!!
それなのに、なぜ努力義務を課すことに、こんなに執着しているのでしょうか。
2022年4月27日開催分からの引用です。
ノババックス製の効果持続期間のデータについて触れていますが、ファイザー製についても効果の持続期間は確立されていません。それについて、接種を希望する人に正確に周知しているとは思えません。
2022年7月22日開催分からの引用です。小児の努力義務について、もう一度考え直すように述べています。
「期間は不明だけれども」と言っているのに、「効果がないということは理論的には言えない」というのはよくわかりません。持続期間が短かったら、効果があってもワクチンとしての意味はないのではないでしょうか。「打てば打つほど抗体価は上がる」と言っていますが、血液中の抗体価が上がったとしても、「予防できる」とは限らないと思うのですが・・・。
2022年8月8日開催分からの引用です。ここでも、努力義務のことを言っています。
2022年9月2日開催分からの引用です。ここでも努力義務について述べています。
何度も「努力義務は接種を強制することではない」と言っていますが、結局、努力義務を外すと「このワクチンは安全なのかなという不安のインパクトを与えてしまう」から、それを避けたいということなのだと読み取れます。
2022年9月14日開催分からの引用です。今後も、どんどん接種を勧めようとしている発言が見られます。
今度は、オミクロン株対応ワクチンは、ヒトでのデータがまだ少ないのに、「妊産婦も努力義務に入れるべき」だと言っています。これで、議論したといえるのでしょうか。
今後は、データをそろえずに、類推で接種を勧めるようになりそうです。もう安全性については、十分な検証はされないということでしょう。
2022年10月7日分からの引用です。誤接種について、驚きの発言!
03【資料1】新型コロナワクチンの接種について の説明をうけての発言。
えっ、ワクチンの取り違えは、去年からすでにたくさん起きています!!
神経質にやっていない医師がたくさんいますよ!!!!
この人は、現場を知らないのだと思いました。そのような人が委員をしていて、意味のある話し合いができるのでしょうか。
やはり、BA.4-5対応ワクチンは「人に対するデータがまだない段階」だと言っています。それなのに、この人が気になっているのは、「いつから接種が開始されるか」ということのようです。
2022年10月20日分からの引用です。
03【資料1】新型コロナワクチンの接種について
04【資料2】オミクロン株対応2価ワクチンの接種間隔短縮について(令和4年度第11回薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会資料)
の説明を受けての発言。
「オミクロン株対応2価ワクチンの安全性が従来型ワクチンと異なることを示唆するデータはない」とされているそうですが、そもそも従来型ワクチンの安全性もきちんと評価されていないのに、異なるデータがないからといって安全だとはいえないはずです。
けれども、この人が気になっているのは、また大臣指示がいつ出されるのかということのようです。
「ファイザー社がいい結果がでたことをアナウンスしている」と言っていますが、そのデータが本当なのかチェックするのがこの会議の役割ではないのでしょうか。製薬会社が出したデータをそのまま信じるだけなら、なんのための会議なのでしょうか。
委員というのは、誰がどのような基準で選んでいるかも明らかにしてほしいものです。
アドバイザリーからファイザー社幹部へ転身
先ほどの参議院予算委員会の動画では、もう1人、利益相反の可能性が指摘された人物がいます。
厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーからファイザー株式会社ワクチンメディカルアフェアーズへと転身した、元国際医療福祉大学医学部公衆衛生学教授の和田耕治氏のことだと思います。
『保健医療科学』 第71巻 第4号 (2022年10月)より
厚労大臣は、「アドバイザリーボードではワクチンなど特定の審議を行う場ではない。転身後は参加していないので問題ないと考えている」と答えていました。
けれども、転職するには準備期間が必要なはずです。転職すると決めてからも、会議に参加していた可能性はあるのではないでしょうか。あるいは、ファイザー社から転職の話を持ちかけられていた可能性も、あるのではないでしょうか。
資料5 高齢者施設等入所者に対する4回目ワクチン接種について
上記のように、ワクチン接種についても話し合われています。
これを「問題ない」なんて、とても納得できません。
やっと国会でも、このような質疑が行われるようになってきました。柳ヶ瀬議員にはもっと早く動いてほしかったですが、これに続いて、他の議員たちも動きを見せるようになってくるでしょう。コロナワクチンによる健康被害は、それほど多くなってきているのだと思います。
追記:3月の参議院予算委員会で、新年度予算案について専門家から意見を聞く公聴会には、公明党の推薦で和田氏が意見を述べていました。ちなみに、立憲民主党が推薦したのはテレビによく出ている倉持仁医師。これは何を意味しているのでしょうか。