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ブランドメッセージなど、CI言語のチェックポイント10+α

こんにちは!コピーライターの和田裕史です。
今回は、ブランドメッセージに代表されるCI言語のチェックポイントをまとめました!

実際にCI言語をつくるコピーライターや、ブランディングを主導するブランド・プランナーだけでなく、それ以外の方でも参考にしやすいようにまとめてあります。

なぜまとめたのか? それは、

CI言語の良し悪しをチェックする基準がない・・・

という声がたくさん寄せられたからです。ぜひ、このチェックポイントをご活用ください!

※この記事で使用する「CI言語」とは、ブランドメッセージや企業理念、ミッション・ビジョン・バリューなど、企業のブランドを表現する言語の全般を指します。

CI言語のチェックポイント10

ブランドメッセージやキャッチコピー、採用キャッチコピーはもちろん、各CI言語をチェックするリストをまとめました。ここに記載したチェックを繰り返すことで、より一層”らしさ”が磨かれるはずです!

①クライアントの課題を解決できているか。
超基本。オーダーにきちんと応えているか。課題解決のための、具体的な効果/変化まで設計できているか。
②その企業”らしさ”がイメージできるか。
超重要。その企業にふさわしい言葉を選び、その企業らしい表現トーンでつくられているか。言葉の持つ音感や連想、余韻も大切。

例:「あそびましょ。」 ”赤城乳業らしさ”である、遊び心ある経営方針や商品づくりを表現できている。
③すでに使われていないか。
超重要。パクリはもちろん、類似も避ける。調査はしっかりと。ネット検索はもちろん、商標も調べましょう。

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④インナー/アウターが”=”でつながるか。
インナー、アウターともに意味が通じるようにする。イコールの関係でつなげることで、ブランドを蓄積させていく。

※「行動指針はインナーのみで使用する」など、すべてのCI言語が該当する訳ではありません。
⑤求心力があり、末永く使えるか。
課題を解決し、人をまとめ、引っ張り、未来へ向かわせる求心力があるか。納得(その通り!)/共感(私も!)/愛着(使いたい!)の要素が入っているか。一過性ではなく、永く使い続けられるか。

※CI言語には、今現在の姿だけでなく未来の姿(こうなりたい・こうあるべき)も求められます。
⑥ムダな言語、紛らわしい表現はないか。
課題解決のジャマになる要素はないか。ムダは排除。考えなくても理解できるくらいがベスト。最短距離で伝わるようにする。
⑦会話で使いやすいか。
会話など、実際に発音されるシーンを想像する。必ず声に出してチェックする。

※特にブランドメッセージは、「言いたくなる」ようにする。リズム感や言葉の持つ響きは超重要。句読点込みで15文字以内。
例:「愛に雪、恋を白。」「そうだ 京都、行こう。」「バザールでござーる」「NO MUSIC,NO LIFE」

※濁音(がざだば行)・半濁音(ぱ行)・促音(っ)・オノマトペを駆使する。
濁音:力強さ、重厚感、男性的
半濁音:可愛らしさ、軽やかさ、弾ける、女性的
促音:勢い、弾ける、爽快感、インパクト
オノマトペ(擬音語・擬態語):ドンドン、キラキラ
⑧見た目まで意識されているか。
文字の配列、漢字、ひらがな、数字、アルファベットのバランス、句読点の配置など、見た目にも配慮する。

※特にブランドメッセージは、視覚的要素にも気を使う。
例:「いのち、輝く。くらし、華やぐ。」「一瞬も、一生も、美しく。」「想像力と数百円」「いくぜ、100万台。」
⑨存在感があるか。
ロゴと組み合わせたり、タッチポイント(サイト・看板・名刺・ポスターなど)に組み込んでも存在感を発揮しているか。

※特にブランドメッセージは、存在感のある強さが必要。ロゴやデザインに負けないようにする。
⑩すべてのCI言語が連動しているか。
超重要。すべてが連動することで1本の軸が通ります。

チェックポイントリストはこちらでDL!

まだある! CI言語の大切なポイント

こちらではCI言語をつくる前とつくった後のポイントをお伝えします!

■キックオフ~情報収集
・課題や要望を明確にして、共有する。

「課題は何か」「CI言語にどんな効果を、いつまでに求めているのか」を明確にし、言語化し共有しておく。

・CI言語を多くつくり過ぎない。
超重要。多すぎると使用する際に混乱する。必要なだけにとどめておく。

・調べ尽くす。

サイトやパンフレット、社史、インタビュー記事、経営戦略、財務状況など、あらゆる角度から調べる。競合他社のCI言語も調べる。

・いろんな人から話を聞く。
社内:代表、古参スタッフ、若手スタッフ、あらゆる職種など
社外:取引先、お客様、地域の方など
→あらゆる角度から調べる。

・共通するキーワードを探す。
インタビューなどの中から、共通するキーワードを拾い上げていく。クライアントが大切にする価値観である可能性が高い。
■プレゼン~納品
・意図や期待される効果/変化もセット伝える。
「この言語で課題をどう解決していくか」「どんな効果や変化を狙っているか」も明確に伝える。言語だけ伝えるのはNG。

・プレゼン資料は事前に渡さない。言語を見せる順番を計算する。
プレゼン前に資料を渡すと、人それぞれの解釈をされてしまう。資料はプレゼン後に配る。
「制作意図→CI言語→期待できる効果」の順番がベスト。先にCI言語を伝えると、人によって解釈がズレる。最初に制作意図を伝えることで、解釈のズレを防ぐ。

・修正は最低限で。
修正を何度も繰り返すと、当初の意図からズレ始める。お互いのモチベーションも下がりクオリティが低下しがち。
※修正を最低限にするためにも、チェックリストでクオリティを高めておく。

■おまけ(精神論)
・とにかく書く。「もうこれ以上書けない!」からが本番。

少なくても100本は書く。質より量。100本に1本は原石がある(かもしれない)。

まとめ

いかがでしょうか? 少しでお役に立てたら嬉しいです!ぜひチェックポイントを使い倒してください。

併せてブランドメッセージの4つの型を解説する「企業のブランドメッセージをタイプ別に分類してみる」も、よろしければご覧ください。

私の所属する一般社団法人ブランド・プランナー協会では、理論と実践を融合した中小企業ブランディングの講座を行っています。

興味のある方はぜひサイトをチェックください!
一般社団法人ブランド・プランナー協会

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