見出し画像

ある人物の「才能」を見た

久し振りに両国国技館でプロレスを見ました。

会場にいた方にはご理解いただけるはずですが、SHO選手の乱入はさほど不快ではなかったです。

もちろん最初は「えー、決勝戦なのに」と気が抜けました。でもふたりをKOした後の「メインはノーコンテスト(無効試合)です。規制退場をお願いします」「帰れって言ってんだろ! 帰れ!」というSHO選手のマイクがおかしくて。完全に「おまえが帰れ」の突っ込み待ちですから。 

SHO選手を排除し、場外でのびてしまったヒロム選手とYOH選手を励ますためにセミファイナルでタッグリーグ優勝を決めた後藤選手とYoshi-Hashi選手、そして鷹木選手と内藤選手まで登場。「ああ、総出で盛り上げてくれるのか」と。

YOH選手は初の決勝進出。まだ勝ちパターンで使える技のレパートリーが少なく、30分越えのロングマッチが基本線である大会場のメインでは間が持てないかもと危惧していました。意図はどうであれ、結果的にSHO選手の妨害がそこを補いました。「YOH頑張れ!」というムードも高まりました。

本当は乱入なんてない方がいい。でも今回は一種のサプライズとして受け止められたし、ヒールレスラーのフィルターを通して翻訳された元パートナーへの愛情を感じました。落語でいうと、二つ目昇進後初の独演会に口の悪い同期が飛び入りで参加して毒を吐くような。

昨日も似たようなことを書きましたが、改めて「何事も一概に全否定はできないな」と噛み締めました。もうひとつ学んだのは「他人に『何とかしてやりたい』と思わせるのも才能のうち」ということ。YOH選手には、いい意味での「不安定な素朴さ」と「頼りない真っ直ぐさ」があるのです。彼がそれを自覚して「売り」に変換しようとしたら消えてしまう魅力かもしれない。

最後に高橋ヒロム選手、優勝おめでとう!!! 東京ドームのタイトル戦を楽しみにしています。

この記事が参加している募集

スポーツ観戦記

最近の学び

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!