夢世のエル

主にファンタジー小説を載せる場所です。【プロフィール画像作成:@kakurebi】

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マガジン

  • 観た映画つれづれ

    映画の感想を書き散らします。

  • 地獄行きオクトーバー

    サキュバスの姉と人間の妹が、化け物たちとバトったりするお話です。完結済み。

  • 白狼の子たる修道女

    修道女のお姉さんが殴ったりちぎったりして殺すお話です。マガジンは公開日時順に並んでいます。完結済み。

  • 逆噴射小説大賞2022 自作品投稿まとめ

    タイトル通りです。

  • 逆噴射小説大賞2021 自作品関連まとめ

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白狼の子たる修道女 総合目次

前日譚的な外伝【嘆きの声で歌うのか?】 前編 後編 本編 【けだものは神に祈るのか?】  #1 #2 #3 #4 #5   幕間 1 2 3   酔夢 1 【その灯りを恐れなかったのは誰か?】  #1 #2 #3 #4 #5 #6 #7   幕間 4 5 6  酔夢 2  【君の安らぎは何処にあるのか?】  #1 #2 #3 #4 #5 #6 #7   幕間 7 8 9 10   酔夢 3 4  【豚が狼を喰らうのか?】  #1 #2 #3 #4 #5 #6 #7 

    • 人並みに、スペルビア(雑記)

       また一ヶ月くらい黙っちゃったのでクソどうでもいいことでお茶を濁しにきたんですけど。  「人並みにおごれや」ってあるじゃないですか。$${\sqrt{3}}$$=1.7320508……の語呂合わせのやつ。これ、どの立場から言ってんだろうって疑問に思いませんでした? 「そっちの方が稼いでんだから奢ってよ~」みたいなノリで言ってるんだとしたら言い方がクソすぎんか、って思ったんですよ高校時代の僕は。これが先輩からの教訓めいたアレとかなら納得できるかもしれない。「今夜は俺が奢ったる

      • 観た映画つれづれ(2)

        ・最近映画を見始めた人が感想をつれづれ書き散らします。 ・10作ずつです。 ・ネタバレあり。 ・評価は点数ではなく、好き度合いで表記。 ・レアリティは上から「めちゃめちゃ好き」「かなり好き」「好き」「ふつう」「好きじゃない」。例外アリ。 ・変なこと書いてたら鼻で笑って流してください。 『コラテラル』 かなり好き。  トム・クルーズが悪役を演じるということで注目を集めた映画。画像でもセンターを陣取っている。  マックスとヴィンセントの関係性がとにかくよい。映画の多くの部分が彼

        • 地獄行きオクトーバー まとめ版

          1  十月になった。ハロウィンの季節だ。お姉が地獄から帰ってくる。 「ヘイ、ミナちゃんよ。炬燵にゃ早くね?」  リビングまで入ってきたお姉は開口一番、呆れたようにそう言った。  わたしは炬燵に顎をのせたまま答える。 「令和が悪いんだよ」 「寒がりちゃんめ。脂肪がたりんな」  お姉は自分のおっぱいを鷲掴みにして、たゆんたゆんと揺らす。青い肌に黒いレオタード、翼に尻尾。どこに出しても恥ずかしくない本物のサキュバスだ。敵うわけなかろう。  お姉は炬燵に入らず、わたしの隣でど

        • 固定された記事

        白狼の子たる修道女 総合目次

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        • 観た映画つれづれ
          2本
        • 地獄行きオクトーバー
          12本
        • 白狼の子たる修道女
          87本
        • 逆噴射小説大賞2022 自作品投稿まとめ
          3本
        • 逆噴射小説大賞2021 自作品関連まとめ
          3本
        • 逆噴射小説大賞2020 自作品関連まとめ
          12本

        記事

          【地獄行きオクトーバー】完成版あとがき&おまけの裏話

          (write:しもべ) 800字ver 完成版マガジン ネタを思いついたのが、確か10月15日ごろ。脱稿したのが11月13日。発案から一ヶ月足らずで30000字の物語を完結させたことになる。1日1000字ペースは絶対的には別に速いわけでもないのだろうけど、筆の遅い僕としては相当に速かったなと評価している。 とにかく書くのを我慢できなかった。この作品には僕の好きなものがたくさん詰まっていた。ちょうど短編を書きたいという欲求もあったし、現代日本が舞台なので身近な表現を使え

