定着をテーマにする医師招聘担当 小川 和久

「医師の定着」をテーマに医師招聘を行っています☆医師紹介業と病院の医師招聘担当の内と外…

定着をテーマにする医師招聘担当 小川 和久

「医師の定着」をテーマに医師招聘を行っています☆医師紹介業と病院の医師招聘担当の内と外の両方の経験から、ドクターの転職アドバイスを行っています

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5人に1人の医師が半年以内に離職?

 医師紹介会社経由で入職した医師のうち、半年以内の早期離職は19%という報告があります。<厚生労働省(令和元年.12.27)「医療・介護分野における職業紹介に関するアンケート調査」, 10p.> 同報告で、医師紹介会社を経由していない医師の離職率は半年で 3.6%ですから、19%は非常に高い比率です。実に5人に1人の医師が半年以内に早期離職していたわけです。 なぜ紹介会社経由の医師は「早期離職率が高い」のか  医師の離職理由に多く挙がるのは「思っていたのと違った」「職場の

    • 白足袋には気をつけなはれ

      前回記事<病院の「組織文化」を考える>では、組織文化は病院ポジションで規定される可能性と、中小病院の「個人文化」の注意点について書きました。今回はコラム記事で「匿名略歴書」についてです。  白足袋には気をつけなはれ  これは、京都で仕事を始める人が最初に聞かされる警句です。 昔、市田ひろみさんを取材した時に教えていただきました。  白足袋とは、普段から和装で仕事をする僧侶、茶道や華道の家元、室町の旦那衆を指します。彼らから何か頼まれたら「絶対に断ってはいけない」のが、この

      • 病院の「組織文化」を考える

         前回は、職場の雰囲気を推測するコツとして、上長の「ソーシャルスタイル」について書きました。自分と上長のソーシャルスタイルの違いを知って円滑な対応に利用しようというものですが、今回は人間関係で作られる「職場の雰囲気」ではなく、組織のポジショニングから作られる「組織文化」について考えます。 その「病院文化」をどこまで許容できる? 「組織文化」とは、院内で共有されている価値観や信念、行動規範のことです。「職場の雰囲気」はメンバーの交代で変わりますが「組織文化」は構造的で変わりに

        • ソーシャルスタイルから職場の雰囲気を推測する

           前回は、30分あればできる「病院ホームページの分析法」を書きました。今回は、上長のソーシャルスタイルを分析して、転職先の職場の雰囲気を考えてみます。本記事で扱う「ソーシャルスタイル」は、典型例をもとに「誇張した表現」にしています。実際に当てはまるケースはなく、実在する人物を想定したものでもありません。あらかじめご承知おきください。  働き方に密接に関わる要素なのに、求人票には表れないのが「病院のカルチャー」の情報です。「病院のカルチャー」とは、職場の雰囲気や人間関係などの

        • 固定された記事

          30分で済む「病院分析」のポイント

           前回までは「フレームワーク」を使った「自己分析」について書きました。今回は、30分程度で行える「病院分析」について紹介します。  自己分析を終えたら、次に「病院分析」を行います。自分の希望に合った病院を見つけるために重要なステップですが、自己応募以外の先生は「病院分析」をエージェントに任せきりです。しかし、エージェントから提供される求人票や情報だけで、その病院の実態や働き方は十分に判りません。  そこで、WEBで30分程度で済む「病院分析」のポイントを紹介します。ミスマッ

          30分で済む「病院分析」のポイント

          医師転職で「コミュ力」が重視される理由

           前回<コミュニケーション能力とは何を指すか>では、コミュニケーションスキルを「階層構造」で把握しました。  今回は「コミュ力」が、リスクヘッジの視点で注目される理由と、スキルにすぎない「コミュ力」が、医師の人間性や信頼性を示す指標になることをお伝えします。 「コミュニケーション」不足の医師を除外する病院  医師転職では、リスクヘッジの観点から「コミュ力」に注目します。 前回記事でも触れましたが、「コミュ力」不足の医師を採用したために、既存の医師やコメディカルに辞められた

          医師転職で「コミュ力」が重視される理由

          コミュニケーション能力とは何を指すか

           前回の記事<医師転職において「CAN」を具体化する>では「CAN」は「量的に表現する」ことと「エピソードで語る」ことが重要だと書きました。  今回は「CAN」のなかでも、特に重視される「コミュニケーション能力」に触れますが、実は「コミュニケーション能力」が何を指すのかについては多様で、かつ不明瞭です。そこで今回の記事では、全体像を把握するため「階層構造」について確認します。 「コミュニケーション能力」が指す内容は「あいまい」  「コミュニケーション能力(以降、コミュ力)

          コミュニケーション能力とは何を指すか

          医師転職において「CAN」を具体化する

           前回は「WILL」の番外編で<高年俸クリニック転職で留意すべきこと>を書きました。今回は「WILL-CAN-MUSTのフレームワーク」から「CAN」について考察します。  「CAN」は、自分の過去から現在までの価値、生まれ持った資質や、経験により培われた「できること」を指します。この「CAN」の具体化にあたっては「量的に表現する」ことと「エピソードで語る」ことが重要という記事です。 「CAN」とは何か  「CAN」とは、これまでの経験により培われた「できること」を指しま

