032. 出口治明さんのトークショー@長崎の要約・感想について
人は、「人・本・旅」からしか賢くなれない。人と会うには、回数が大切である。動物が人見知りするのは本能である。また、本は、タイムマシンであり時空を越えることができるので、効率が良い。目的のない旅でも五感は色々な情報を拾っている。だから、旅に目的がなくても大丈夫である。
出口さんは歴史が好きだそうだ。歴史学では、様々な解釈ではなく出来事としての1つの歴史を求める。材料とするのは、同時代史料(≒一次資料)である。つまり、出来事としての歴史であるため、学問が進むにつれて、知識が1つへと整合的になっていくのである。
歴史とは、今まで生きてきたすべての人の物語である。歴史では、面白いことが残っていくはずである。その例として、ある皇帝のエピソードが紹介されていた。ある独身の若者がその皇帝の母(独身)と結婚がしたい、と講演中に乗り込んできた。多くの人は、その若者を狂人のように扱ったが、その皇帝は最後まで話を聞いて彼の望みを母に伝えることを約束した。彼が皇帝の母と結婚したかったのは、彼女のお尻が大好きだったからだそうだ。
良い本の条件を3つ紹介していただいた。
①古今東西の古典
②最初の10ページが面白い本
③新聞の書評が面白い本
①は、面白いから時代を越えて現在も残っているのである。②については、著者が最も力を入れている部分だからである。著者は一人でも多くの人に読んでほしいため、本の最初の部分を最も大切にしている。③は、書評を書く人が有名人であることが多く、しっかりとした文章が書ける人が多いからである。
ベストセラーにはトンデモ本が多いらしい。なぜなら、人は藁をもすがる気持ちで、特効薬のような本を求めがちであるからである。その例としては、「1週間で英語ができるようになる本」などが挙げられる。つまり、多分に嘘を孕んでいる可能性が高いのである。
また、データ(数字)、ファクトなどのエビデンスを重視して物事を把握することの重要性を説いていた。エピソードではなく、エビデンスを見ること。そうすることで、本当の真実が見えてくる。エビデンスは、得てして思い込みとは異なっていることが多い。
その例としては、大学全入時代の日本でも、大学進学率は、52%しかないこと。日本の仕事は、年間約2000時間超であり、サービスが優秀であるにも関わらず、1年間の実質GDP成長率が約1%であること。ヨーロッパでは、年間1300〜1500時間で経済成長率が約2%である。ここから分かることは、日本の生産性が限りなく低いということである。つまり、労働時間を減らした方がいいということがこのデータから明らかになる。
レスポンスの速度が速くて聡明な方だな、という印象を受けた。自分もレスポンス速く様々な質問に答えられるほど、自分の思考を鍛えたい。自分の頭で考えることの重要性を改めて認識した。とても面白い1時間だった。
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