広告デザインを考える ① [デザインとアートの違い]
「広告」というものが一体何なのか、広告の本質と、その機能、また広告について、今日からシリーズで順を追って語っていきます。デザインに興味がある方や、独力でPR広告を作ってみたい方に向けて何か共有ができたらと思います。
私が仕事で「デザイン」するものは比較的に多岐にわたります。主にブランディングに関わるロゴやシンボルマークを作ることが多いのですが、他にも書体、ウェブデザイン、SNS広告、サイネージ広告、ポスター広告、チラシ、パンフレット、名刺、細かく言えば媒体違いでまだたくさんあります。ときどき広告企画、キャスティング、キャッチコピーさえも手がけることがあります。この中でも一貫して言えることは、何を作るにしても「広告」に携わっている。それをデザイン提案していることになります。
これらに共通しているものは、まだあります。
それは、どの仕事にもお客さんの「要望」があるということです。
自己紹介でアートディレクターだと伝えると、人から「アーティストなんですね」とか「絵がかけるんですね」と言われることがたまにあるのですが、アートディレクションやデザインは、アートとは全く違います。その違いはまさに「問題」に対するアプローチの仕方にあります。
「問題」を自ら見つけ出して、作品を媒体にして世の中に「問題提議」するのが現代アートの役割だと思います。
一方で、
他者の「問題」に対してデザインを媒体にしてその「解答」を導き出すのがデザインです。
アートとデザインの違いの決定的な違いはこれだと思います。
自己発信と他者発信、問題に対するベクトルがそもそも全く違うんです。
では、アートとデザインに共通するものは何だと思いますか?
世界を捉えるという行為です。
では、世界とは何でしょうか?
私たちの限定的な能力の視界、つまり可視光の中だけで捉えられる
色と形の「情報」を私たちは一般的に「世界」と捉えています。
広告とは、
この色と形の「情報」をどう扱うのか。
はっきり言ってこれだけです。
言ってしまうと簡単なのですが、これだけなんです。。
「情報を足すのか、情報を引くのか」
これが広告デザインの情報処理の本質です。
そこで、この他者発信の問題解決に対して、デザイナーはどう立ち向かって行くのか、そこに起こる問題や、解決の仕方などをお伝えしていく前に、もう少しこの厄介な「情報」とは何かを次回はもっと細かく分析してみたいと思います。
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