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          【地獄行きオクトーバー】完成版あとがき&おまけの裏話

          地獄行きオクトーバー (10/10)

          ← 前の話  血の跡は、三階建ての廃ビルの中へと続いていた。もとは何かの事務所だったのだろう。  わたしは割れたガラスドアから入っていく。  砕けたコンクリートの破片を踏み、砂にする。 (及川のやつ、あの夜から様子がおかしかったんだ。心ここにあらずって感じでさ。そのうち職場にも来なくなっちまって。何度かあいつのマンションにも行ったけど、反応はなかった)  階段をのぼる。血の跡は途中で消えていた。それでもわたしに迷いはなかった。こういう時、お姉は絶対にいちばん高いところに

          地獄行きオクトーバー (10/10)

          地獄行きオクトーバー (9/10)

          ← 前の話 「甘いぜぇ、甘ちゃん!」  サキュバスが回転した、と思うと、強烈な蹴りがわたしの側面を打った。わたしは十数メートルも吹っ飛ばされた。錆びたドアを砕き、大量のコンテナが積まれた倉庫のなかへ。  わたしは姿勢を整え、ブーツで床を滑りながら、スカートの中から秘密兵器をばら撒いた。大量のロザリオだ。追撃をかけようと突っ込んできたサキュバスが、そのひとつを踏んだ。 「いッッッだああああッ!? 何これ、画鋲!?」  そんな甘いものじゃない。釘だ。踏んづけると、足の甲

          地獄行きオクトーバー (9/10)

          地獄行きオクトーバー (8/10)

          ← 前の話  十月三十一日。ハロウィン当日。  一ヶ月もやってるとはいえ、ハロウィンがいちばん盛り上がるのはやはり当日だ。しがない地方都市にすぎないこの街の大通りに、いつもの1.3倍くらいの人が押し寄せてきている。密にはなっていない。ハロウィン期間を拡大した市の政策は、ひとまず成功といって良さそうだった。  街は明るく、活気に満ちていた。コツコツ通りという名の商店街の看板には骨の装飾が施され、ジャック・オ・ランタンのオブジェがあちこちで温かみのある光を灯している(本人は

          地獄行きオクトーバー (8/10)

          地獄行きオクトーバー (7/10)

          ← 前の話  十月二十九日。  いつもと同じように、お姉と夜の見回りをしていたはずだった。なのにいつの間にか、わたしは自室のベッドで横になっていた。 「あれ。ここは……」 「おう、お目覚めかい」  お姉がわたしの椅子に腰かけてポテチを食べている。 「もう平気? あんた見回り中にぶっ倒れちゃったからさ。ひとまず連れ帰ってきてあげたわよ」 「ああ、そうだった」  今夜のことを思い出し、にへらと頬が緩んだ。あのドラキュラ伯爵に出会ったのだ。ゲイリー・オールドマンが演じた

          地獄行きオクトーバー (7/10)

          地獄行きオクトーバー (6/10)

          ← 前の話  十月七日。裏路地。  その日もお姉といっしょに深夜までぶらぶらしていると、シルクハットの英国紳士が待ち構えていた。月明かりの下、ナイフをべろんと舐めている。 「キッヒヒヒ……。今晩は、お嬢さんがた。私は魔人ジャック・ザ・リッパー。貴女たちをズタズタに切り裂きたいんですが、いいですよねェ?」  ジャック・ザ・リッパー! かつてロンドンを震撼させた伝説の殺人鬼だ。わたしは不謹慎にもちょっと興奮した。 「いいわけないでしょボケ。裂くのはあたしの服だけにしとき

          地獄行きオクトーバー (6/10)

          地獄行きオクトーバー (5/10)

