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イチ書店員が「武者修行@街の本屋」から学んだこと

レスラーと書店員は似ている。

プロレスリング・ノアで昨年9月から武者修行に励んでいた大岩陵平選手の同団体ラストマッチが、後楽園ホールでおこなわれました。

この1年で新日本プロレスでは学べぬスキル、気づけぬ発想にたくさん触れることができたはず。先月引退した小川良成さんにも成長を認められていました。今後の躍進が楽しみです。

かつて小さな街の本屋で1年半働かせてもらったことを思い出しました。全国チェーン的な大量入荷&大量返品の粗い働き方しか知らない私に、書店員としてのベーシックを叩き込んでくれた職場です。いま思うと、あの期間はまさに武者修行でした。

正社員であれば、他店への異動で似たような経験を積めるかもしれない。しかし非正規だとなかなか難しい。私の場合は職場の閉店が続いたことでいくつかの本屋を渡り歩き、結果的に視野や仕事の幅を広げることができました。

同じ書店業でも、会社によって仕事の進め方や重視するポイントがかなり異なります(店によっても)。それこそカバーの折り方や掛け方、接客用語の基礎、本の積み方からして違う。プロレスでも団体によってロープワークの作法や基本技の様式が変わってくるように。

同じ会社しか知らないと、そこのやり方だけが正しいと妄信しがち(謎ルールが撤廃されない理由のひとつです)。でも一歩外に出ればそんなことはないと気づけるし、双方の長所を拾い上げてアウフヘーベンすることもできます。

大岩選手が小川さんから多くのことを教わったように、私も街の本屋の店長から色々学びました。いまでも役に立っています。彼も新日本に戻ってから実感するはず。「この点ではノアの方が優れているな」とか。

プロレス界を見習い、書店業界も交換留学というか、相互受け入れみたいなシステムを作ってほしいです。

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!