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BOX SPACE:夢現 夢の枯渇

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かつて世界を守っていた「8人の王」の墓守をするDomino(ドミノ)。 王達が目覚めぬ様、夢の欠片を与え、子守唄を歌い続けていた。 しかし、ある疑問が彼の中にあった。  王達…
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106話 障子の向こう側

106話 障子の向こう側

向人(むこうびと)の屋敷を案内されたドミノとシイナ。長い廊下の道中、ドミノとシゲルは同じ目的意識が重なった。障子の前で待つ執事は、運ばれてきた食事と一緒にドミノ達を障子の向こう側へと案内した。

※ ※ ※

畳の部屋には大きな机が1つ。四角くて低いその机の側面には、細かい彫刻が施されいた。正座の大人達は向かい合う様に座っており、その間には会話は無かった。

「おぉ、待っておったぞ」

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105話 ドミノの思い

105話 ドミノの思い

向人(むこうびと)の屋敷で夜空を見上げるドミノとシゲル。シゲルは1つしか夢を見ない事を悲しく思っていた。できる事なら、皆んなと同じように様々な夢を見たいと。その思いをドミノは真剣に受け止めた。

※ ※ ※

瞬く星達を見つめるドミノ。そのドミノを見つめるシゲルは再び視線を宇宙へ戻した。

私は…ドミノは言葉を探しながら自分の思いを口にした。

「私は、この世界には真実が隠れている

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104話 シゲルの思い

104話 シゲルの思い

向人(むこうびと)は、夢の扉を2つ持つ。こちらに続く扉とあちら側へ続く扉。夢に迷い込んだ人たちの架け橋になって夢を通って戻す役目を担っている。その夢には、かつて盗まれた夢の入り口と出口を示す双子星が輝くかつての夢の姿だった。

※ ※ ※

ドミノは早い鼓動を何とか落ち着かせ考えを巡らせた。

墓には何が眠っているのか。墓守はどうしてこうもして、孤独と引き換えに歌を歌い続けなければなら

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103話 夢の代償

103話 夢の代償

向人(むこうびと)・シゲルは、昔かつて皆が見ていた同じ夢を見続けていた。その夢には迷い込んだ者たちを向こう側へ返す扉がある。しかし、茂はその扉へ近づくこともできない。繰り返す同じ夢から解放され、いつか様々な夢を見る事を望んでいたが、叶いそうにもないという現実を知り悲しんだ。

※ ※ ※

シゲルの表情は変わらず悲しみが浮かんでいた。
ドミノとシイナはそんなシゲルの思いが痛いほど理解できた

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102話 夢の名残り

102話 夢の名残り

向人(むこうびと)の屋敷をシゲルに案内されているドミノとシイナ。廊下の途中、迷い込んだ向人は向人の夢でしか戻れないという話に、ドミノは興味を抱いた。そして、シゲルの1つしかない夢には、かつての双子星がまだ存在している事を知り心底驚いた。

※ ※ ※

シイナとシゲルは、険しいドミノの顔を見つめていた。

「ど、どうかしましたか?」

シイナは恐る恐る声をかけた。ドミノは頭を抱えて

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101話 2つの扉

101話 2つの扉

向人(むこうびと)の屋敷を進むドミノとシイナ。屋敷を案内する人物は「去人・ミナコ」や「向人・ユキ」を『向こう側』へ届ける役目を担ったタナカ・シゲルであった。シゲルは、夢の扉について詳しく話し始めた。

※ ※ ※

シゲルは長い廊下の先頭をゆっくりと進んで行った。
ドミノはシゲルの後をついて行く。シイナはフラフラする風の子・マロンを捕まえるのに苦戦している様だった。

「私達は向人とし

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100話 向人・シゲル

100話 向人・シゲル

ドミノとシイナは、向人(むこうびと)の屋敷へと招き入れられた。そこで出会った執事の「ヤマダ」は屋敷にどれほど仕えているのか。その曲がった腰と、シワに埋もれた目はこの屋敷の全てを知っている様であった。

