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結果を出せる「ポートフォリオメディア」 ③ デザイナー就活者☆必見

ポートフォリオとは「作品集」のことだと一般的には思われがちですが、認識が少しズレています。ポートフォリオとは、「作品」と作品をのせる「ベース」を含めた作品群です。その「ベース」の部分であるプレゼン形態に焦点を当てて、ポートフォリオを良く見せる上での、それぞれの形態のメリット、デメリットを語っていきます。(4000文字相当)

就職先のデザイン実績に近い作品性を、自分のポートフォリオに組み入れてみるご提案を以下の記事に書きました。

私がこの業界に入った時は、A3サイズのクリアポケットファイルに入れて見せてました。この形態を選んだ理由は、確か作品をできる限り大きく見せるためだったと記憶してます。
ちなみに、その頃はまだオンラインでのプレゼンテーションをする発想が一切なかった時代です。ましてや学生が自分の作品用ホームページを作るという人もいませんでした、私の知る限りでは。

では今の日本でのデザイナー求職において、効果的なポートフォリオの形態とはどんなものなのでしょうか? 以下が候補です。

・紙/ファイリング
・映像ファイル
・SNS
・ホームページ
・マテリアル
etc..

上記の各形態を用いることにおけるメリットと、デメリットを順にお伝えしていきます。




紙/ファイリング

[メリット]
・作品がアップデートしやすい
・郵送に適している
[デメリット]
・ファイルの種類を慎重に選ばないと安っぽく見える
・クリアポケットの光沢が作品を見にくくさせる

・クリアポケットに爪痕がつきやすい

オーソドックスですが、ポケット式のクリアファイルに入れることの最大のメリットは、まさに「情報更新の手軽さ」にあります。
作品を作り続ける中で、アップデートをしたり、作品を見せる順番を変えたりすることが容易にできることが最大のメリットです。
一方で、ファイルにより安っぽく見える点が悩ましいのです。作品を見せる「ベース」はしっかり用意しておいた方が同じ作品でも良く見えます。ですので、オススメのポートフォリオブック専門店をご紹介します。私はここをかなり以前から使ってきていまして、日本ではここ以外ポートフォリオブックの品数と質がいいお店を知りません。ちなみに英語力があればディーラーによっては海外からの直輸入も可能かと思います。

コスモスインターナショナル(東京目黒駅徒歩15分くらい)
クリエーター、アーティストのためのポートフォリオブック専門店として、イタリア、ニューヨークなどの世界中のトップクリエイターが使うポートフォリオブックの様々な種類を取り扱われています。私はかつてニューヨークに住んでいた時に現地で作ったブックが、帰国後にここで扱われているのを知り驚きました。高価なものも多いのです。今ではオンラインでも購入できるようにですが、一度直接見に行くことをオススメします。



映像ファイル

[メリット]
・テクスチャーや、マテリアルを考える必要がない
・ファイル便を使いメール送信で完結できる
・「箱」のコストがかからない
[デメリット]
・映像ファイルは、マテリアルに対して作品自体の印象が残りにくい
・感覚的に捉えられやすく、しっかり説明する内容には不向き

メールで送れるという点が最大のメリットの他、ポートフォリオの「ベース」のコストはかからない点も嬉しいところです。ただこれはポートフォリオをどれだけしっかり見られるかということにおいては、「物体」に勝ることはないと思います。手軽に送れて見てもらえる分、作品自体の「クオリティ」で判断されるやすいです。言い方が変になりますが、ごまかしがきかないといえます。

比較的、グラフィックデザインなどの静止画で見せる作品よりは、動画作品などや、紙の印刷再現性をシビアに求められる、つまり微妙な色彩差やグラデーション再現が必要なキャラクターやアニメーション作品は適しているのではないかと思います。




SNS

[メリット]
・既存のプラットホームにより、容易に世界観を作りやすい
・SNSでの影響力も含めて評価対象となる
・マテリアルや郵送物によるプレゼンに比べ、容易に見てもらいやすい
・マテリアルに対して情報更新がしやすい
[デメリット]
・プレゼンテーションが各SNSでのプラットフォーム仕様に縛られる
・SNSでの影響力も含めて評価対象となる(デメリットにもなりえる)

