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イチ非正規書店員が「離職者の多いお店」に思うこと

書店の求人情報を定期的にチェックしています。

いまの職場を離れるとかではなく、精神的な保険や現実逃避に近い行動です。

同時に「もし求人が出たらエントリーしたい」と狙っているお店もなくはない。そういう職場ほど離職者が少ないのも事実ですけどね。

従業員を常に募集している本屋もあります。「ジュンク堂書店・池袋本店」や「紀伊國屋書店・新宿本店」など。何となく理解できます。複数フロアでお客さん及び荷物の量が多く、大変そうだから人が集まらないのでしょう。

「これはどうなんだ?」と首を傾げてしまうのは、求人を下げて少ししたらまた出すことを繰り返すお店。人が定着しない。労働条件が他と比べて格別厳しいわけでもないのに。

過去の経験から言えることがあるとしたら、そういうところは採用基準がおかしい。「前に辞めたのと同じタイプでは?」という人を採り、案の定すぐいなくなる。

面接だけでは判断が難しいし、見極めるために試用期間を設けているのもわかります。でも同じ失敗が続くことには理由がある。正社員だけで決めてダメなら、現場の非正規雇用から意見を聴くことも有効でしょう。人を見る目の有無は必ずしも地位や年齢とは関連しません。

意欲のある人が「やりたいことができない」と離れるケースも少なくない。いわば配置の問題。たとえば私は雑誌エリアを長年任され、最近まで書籍の担当をしたことがなかった。本が好きで入ったのに、文具やDVDの棚しか触ったことのない同僚もいました。

組織で働く以上は仕方ないことだし、積み重ねた経験は無駄にならない。でも定期的に彼や彼女の声を聴き、適性や能力に見合った働き場(ラクができるとかではない)を提供できる方が互いのためになるのも確かです。少なくともそういう考え方の人が店長を務めていた時期に離職者はほとんど出ませんでした。

人手不足。だからこそ目先の欲に囚われないでほしいです。

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