キャサリン

特別養子縁組で迎えたマリアと、夫の三人暮らしです。

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特別養子縁組で迎えたマリアと、夫の三人暮らしです。

最近の記事

真実告知 小学3年生  エピソード1

「産みの母」という言葉はあまり使用しておらず、普段は名前で 呼んでいます。 子どものボキャブラリーの中で「産みの母」=「本当のお母さん」と なるようです。 マリアも友達には「本当のお母さんは若くて可愛い」と説明しています。 ある日、同級生の友達とその妹が遊びに来た時のこと。 早くお菓子を食べ終わったマリアと同級生は隣の部屋で遊び始め、 私は妹ちゃんと話をしていました。 妹ちゃんはまじまじと私を見つめ「本当のお母さんじゃないんでしょう?」と聞いてきました。 「そうだよ、よく知

    • 真実告知 小学2年生 エピソード4

      2年生になって言い始めたことがあります。 それは「養子はクラスに一人だから恥ずかしい」というものです。 「一人だけ〇〇」で、恥ずかしくなる気持ちは分かりますが。 「クラスに一人だから」が、「養子だから恥ずかしい」に ならないようにしなければいけないと思いました。 20年ほど外国に住む友人に日本では養子であることを 言わない人が多いと話したことがあります。 「なんで???」と、びっくりしていました。 友人が住むのは、日本人がイメージする養子が多い国ではありません。 それでも

      • 真実告知 小学2年生 エピソード3

        ある場所に相談し、産みの母のケイさんに会うことができました。 相手のこともあるので詳細は書きませんが、 ケイさんに会ってから、マリアがケイさんの話をすることが 極端に少なくなりました。 考えてみれば、「似てるのか?」「どこにいる?」など、 質問が多かったのです。 質問が全て解決したわけではありませんが、どんな人かが分かったので 毎日のように質問することはなくなりました。 幼稚園の頃、ケイさんに会ったらどうするのか、と聞いたら 「ママの後ろから見る」と言っていました。 何を

        • 真実告知 小学2年生 エピソード2

          ボノロンという絵本があります。 困った人の願いを叶えてくれる話です。 読んだあと、「願いを叶えてあげる、と言われたら 何をお願いする?」と聞いてみました。 マリアは「ケイさんに会いたい」と言ったのです。 私はのんきな大人であることを思い知らされました。 願いを叶えるなんて言われたら、「大好きなイタリアに行きたい」 なんて答えるでしょう。 やはり、産みの母に会わせたいと思いました。

        真実告知 小学3年生  エピソード1

          真実告知 小学2年生 エピソード1

          養親の中で話題になる「生い立ちの授業」 「名前の由来」「産まれた時の写真」など、学校によって違いはありますが 小さい頃の話を聞いたり、写真を出したりはよくあることのようです。 うちの場合は、0歳のエピソードも必要だったので、乳児院にアルバムを 持って話を聞きに行きました。 いろいろな話が聞け、たくさんの方にお世話になったことが分かったよう でした。 同じ日に産まれた病院も見に行き、そのまま歩いて乳児院まで行きました。 乳児院までどうやって来たのかも先生に聞くことができました

          真実告知 小学2年生 エピソード1

          真実告知 小学1年生

          1年生になりました。 新しい友達に自分が養子であることは伝えているようです。 「ママ、〇〇ちゃんがね、妹が欲しいっていうから、○○乳児院で手続きを したらもらえるよって教えておいた」と話すこともありました。 そういえば、「赤ちゃんの家」と説明していたのですが、 いつの間にか乳児院という言葉を覚えていました。 ニュースで赤ちゃんが埋められたというのが流れてきました。 マリア「あ~良かった、わたし、埋められなくて」 「相談するところを知らなかったのかな」とも言っていました。

          真実告知 小学1年生

          真実告知 6歳

          遠くの公園や遊園地に遊びに行くのは、養子仲間と行くことが多かった です。 たくさん仲間を作って、大きくなった時に相談し合える友達がいた方が いいと思ったからです。 そのためか、世の中に養子はたくさんいると思ったらしく。 幼稚園から帰ってきて、 「ママ、〇〇幼稚園にはね、お母さんから産まれていない子はいない みたい」とびっくりした様子で調査結果を報告してきました。 「うん、そうかもね、幼稚園はいないかもね」 マリアは自分が少数派だということが何となく分かったようでした。 ま

          真実告知 6歳

          真実告知 5歳

          「ママが二人いる」という話を小さい子にしない方がいいという考え方が あるようです。 混乱すると言うのが、理由だったか忘れましたが、どこかで聞いたので、 あえてケイさんのことを「お母さん」と話すことはしていませんでした。 5歳の頃、自分から「マリアにはママがふたりいるね」と言いました。 2~3歳の頃、真実告知の話は混乱してるかも、と心配になりましたが、 この頃にはずいぶん、自分で生い立ちが整理できていると思いました。 産みの母探しは、コロナが始まり、中止となりました。 「

