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白狼の子たる修道女

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修道女のお姉さんが殴ったりちぎったりして殺すお話です。マガジンは公開日時順に並んでいます。完結済み。
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#ダークファンタジー

白狼の子たる修道女 総合目次

前日譚的な外伝【嘆きの声で歌うのか?】 前編 後編 本編 【けだものは神に祈るのか?】  …

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【けだものは神に祈るのか?】 #1

 死のにおいが漂う洞窟の奥、紺色の修道服を着た女がオークに馬乗りになり、幾度も顔面を殴り…

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【けだものは神に祈るのか?】 #2

【総合目次】 ← #1  暮れ方。燃えるような色に染まった平原の道を、三人の冒険者が歩いて…

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【けだものは神に祈るのか?】 #3

【総合目次】 ← #2 「けえぇぇッ!」 「なッ」  咄嗟のことに、ドアに一番近い位置にい…

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【けだものは神に祈るのか?】 #4

【総合目次】 ← #3 「あぐっ! うあっ、ああっ! やめ、やめろぉぉ……っ!」  聞こえ…

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【けだものは神に祈るのか?】 #5

【総合目次】 ← #4 「レイチェル……さん……?」  ケネトは痛みも忘れた様子でその名を…

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【その灯りを恐れなかったのは誰か?】 #3

【総合目次】 ← #2  酒場を出ると、肌寒い夜の空気がアルティナたちを出迎えた。この時間でも交易都市リディアの目抜き通りは賑わっており、人通りは絶えない。それを眺めるアルティナの横で、レイチェルは大きく伸びをした。 「んーっ……とっても気持ちいいお酒でした。アルティナさん、本当にごちそうさまです」 「喜んでくれたなら何よりだ。それにしても、あんな短時間で瓶をまるごと空けるとは恐れ入ったよ。私では敵わんな」 「うふふ」 「ふらついているようだが、大丈夫か? ひとり

【その灯りを恐れなかったのは誰か?】 #4

【総合目次】 ← #3  気の遠くなるほど昔のことでも、読み取ろうとする者がいるかぎり、世…

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【その灯りを恐れなかったのは誰か?】 #5

【総合目次】 ← #4  不快な空間だった。すぐ近くに立つ二対の燭台に灯された青い火以外に…

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【その灯りを恐れなかったのは誰か?】 #6

【総合目次】 ← #5  魔物たちが濁流のごとく押し寄せてくる。レイチェルの側は炎の壁が薄…

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【その灯りを恐れなかったのは誰か?】 #7

【総合目次】 ← #6 「マティア……ダーヴァ……ギブル……ヴィズリフ!」  魔教徒がふた…

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【君の安らぎは何処にあるのか?】 #5

【総合目次】 ← #4  レイチェルはジルケを地面に座らせ、頬と首筋に負った火傷を癒してい…

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【君の安らぎは何処にあるのか?】 #6

【総合目次】 ← #5 「何者だ!」  ビロンは小さな体躯に似合わぬ大音声を響かせた。  …

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【君の安らぎは何処にあるのか?】 #7

【総合目次】 ← #6  アビスオークは折れた柱を棍棒で打ちくだき、破片を飛ばしてきた。レイチェルはすかさず横に避けたが、敵は間髪入れず、追撃を蹴ってよこした。ゴブリンの首なし死体だった。  躱すのは容易なことだった。しかし敵の狙いをレイチェルは見誤った。首の切断面からまき散らされた血がレイチェルの顔にかかり、視界を一瞬だけ塞いだ。 「……!」 「オオオォォォ!!」  その一瞬の間に、アビスオークが迫った。  真横から棍棒が振り抜かれる。回避する動きがとれず、左