「作家志望の元・受験生」が「いまの受験生」にオススメしたい一冊
今日は「大学入学共通テスト」の日です。
私の頃は「センター試験」と呼ばれていました。ちなみに受けていません。志望校が私大のみで必要なかったのです。
狙いは文学部と法学部。前者は作家になりたかったからで、後者は文系っぽい感じがしたから(というか、親にそれとなく誘導された)。前者に落ち、後者に入りました。
いま思えば入学後に転部できたわけですが、そんなシステムがあることを知りませんでした。誰も教えてくれなかった、というのは言い訳です。
とはいえ、文学部と小説家が直結しているわけでもない(アメリカだとそういう学部もあるみたいですが)。カフカや三島由紀夫が法学部卒だった事実も励みになりました。
「夢がない」と嘆く同級生に羨ましがられた記憶があります。なぜか誇らしい気持ちに浸りつつ、一方で「でもどうすればなれるのかわからないし」という戸惑いもありました。
就職した会社が1年半で潰れ、専門学校に1年通い、創作術や文章術などを学びました(その学校もいまはありません)。在学中に本屋でバイトを始め、卒業後に契約社員になって書店員人生がスタートし、2020年にnoteと出会い、現在に至っています。
「もう少し上手くできなかったのか?」と思わなくもない。ただ絶望したことはありません。作家志望にとってはすべての経験が無駄じゃない。無駄にしてたまるかという意地で生きてきました。
もしかしたら、どんな職業を目指すにしても根本は一緒なのかもしれません。前置きが長くなりました。今回紹介したい本は↓です。
著者は森川智之(もりかわ としゆき)さん。30年以上のキャリアを誇り、一部界隈では「帝王」と呼ばれています。「マトリックス」のキアヌ・リーブスやトム・クルーズの吹き替えでも有名です。
森川さんいわく、声優志望の人はアニメやゲームを好きな人が多いとか。キッカケはそれでもかまわないとしつつ、彼は以下のように戒めています。
デビューできていない私が書いても説得力ゼロだけど、同じことは作家志望にも当てはまりそう。「もし小説家になりたいならば、本ばかり読んでいてはダメだ」と。私みたいなタイプが文学部に入ったら、まさにそういう視野の狭い人生を送っていた気がします。
結局はどんな仕事も対人間です。多種多様な人と関わるなかで学んでいく。少数の例外は存在するでしょうけど基本線は。
ならば「どういう職業に就きたいか」よりも「どういう人間になりたいか」や「どういう人間と関わっていきたいか」の方が先かもしれない。そこから逆算し、大学や学部を選ぶのもアリかもしれない。
結果オーライですが、私は法学部に入って良かった。興味の対象が広がったから。休みがほとんどない営業会社に入って良かった。世の不条理を体感できたから。書店員になって、noteを始めて良かった。本を好きな人たちと日々関わることができるから。そして、これらの経験すべてが作家志望の己を磨いてくれたと確信しています。
チェ・ゲバラと太宰治とカフカとジム・モリソンを足して4で割った人間になりたい。まだまだここからです。
入試が終わってひと段落したら、もしくは受験勉強の息抜きにぜひ。
作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!