          医師転職において「CAN」を具体化する

          高年俸クリニック転職で留意すべきこと

           前回は、転職医師の最初の分岐点<スペシャリスト志向かゼネラリスト志向か>について書きました。今回は前回記事で宿題にしていた「高年俸の内視鏡専門クリニック転職」について私見を述べます。 ※この記事はスルーしていただいて結構です。 クリニック転職で思うこと  クリニック転職で失敗された事例をお聞きして思うことがあります。 想像の域はでませんが、転職にあたって「スキルへのこだわり」が叶わず、その引き換えに「高年俸」で自分を納得させたのではという疑いです。 その先生の「WILL

          高年俸クリニック転職で留意すべきこと

          スペシャリスト志向か、ゼネラリスト志向か

           前回までの記事<転職準備で「WILL」を言語化する>では「WILL」を言葉にする2つの方法について説明しました。  今回は、転職の最初の分岐点「スペシャリスト」志向か「ゼネラリスト」志向かについて考察します。仕事の「WILL」は、スキルや経験に寄りがちです。しかし、それ以外の「WILL」を検討することが大切という話です。  医師転職を考えるときの最初の分岐点は「スペシャリスト」志向か、それとも「ゼネラリスト」志向かです。  たとえば消化器内科で、普段BAEやEUSを行っ

          スペシャリスト志向か、ゼネラリスト志向か

          転職準備で「WILL」を言語化する#2

           前回の記事<転職準備で「WILL」を言語化する#1>に引き続き、今回はネガティブな要素である「WON'T」から出発し、自己分析のフレームワークである「WILL」を具体的に言葉にしていく「ネガポジ反転」の方法について説明します。 対処法② ネガポジ反転による「WILL」の紡ぎ方 「WILL」は出なくても、現状の不満「WON'T」はたくさん出ます。「WILL」を言葉にするために、以下のステップを実行します。 【ステップⅠ】 現状の不平、不満をリストアップする  まず、現在

          転職準備で「WILL」を言語化する#2

          転職準備で「WILL」を言語化する#1

           前回<医師転職での「病院分析」と「マッチング」のコツ>では、MUSTを分解して「WILL」「CAN」「CULTURE」とし、自分との「接点」を探すのがマッチングのコツと書きました。  今回からは「WILL」「CAN」を「言語化」する方法について考察します。 まずは「WILL」をどう言葉にするかです。 「WILL」は「なりたい未来」の条件  「WILL」で言葉にする内容は「自分がやりたいこと」や「なりたい未来の姿」です。転職なので仕事中心に考えます。まずは自分が興味をもっ

          転職準備で「WILL」を言語化する#1

          医師転職での「病院分析」と「マッチング」のコツ

           前回<WILL-CAN-MUSTの「バランス」を考える>では 「キャリアチェック」から「CAN-MUSTの関係性」を確認し、 さらに「志望動機」から「WILL-MUSTの関係性」をみました。  今回は「MUST」に注目して、自分と求人先とのマッチングのコツを考えます。MUST(求人側の必要条件)は求人票から読みとりますが、MUSTには求人票に書かれていない情報や特徴も含まれています。  転職の準備段階で「自己分析」の次に行うのが「病院分析(MUST分析)」です。病院分析と

          医師転職での「病院分析」と「マッチング」のコツ

          WILL-CAN-MUSTの「バランス」を考える

           前回は、転職準備において自己分析が必要であり、それにはWILL(自分がやりたいこと)と、CAN(自分ができること)、そしてMUST(求人側の必要条件)を使うべしと書きました。細かく検討するには、それぞれ「言語化」する作業が別に必要ですが、具体的な方法は別の機会に譲ります。  今回の記事は、WILLとCANとMUSTのバランスについての考察です。 CANとMUSTの関係  転職では「即戦力」としての人材を求めます。 そのため、求人側は「自分たちがしてほしいこと」を「その医

          フレームワークで自己分析する意味

           前回は、医師転職における「3つの転職戦略」で「転職の進め方」について紹介しました。今回から「転職準備」について考えていきます。 転職準備の第1フェイズは自己分析です。 まずは「WILL-CAN-MUST」のフレームワークで自分を整理しておきましょう。  と言いたいところですが、転職は新卒採用と異なり「やる仕事」が決まっています。特に医師採用では、科目別に求人するのが普通で「求める経験や資格」が明示されています。  求人側は「この科目の仕事を任せられるか」を確認するので、履

          フレームワークで自己分析する意味

          医師転職における「3つの転職戦略」

          その転職は「逃げ」?「攻め」? それとも…  あなたの転職は「逃げ」ですか、「攻め」ですか? 転職動機を二択で聞かれることがありますが、それは本当に適切な問いでしょうか?  キャリアアップへの挑戦など「転職動機が前向き」だと「攻め」と呼ばれ称賛されます。逆に、職場環境や給与などに不満があるなど「転職動機が後ろ向き」だと「逃げ」と呼ばれ、否定的なニュアンスが漂います。 「逃げ」は、企業戦士の頃から「自分の思い通りにいかなければ転職」する逃亡行為で、許しがたい「悪」とみなされ

          医師転職における「3つの転職戦略」