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魔女エル・マゴット

■エル・マゴット
全てのフランス魔女達の棟梁(頭目)。

本名はマリー・ヴォアザン。
幼少の頃より、天才、異様児と呼ばれ、
あらゆる分野の習得に異様な速さを示す。

しかし反面、精神は未熟で短気な面が目立ち、
特に異様な程の負けず嫌いで、
同世代の子供達と勝負しても、勝つ為に手段を選ばない、
負けた者を徹底的になじるなど、
他者に対しての思いやりに欠けていた性悪な性があった。
その為、徐々に周囲からは疎んじられる様になる。

両親は彼女が五歳の頃からニンジンを好んで食べた事から、
悪魔の子なのではないかと恐れおののき、
彼女を密かにキャホッツ・ソシエ(ニンジン魔女)と呼ぶ様になる。
(ニンジンを食べるなんて信じられない!!と両親は言った)

上の兄ジャンも、天才と呼ばれる程の薬師で、
彼は、若い頃、同じく調合師である父を継ぐ為に勉強をしていたが、
マリーは、それらの本を横から覗き見ただけで、
あっという間にその知識を習得してしまった為、
兄は、妹の才能の異常性を面白がり、彼女に同業の仕事を薦めた。
だが、マリーの興味とは、自分の能力の限界と、それを超える可能性、
そして、それによって得られる自分に負けた者達の屈辱の感情だった為、
薬の職そのものには興味を示さなかった。

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その後も、自分の通う神学校に密かに[呪い]をかけ、
自分に逆らう者達に復讐したり、
知識の追求に邪魔な神(の教え)を冒涜するなど、
己の可能性の追求と、弱者をいたぶる悪癖を好き放題に堪能していたが、
ある夜、その神学校に、
嵐を起こす為にスペインのスガラムディ村の魔女達が集まり、
校舎の巨大な十字架を盗むという事件が起こる。
その際、彼女は偶然、スガラムディの妖術使ディエゴ(三流羊飼い)と会い、
対決し敗れてしまう。

それ以降、彼女の人生は全く変化し、
いかなる時も、その屈辱に徹底的にこだわる様になる。

自分を負かしたディエゴと同じ、
妖術の世界で才能を開花させる事に何十年も熱中するが、
ある日、「戦わなければ負けない」「存在しない事が神の原則」
である事に気付き、
自分の魔法を開花させる事に成功する。

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その強大な魔力は、フランス中の邪悪な魔女達を震え上がらせ、
魔女達に「残酷な娘達の棟梁」「魔女達の頭目」と呼ばれるまでになる。

使い魔は、英国の蛆虫の王ジファー。

「戦わなければ負けない」というのは、魔法に限らず、
あらゆる業界の大物達が使っている技だと言わざるを得ない。
この世では、人間にとってだけ、目に見える物が真実であるならば、
大物ぶる者は、愚者にとっては真の大物なのである。



スペイン・オペラ楽団「墓の魚」
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