          真実告知 5歳

          真実告知 4歳 エピソード3

          相変わらず、朝食の会話が産みの母です。 「マリアはケイさんに似てるのかな?」 「似てると思うよ、マリアが可愛いのは似たんだよ」 「ウン、ママから産まれなくて良かった。顔に線(しわ)や いろいろ(シミなど)あって、汚いもんね」 むむむ・・・ 「でも、良かったよ。顔は汚くても、ママで」 それは、嬉しいが・・・顔が・・・ 2歳~3歳「ママから産まれたかった」と言ってくれていた頃が懐かしい。 「ケイさんはマリアのことが好きなのかな?」 「マリアの名前は誰がつけたの?」 質問は、

          真実告知 4歳 エピソード3

          真実告知 4歳 エピソード2

          この頃も、毎日のように産みの母のことを聞いてきました。 「パパとママは、ばあばから産まれたんだよねえ、 私はCさん(乳児院の関係者)?」 そのたびに、産みの母がいることを伝えました。 質問の多くは 「どこに住んでるの?」 「私と似てるのかな?」 「なんで育てなかったの?(言った言葉は違う気がしますが、内容としては育てられない理由)」 4歳1か月 「ケイさんに会ったら、産んでくれてありがとうって言うね」 4歳2か月 「マリアはねぇ、パパとママに会うために産まれてきたんだよ

          真実告知 4歳 エピソード2

          真実告知 4歳 エピソード1

          4歳の頃だと思います。 幼稚園から帰って 「ママ、レイ君が、ママから産まれてないって言ったら、嘘だと言うの」 「レイ君のママに言っといて!私はケイさんから産まれて、赤ちゃんの家に行って、それからパパとママが迎えにきたって」 あるある話ですが、子どもが仲良しでも、私はレイ君のママを よく知りません。 でも、ずっとレイ君の話は出てくるし、今後も仲良くしそうだから、 行事で会った時に、「突然ですが・・・」と話しかけました。 養子であること、もし、家でマリアが養子であるという話にな

          真実告知 4歳 エピソード1

          真実告知 3歳 エピソード4

          3歳10か月 この年齢を私はメモしておきました。 なぜなら「マリアはAちゃん(乳児院の先生)、Bちゃん(乳児院の先生)から産まれた?」と聞いてきたから。 そして、「違うよ、別の女の人から産まれたよ」と言うと、 「名前は?」と聞いてきたから。 な、ま、え! そんな質問を3歳児がしてくるとは思いませんでした。 産みの母の名前の漢字がそのまま読めないのではっきり覚えていません でした。 「ハルさんだったかなあ?」 隣で聞いていた夫が「何か、違う気がする」 私「じゃあ、調べておくね

          真実告知 3歳 エピソード4

          真実告知 3歳 エピソード3

          幼稚園年少のの1学期が終わるころ、 「赤ちゃん、どこから産まれる?」と聞いてきました。 ここで、きちんと性教育をするべきか? うちだけ話して、ママ友にドン引きされたらどうしよう、 と考えていると。 「ママ、産んでないもんね、知らないか」とマリア。 そして夏休みに入り、マリアが預かり保育から帰ってくると嬉しそうに 言いました。 「ママ、赤ちゃんはね、おまたから産まれるんだって」と自分の 股間を覗いています。 「ねえ、頭から産まれるの?足?」 「おまたの、どこから出てくるの?

          真実告知 3歳 エピソード3

          真実告知 3歳 エピソード2

          おしゃべりで好奇心旺盛なマリアは、毎日が真実告知でした。 「赤ちゃん、なんで赤ちゃんの家にいっぱいいる?」 「パパ、ママ、なんでくるのが遅かった?ママ、パパのご飯作ってた?」 0歳~1歳の委託が増えていた当時。 周りの養子仲間に比べて自分が遅く養子に迎えられたことは疑問の 一つでした。 「手続きに時間がかかったのよ」 そう答えていましたが、本当は私たちの前に別の里親さんと交流したことがありました。 大人になって、話の流れで言うかもしれないけど、 今、言う話ではないかと思い、

          真実告知 3歳 エピソード2

          真実告知 3歳 エピソード1

          3歳の誕生日プレゼントに「たからものはなあに?」という絵本を 一緒に渡しました。この本は現在、販売されていないようで残念です。 何冊かある真実告知の本の中でこの本を選んだのは主人公が女の子で 乳児院から迎えられたところが同じだからです。 話の内容が、幼稚園の場面から赤ちゃんのころに戻るため、3歳児には 難しいのですが、毎晩のように読んでいました。 そして乳児院の交流場面ではページが進まないのです。 ベットや人など、あらゆるものを指さし、「これは?」と聞いてきます。 読み終

          真実告知 3歳 エピソード1

          真実告知 2歳 エピソード3

          私の母の話 養子を迎えてから、田舎の母は野菜やお米と一緒に子どもの喜ぶお菓子や 使えそうな可愛いタオルなどを、せっせと送ってくれます。 電話で話していたら、 母は「養子であるという事実は隠すものだと思っている」ことが分かりました。 「小さいのに可哀想に。みんなで黙っていたらいいよ。分からないよ」と母。 確かに、乳児院にも行かず、真実告知をせず、私が産んだことにして、このまま成長していけば、ある年齢までは隠せるかもしれません。 成長してから養子だと聞いても「何かおかしいと

          真実告知 2歳 エピソード3