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「夏の余韻が残る秋」にオススメの数冊

せっせと集めています。

といいつつ、実は買っていない号も。一話完結ゆえ、物語についていけないなんて事態にはなりません。気になる話だけ購入も全然アリ。実際、木村拓哉さんが犯人を演じた↓の売れ行きがいまのところ断トツです。

オススメは今週火曜に発売された19号。収録されている「完全すぎた殺人」の犯人役が福山雅治さん。しかも役どころは化学製品全般を扱う大企業研究室の研究員。そう、いま映画「沈黙のパレード」が公開中の「ガリレオ」シリーズで彼が演じる湯川学とイメージが重なるのです。

「ガリレオ」のTVドラマがスタートしたのは2007年10月。↑が放送されたのは1999年6月です。実に先見の明のあるキャスティング。しかも「もし湯川が犯人だったら」と想像する楽しみを与えてくれる、複雑で理詰めな構成になっています。

そしてそして。「沈黙のパレード」の文庫版が順調に売れていますが、あれは長編。一方、TV版「ガリレオ」は「古畑」と同じく、基本的には尺の短い一話完結ものです。「古畑」の感覚で「ガリレオ」を楽しみたい方には短編集をオススメしています。

いくつか出ていますが、いま私が推したいのは↓です。

最初の「幻惑す(まどわす)」を本屋で覗いていただければ、なぜ私が「いま推したい」と書いたのかわかっていただけるはず。ぜひご一読を。

第二章の「透視す(みとおす)」も東野圭吾さんならではの流れ。同じ味を出せそうで誰にも出せない。言い方はおかしいけど「ずるいなあ」と感じました。

ちなみにシリーズとしては7作目。ドラマ化を経た後に書かれています。ゆえに頭の柔らかい東野さんは、従来の湯川学のキャラクターへ福山さんの創り上げたイメージを巧みにフィードバックしています。興味のある方は、映像化する前に書かれた「探偵ガリレオ」「予知夢」と比べてみてください。きっと違いを感得できるはず。

枕草子の「春はあけぼの」じゃないけど、本好き界隈では「秋の夜長はミステリー」といいます。気がつくと寝る時間をとっくに過ぎ、なんなら空も明るくなっている。そんな重厚且つ長大な作品も私は好きです。一方で、ムダのない鮮やかなロジックと切り口をより楽しめるのは短い物語。夏の余韻がまだ残っていますし、まずは読みやすい短編集から始めてみては?

雨模様の週末はぜひ「古畑」と「ガリレオ」を。知的且つスタイリッシュな謎解きを共に楽しみましょう!!

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