※ ※ ※

「こちらです」

そう言って、大きな玄関へとやってきたドミノは少し高台になっている床の上で、見知った顔を見つけた。

「あなたは……」

「ようこそいらっしゃいまし

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99話 訪問

99話 訪問

ドミノとシイナは、向人(むこうびと)の屋敷前で立ち尽くしていた。大きな門構えには重厚感のあるドアノックが付いており、鳴らされる時を待っている。ドミノは扉の脇に付けられた表札を見つめ家主を想像した。

※ ※ ※

表札は年季が入っており、そこにある文字も薄れて読みづらくなっていた。もう少し近づいてみるとそこには「田中」という文字が薄く浮かび上がっていた。

「な、何か四角がいっぱいの形

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98話 向人の屋敷前

98話 向人の屋敷前

運び屋・アネモネと空を移動中、黒の国からの狼煙を見つけたドミノ達。その意味を知っているシイナにアネモネは興味を示した。困惑するシイナとドミノ。そうこうしているうちに、目的地である「向人(むこうびと)の館」へと到着した。

※ ※ ※

アネモネは、ドミノとシイナとの別れを惜しむより、情報を聞き出せなかった事の方が心残りだった様だった。
すぐに8の巣へ戻り兄弟達と合流する約速さえしなければ…

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96話 夢の亀裂

96話 夢の亀裂

コントラのドミノとシイナは、夢の集まる8の巣フロアの中心で運び屋・アネモネと出会った。アネモネが言うには、施錠された夢へ続く扉を移動する為に一族全員が集まったとの事だった。

※ ※ ※

アネモネは、順番に兄弟や親戚の紹介をした。

「1番上の兄貴のラナン。で、下の弟のリーヤ、妹のリリー、末の弟のデルフィ」

アネモネは自分は5人兄弟だと説明を加えて、デルフィの側に立つ他の者達の

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95話 扉の移動

95話 扉の移動

ドミノとシイナは少しの休息をはさみ、再びコントラとしての役目を果たす為、夢の集まる場所へ向かった。ファミリーが夢を解体する為に通る8の巣の中心フロアへ…と。

※ ※ ※

8の巣フロアの中心はまだ相変わらず騒然としていた。シイナが蹴り上げたハンマーがガラス窓に突き刺さったままで、そこから長く伸びるひび割れは依然と比べ大きくなっている様に見えた。

「あ! ドミノ! おーい!」

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94話 魔法の歌

94話 魔法の歌

無事回復したシイナ。元気に起きたが、ドミノがシイナの為にと作ったフルーツタルトを見つめ涙してしまう。それは、誕生日が生まれて初めて「幸せな日」と繋がったからかもしれない。そんな泣くシイナを、ドミノは優しく抱きしめた。

※ ※ ※

ドミノに抱きしめられたシイナは驚きの余り涙が止まってしまった。流れる鼻水をすすり、何が起きているのか考える。しかし、不思議と嫌では無かった。子供の頃に欲しかっ

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93話 回復

93話 回復

高熱を出し、苦しんでいたシイナだったがドミノの作ったカユを食べ元気を取り戻した。シイナは、幼い頃母が作ってくれたカユの味にとても良く似ていたな、と思いながら再び夢底に沈んでいった。

※ ※ ※

翌朝、シイナはすっかり元気になっていた。腹の虫も調子を取り戻した様で大きな声で鳴いている。

「お腹の虫も元気になりましたね」

ドミノは机に広げていた資料を片付けながら、部屋から飛び出

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92話 看病

92話 看病

高熱で苦しむシイナの為に、ドミノは8の巣の前に広がる露店(ストア)で買い物をすませ部屋に戻ってきた。誰かの為に料理を作るなど久しぶりで、ドミノは内心緊張していた。しかし、その緊張は心地いい緊張感だった。

※ ※ ※

寝室で1人眠るシイナは、朦朧とした意識の中誰かの気配を感じ声をかけた。

「だ、誰?」

「わしじゃよ。大丈夫、もう少し寝ておれ」

守護柱・リスのラルーはシイ

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