魔女コルタ・エル・バカラオ(鱈切り)
テーブルの上に、腐った南極イバラガニの死体が置かれている。
コルタは思う。
移民の連中が喰う様な蟹だ。
あの連中は自分達の事を魔女(ブルハ)などとは言わない。
暴力男(コンパドリート)だとか、余所者(グリンゴ)だとか言うのだ。
思うに、彼らは彼らなりの幼さを持って、
かつて、事に挑んだんじゃないだろうか?
そう完璧という訳でもなく、
一から何かを作ろうとしたのかもしれない。
まぁ、どの道、意味は同じだ。
墓地で概念を掘り起こす様な者という意味では、
魔女もヤクザ者も変わらない