          ← 前の話  わたしは昔から明るい性格ではなかった。そのうえ思ったことは口に出すのを躊躇わない性質で、だから学校で嫌われるのは自然の帰結だった。いじめと断言できる程度ではない。きっとどこのクラスにもあった、どんよりとした無形の檻。その中に囚われて、わたしは小学と中学をやり過ごした。  別に平気。あんな頭の悪い連中、むしろこっちからお断りだ。そう思っていた。でも日々を重ねていくと、いつまでも掃除されない灰皿のように、心の底に何かの滓が溜まっていく。それは決まって寒い夜、わた

          地獄行きオクトーバー (5/10)

          地獄行きオクトーバー (4/10)

          ← 前の話  さらに撃つ。お姉を囲んで嬲ろうとする下衆どもを次々と殺していく。  まず狙うべくは胴体。的が大きいからだ。そうして堅実に怯ませてから、ヘッドショットでとどめを刺す。二撃一殺がわたしの基本。神父さまが教えてくれた退魔のやり方。 「ミ……ミナさん。君はいったい」  振り返る。及川さんがわたしを見ている。なぜかは知らないけれど、カメラを構えようとしていた。  わたしは右手の銃を向けた。 「ひゃあ! ま、待って、僕は」 「動かないで」  撃つ。弾丸は及川さんの

          地獄行きオクトーバー (4/10)

          地獄行きオクトーバー (3/10)

          ← 前の話  チュパカブラはふらつきながらも立ち上がる。お姉はアイスのコーンを口に放り込み、手についたクリームを舐めしゃぶりながら近付いていく。 「悪いわね。同じ地獄の生き物だけど、妹に手ぇ出すやつはブチ殺す」 「お姉! そいつ本物?」 「こんなベロの人間はいないでしょ」  チュパカブラは真っ黒な眼球でお姉を睨みながら、細長い舌を真夏のミミズみたいにくねらせる。この舌を突き刺してチューチュー吸血するのだろう。悪い病気も移されそうだ。 「ミナ、離れちゃダメよ。男二人もそ

          地獄行きオクトーバー (3/10)

          地獄行きオクトーバー (2/10)

          ← 前の話  ロザリオを首にかけ、着替えを終える。部屋を出ると、お姉が四方八方から視線で撫でまわしてきた。 「ほうほう。控えめながらもフリフリのドレスっぽい装飾のきいたシスター服ですな。癪だが中々そそるモノがある。オタク受けしそうだわ」 「そりゃどうも」 「袖口ひろいね。風とか入って寒くない?」 「平気だよ。今日は晴れててあったかいし」  というわけで、わたしたちはさっそく聞き込みを開始した。お隣さんに始まり、さらにそのご近所、ご近所と辿っていくと、思っていたより広範囲

          地獄行きオクトーバー (2/10)

          地獄行きオクトーバー (1/10)

           十月になった。つまりハロウィンの季節だ。お姉が地獄から帰ってくる。 「ヘイ、ミナちゃんよ。炬燵にゃ早くね?」  リビングまで入ってきたお姉は開口一番、呆れたように言った。  わたしは炬燵に顎をのせたまま答えた。 「令和が悪いんだよ」 「寒がりちゃんめ。脂肪がたりんな」  お姉は自分のおっぱいを鷲掴みにして、たゆんたゆんと揺らす。青い肌に黒いレオタード、翼に尻尾。どこに出しても恥ずかしくない本物のサキュバスだ。敵うわけなかろう。  お姉は炬燵に入らず、わたしの隣でどっ

          地獄行きオクトーバー (1/10)

          逆噴射小説大賞2022 ライナーノーツ

           こんにちは。エル様のしもべです。  今年も参加しました逆噴射小説大賞。去年は連載もあったのでサボりましたが、今年はライナーノーツもやりますよ。エル様からのひとこと裏話もあり。 落ち雛飛翔 兄弟の話。いつものファンタジー枠。  モチーフになったのはイヌワシ。日本のイヌワシには、先に生まれた雛があとの雛を殺してしまう兄弟殺しなる習性があるそうで、「弟を庇って死ぬ兄貴」萌えの僕はこの習性を逆転させるとエモいんじゃね?と考えました(ジョジョ四部で一番好きなのは虹村形兆)。今思

          逆噴射小説大賞2022 ライナーノーツ