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「存在しない」と言い続けた内部資料が発見されたという事実

NHKアーカイブスでは、過去の薬害について知るための貴重な映像が公開されています。3つの薬害に関する映像がありますが、同様のことが繰り返されてきました。国が危険性を知りながら、国民に隠し続けることなんてあるはずないと信じて被害にあった多くの人が、これらの映像に収められています。

薬害エイズ事件

薬害エイズ事件については、コロナワクチン問題を考えるうえで知っておきたいことなので前回の記事で取り上げました。

この映像から、様々なことがわかりました。厚生省が非加熱製剤の危険性を知っていたことを示すファイルが発見されたこと、そしてその一部も映像で映し出されています。

薬害エイズ事件は、血友病患者の治療に非加熱製剤を使用したため、多数のHIV感染者やエイズ患者を生み出したというもので、この年2月、厚生省が非加熱製剤の危険性を知っていたことを示すファイルが発見され、菅厚生相が原告患者らに謝罪した。薬害エイズをめぐっては帝京大学の安部英元副学長や厚生省の松村明仁元課長が業務上過失致死の罪で起訴された。このうち、安部元副学長は一審で無罪判決を受けた後二審の公判中に死亡した。

NHKアーカイブスより

薬害の歴史

厚労省制作の動画です。中学生の教育用に、5分半に薬害の歴史がまとめられています。けれども、この動画を最も見るべきなのは、厚労省の人たちではないのでしょうか。他人ごとのようなナレーションです。



キノホルム製剤(整腸剤)によるスモンの発生

昭和30年代、腸疾患加療中に神経炎症状や下半身麻痺症状を併発した原因不明の疾病(スモン=亜急性脊髄視神経症)が発生。その後、キノホルム剤(整腸剤)が原因であると判明し、昭和45年9月に発売中止の措置が取られました。

NHKアーカイブスの動画は、どれも3分程度です。

全身の苦痛にさいなまれるスモン患者。東京のスモン訴訟で、被告の国と製薬会社2社がキノホルムとの因果関係を認め、和解金を支払うことで、一部の原告との間で和解が成立した。

NHKアーカイブスより


8月3日、東京地方裁判所は、スモンの原因はキノホルムと断定国と製薬会社3社に32億円あまりの損害賠償を支払うよう命じる判決を言い渡した。3月の金沢、11月の福岡での裁判でも、いずれも原告側が勝訴している。

NHKアーカイブスより

数多くの被害者を出した薬害、スモンの訴訟はこの2年間に9つの裁判所で原告・患者側の勝訴判決が続いた。判決の結果と新しい薬事2法の成立を受けて、和解へ向けた中央交渉が進み9月15日、東京スモン訴訟で被告の国・製薬会社との間で合意の確認書に調印した。橋本厚相は「長い間、本当に申し訳ありませんでした」と謝罪した。スモン問題は、患者の粘り強い運動でようやく新しい段階を迎えることになった。

NHKアーカイブスより

サリドマイドによる胎児の障害

睡眠薬や胃腸薬として販売されていた「サリドマイド」。妊娠初期にこの薬を服用した母親から、手や足、内臓などに障害のある子どもが次々と誕生しました。

サリドマイドの薬害を巡る訴訟がこの年の10月、開始から11年あまりを経て決着した。薬と奇形との関係について、当初、大日本製薬と厚生省は問題にしなかった。訴訟を起こしてから11年あまり、製薬会社と国はようやく因果関係を認め、10月、和解が成立した。

NHKアーカイブスより

サリドマイド→スモン→薬害エイズの順に起きていますが、そのときは謝罪しても、同じようなことが再び起きています。もう二度と、このようなことが起きないという保証はないのです。