これも映像ファイルと同じように、手軽に送れてシェアできる点においてSNSは持っておいた方がいいポートフォリオ形態の一つです。以下が主な候補です。


Behance
→ adobeが持っている無料のポートフォリオサイトです。私はこれを一番お勧めします。理由は大きく二つあり、一つは世界中のクリエイターが登録しているため、その人たちのプレゼンテーションを見れること。そこから勉強できることです。しかも第一線のデザイナーも多く登録してます。もう一つの理由は、内容次第では日本以外の国からビジネスチャンスが生まれえる可能性もあります。
プラットフォームでは、書体や配色、作品背景や、サイズから比較的自由にカスタマイズが可能です。大きな縛りといえば、縦スクロールのUIだけでしょうか。


Instagram
→ 改めて説明不要だと思います。


Resume
→ InnovationPlace Inc.という目黒にある会社が始めたポートフォリオサイトです。プラットフォームとしてはできてまだ間もないようです。私は使ったことがないのですが、探ってみても面白いのではないかと。


wantedly
→ 私が教えている生徒の何人かはこれを使っています。ビジネスチャンスを求めているなら、採用側も人材発掘の目的で見るサイトのため、採用のチャンスは生まれるかもしれません。インターンやまずはバイト的な感覚で業界を経験してみたいという場合の用途には合っている気がします。


dribbble
→ behanceと同じアメリカを本拠地を構えるポートフォリオサイトで世界からクリエイターが登録しています。ここはクローズドコミュニティであり、完全紹介制のため、すでに登録している人から紹介を受けないことには入ることができません。ですが、やり方はあります。私も更新は全くしてませんが入会はしてます。やり方次第では簡単でした。ここでは割愛しますがグーグル検索で調べれば入会のヒントは得られるので、入りたい方はクローズドだと諦めずに挑戦するといいと思います。
クローズドだけにクリエイターが作る作品クオリティは非常に高いです。グラフィックデザイナーも多少いますが、圧倒的にイラストレーターかUIUXデザイナーが占める作品サイトです。



まとめますが、やはりオススメはinstagram、Behanceです。
UIUXデザイナーであればdribbbleも初めてみてください。Behanceかdribbbleはいずれかでいいとは思います。お好みで方で活動するのがいいと思います。



ホームページ

[メリット]
・インターフェースからオリジナリティを出せる
[デメリット]
・制作コストと手間がかかる

ホームページが形や構造からオリジナルなものにできるので良いのですが、コストや手間がかかります。時間とコストが可能であれば制作することは可能だと思います。ちなみに最近はホームページと言ってもすでに何パターンかの既存テンプレートが用意されていて、それをアレンジして作れるものもありますが、そもそもHPでのプレゼンのメリットは「オリジナリティ」を最大化して見せれる点にあるわけです。この意味においてはテンプレートを使う理由はないと言えます。インターフェースを他者と同じものを使うのなら、SNSでいいのではないかと思います。就活・転職を希望される方々であれば、そこにあまりコストをかけるよりはSNSでしっかりアカウントを作ることをオススメします。



テリアル

[メリット]
・他のプレゼンテーションに比べて、よりオリジナリティを出せる
[デメリット]
・内容により、制作にコストや時間がかかる

以前、私がアートディレクターとして在籍していた会社の後輩が、デザイナーポジションを応募してきた時に、「みかん箱」で送られてきました。それには、ご丁寧に紙の作品ファイルが、さぞみかんのごとく白いフルーツキャップか何かの衝撃緩和剤に包まれてきました笑
懐かしい。今でも思い出せますし、こうして10年以上前の出来事を代表例として皆さんに御提示できるほどの「オリジナリティ」がそこにはあるわけです。
彼の出身は愛媛です。だから「みかん」箱に入れてきたわけですが、こういうその人にしかできない見せ方って確かに存在していて、SNSやクリアファイルだけでは決して伝えられないものがあります。

こうした手法を考えてみるのも面白いのではないかと。



まとめ


就活時は、初めは採用側から「まずは、作品を送ってください」と言われることが多いと思います。メール送信のコンテンツをどうするか、郵送用の形態をどうするかはそれぞれに合った内容で考えておく必要はありますが、何にしても、SNSです。
SNSは「広がり」を理由にやった方がいいです。人がより多く集まる、アクティブユーザーの母数の多いところで展開させる方が、「採用される」という視点を外したところでも受けるメリットが大きいからです。フォロワーの影響力を示せること、フォローからの刺激や学び、そして交流が生まれることです。






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